4 / 7
私の毎日
3
しおりを挟む
父と継母はそのままお話を続けるようなので、私は2人の姉を部屋へ案内した。
2階には3部屋あり、ひとつは父の書斎を兼ねた部屋、ひとつは私の部屋、そして母の部屋だ。
母のドレスなどは成長して着られるようになった私が着ているので、クローゼットは空っぽだ。
3人で一緒に寝ていた時もあったので、母の部屋のベッドはとても大きい。だから、とりあえず継母と姉の3人にはそこで寝てもらうことになっていた。(事前に父と決めていた)
しかし理不尽な運命は、母を殺すだけでは飽きたらなかった。
5人で暮らし始めて約半年後、海外の仕事へ旅立った父は、二度と屋敷に戻らなかった。父の取引相手の方がわざわざ屋敷まで出向いてくださり、訃報を知らせてくれた。
「わざわざこんなに遠いところまで、どうもありがとうございました。どうか貴方もお気を付けて」
「ええ……本当にご愁傷さまでした。お嬢様も、どうかお元気で」
暗い顔で立ち去る取引相手を見送り、扉を閉めた。
リビングに4人で集まって先程の話を伝えると、継母は持っていた扇を勢いよく投げ捨てた。
「どうして……どうして、私が幸せになろうとすると、こうなるの……??」
それからの私の生活は、一変した。
事業が上手くいって子爵家に成り上がった我が家は、父を亡くしたことで、今まで通りの生活をすることが出来なくなった。
貯金を少しずつ切り崩して生活するので、雇っていた使用人も、みんな解雇してしまった。2・3人、私の幼少期から面倒を見てくれていた人達が残ると言ってくれたが、お給料も十分に出せないので彼らの生活が保証出来ないから、と残念ながら断った。
最初は4人で何とか家事を分担しようと奮闘していたのだがーーー
「ねぇレラ?貴方が1番お料理が上手だわ。毎日貴方の作ったものが食べたいくらい……」
継母にそう言われ、最初はとても嬉しくて、「それなら、私が毎食作るわ!」と豪語してしまった。毎食作るのは本当に大変で、3日後くらいには後悔したのだが、3人が「美味しい」とか「ありがとう」とか言ってくれたから、頑張れた。
ーーーーーー今思えば、うまく継母の口車に乗せられただけだったのだ。
その後はなんやかんやで結局すべての家事を私がこなすことになってしまった。元々都会暮らしの彼女たちには、家の仕事をするなんてハナから無茶だったのだろう。
父の死から3ヶ月後くらいに、今度は部屋を変えてくれ、と言い出した。
「3人であの部屋はとても窮屈なの……貴方の部屋はまあまあ広いし、そちらに私が移って、ドーラとアナで今の部屋を使うの。どうかしら?」
「え、ええ、いいわ。じゃあ私はお父様のーーー」
「1階の北側なんてどうかしら?」
被せて言われ、真意が分からず眉をひそめた。
「お父様のお部屋は、貴方の思い出の品を置くところにしてはどうかしら?だってほら、私たちのお部屋にもいっぱいガラクタ……いえ、お母様の思い出の品があるでしょう?それに、私達と同じ階だと煩くてきっと寝られないわ」
申し訳ない、という顔をしながらも、継母の目は笑っている。
「ーーーええ、そうね。そうするわ」
(反抗できない私……いやだわ)
しかし、辛いことにも屈すまいと、必死で口角を上げた。
ーーーーーーーーーーーー
次回、現在軸に戻ります!
