人魚王子とシンデレラ

米粉パン

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私の毎日

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「んーーーーーー」


僅かに陽の光が部屋に差し込み、私は目を覚ました。なんだか暖かい夢を見ていた気がする。

雪が降ったこともあって寒すぎて、暖炉の前で蹲っていたらいつの間にか寝ていたようだ。



(ーーーよし、今日も頑張ろう!)

1人でニッと笑って、キッチンへ向かった。









食器をテーブルに並べ終わるくらいの時に、2階の部屋からけたたましくベルの音が聞こえてきた。

ティーセットを持って階段を駆け上がり、まずは継母のところへ向かった。


「おはようございます、お義母さま。朝食はもうできていますよ」

「ええ、ありがとう」



目付きの悪い猫を撫でながら、私が開けたカーテンの隙間から差し込む光に目を細めた。

ちなみにこの猫は、父が亡くなった後に飼い始めたのだが、全く私に懐いてくれないのだ……もふもふしたいなぁ、なんて。


紅茶を淹れてカップをベッドサイドのテーブルに置き、今度は姉達の部屋へ向かった。


「おはようございます、お姉様」

「んんーーー……グガァ……」




どうやら寝ぼけ眼でベルを鳴らしたらしい。シャッと勢いよくカーテンを開け、掛け布団を奪い取った。


「さあ、朝ですよ。起きて」

こちらにも紅茶を淹れて、1階へ戻った。







先に継母が降りてきて席につき、ダラダラと後からやって来た姉2人に小言を言った。

それを横目に朝食を配膳しているとーーー


「ねぇレラ……それ、なに?」

「え?」

「顔のよ、ほら、ここら辺」


ドーラお姉様が鼻辺りを指したので、自分の同じところを手で擦ってみると、手に何か黒いものがついた。



「もしかして灰?キャハハハハ!きったなーーい!」

ドーラお姉様はゲラゲラ笑っている。継母は「なんてこと……朝起きたら顔を洗いなさい」とお小言。

しばらくしてアナお姉様が「ねえ……」と切り出した。


「いい事思い付いたわ……灰被り……シンダー・レラ……シンデレラ!」

「それいいわね!シンデレラ!可愛いじゃない!」

姉2人はキャッキャとあだ名付けに盛り上がった。継母もニコニコとご機嫌だ。


とても良い名前ね、なんて言って笑いながら、心は泣いていた。










お昼頃、石鹸やお肉など、家で作るのが難しいものを買いに、街へ繰り出した。

何か買うものはないか一応3人に聞くと、新しい扇子、可愛いレース、綺麗なイヤリング、とリクエストが返ってきた。


3人とは趣味が合わないので、「これちょっと派手過ぎ……?」くらいの微妙なやつを選ぶと意外と高評価だ。

ナマモノは後から買おうと思って先にイヤリングを見ていると、いい感じにどぎつい色の派手な羽根のついたイヤリングを見つけた。お値段も、見た目のわりにお手ごろだ。

これでいいか、と店主に声を掛けようとすると、隣にいた人に制された。

え、と横を見ると、サラサラの金髪に透き通った青い目をした美青年がいた。


「こんにちはお嬢さん。……もしかして、これを買おうとしてる?」

「え、ええ。でも私のじゃ……」

「君にはこっちの方がいいな」


私の話を最後まで聞かず、青年は薄紫色の小さな宝石(多分イミテーションだが)のついたイヤリングを私の耳にあてた。

「うん。綺麗だ……君のプラチナブロンドの髪によく似合ってる」


ニコッと微笑まれ、私は思わず顔に熱が集まった。すると、青年は勝手に私の耳にイヤリングを付け始めた。

「え、あの……まだお支払いが済んでいないのに……」

「え?今僕が払ったよ」


サラリと言われたが、庶民がホイホイ買えるような値段ではないはずだ。遠慮して戻そうとすると「君が付けないのだったら、僕に付けろっていうのか?その女物を?捨てちゃうよ」と言われ、しぶしぶそのままにした。

青年にどぎついイヤリングを商品棚に戻されそうになったが、家族からのリクエストだと説明すると、なぜかそのイヤリングと、リボンと扇子も一緒に見繕って払ってくれた。


「ほ、本当に申し訳ないわ!お金、返しますから」

「いいからいいから……そうだ、本当に申し訳ないって思ってるなら、僕にちょっと付き合ってよ。デート代。どう?」


全くもって不本意ながらも、了承した。
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