(作者より)
2階には3部屋あり、ひとつは父の書斎を兼ねた部屋、ひとつは私の部屋、そして母の部屋だ。
母のドレスなどは成長して着られるようになった私が着ているので、クローゼットは空っぽだ。
3人で一緒に寝ていた時もあったので、母の部屋のベッドはとても大きい。だから、とりあえず継母と姉の3人にはそこで寝てもらうことになっていた。(事前に父と決めていた)
しかし理不尽な運命は、母を殺すだけでは飽きたらなかった。
5人で暮らし始めて約半年後、海外の仕事へ旅立った父は、二度と屋敷に戻らなかった。父の取引相手の方がわざわざ屋敷まで出向いてくださり、訃報を知らせてくれた。
「わざわざこんなに遠いところまで、どうもありがとうございました。どうか貴方もお気を付けて」
「ええ……本当にご愁傷さまでした。お嬢様も、どうかお元気で」
暗い顔で立ち去る取引相手を見送り、扉を閉めた。
リビングに4人で集まって先程の話を伝えると、継母は持っていた扇を勢いよく投げ捨てた。
「どうして……どうして、私が幸せになろうとすると、こうなるの……??」
それからの私の生活は、一変した。
事業が上手くいって子爵家に成り上がった我が家は、父を亡くしたことで、今まで通りの生活をすることが出来なくなった。
貯金を少しずつ切り崩して生活するので、雇っていた使用人も、みんな解雇してしまった。2・3人、私の幼少期から面倒を見てくれていた人達が残ると言ってくれたが、お給料も十分に出せないので彼らの生活が保証出来ないから、と残念ながら断った。
最初は4人で何とか家事を分担しようと奮闘していたのだがーーー
「ねぇレラ?貴方が1番お料理が上手だわ。毎日貴方の作ったものが食べたいくらい……」
継母にそう言われ、最初はとても嬉しくて、「それなら、私が毎食作るわ!」と豪語してしまった。毎食作るのは本当に大変で、3日後くらいには後悔したのだが、3人が「美味しい」とか「ありがとう」とか言ってくれたから、頑張れた。
ーーーーーー今思えば、うまく継母の口車に乗せられただけだったのだ。
その後はなんやかんやで結局すべての家事を私がこなすことになってしまった。元々都会暮らしの彼女たちには、家の仕事をするなんてハナから無茶だったのだろう。
父の死から3ヶ月後くらいに、今度は部屋を変えてくれ、と言い出した。
「3人であの部屋はとても窮屈なの……貴方の部屋はまあまあ広いし、そちらに私が移って、ドーラとアナで今の部屋を使うの。どうかしら?」
「え、ええ、いいわ。じゃあ私はお父様のーーー」
「1階の北側なんてどうかしら?」
被せて言われ、真意が分からず眉をひそめた。
「お父様のお部屋は、貴方の思い出の品を置くところにしてはどうかしら?だってほら、私たちのお部屋にもいっぱいガラクタ……いえ、お母様の思い出の品があるでしょう?それに、私達と同じ階だと煩くてきっと寝られないわ」
申し訳ない、という顔をしながらも、継母の目は笑っている。
「ーーーええ、そうね。そうするわ」
(反抗できない私……いやだわ)
しかし、辛いことにも屈すまいと、必死で口角を上げた。
ーーーーーーーーーーーー
次回、現在軸に戻ります!
(作者より)
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
Emerald
藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。
叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。
自分にとっては完全に新しい場所。
しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。
仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。
〜main cast〜
結城美咲(Yuki Misaki)
黒瀬 悠(Kurose Haruka)
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。
ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
盲目王子の専属侍女―― 一歩先を導く侍女と追放王子の逆転劇
チャーコ
恋愛
盲目になり、王宮から追放された第一王子ルチアーノ。
それでも彼は、美貌と誇りを失っていなかった。
彼に仕えることになったのは「手を引かない」「先回りしない」ことを選ぶ、子爵令嬢である侍女見習いだった。
ただ一歩先を示すだけ。 彼女の声と歩調は、いつの間にか王子の世界の中心になっていく。
これは、無自覚に年下王子を振り回す令嬢――専属侍女と、執着を深めていく王子が、恋と自立と逆転を積み重ねていく物語である。
※本作は複数の視覚障害当事者および関係者の体験や意見を参考にしつつ、フィクションとして執筆しています。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
※表紙絵は貴様二太郎さんに描いていただきました。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる