夫婦

江上蒼羽

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後味の悪さ

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「あー分かる分かる。ウチも一緒。キッカケは些細な事なんだよねー」

「………まぁ、でも、ちょっと言い過ぎちゃって……はは…」



職場のおっちゃんに嫁との事を話しながら摂る昼飯。

おっちゃんは買い弁。

俺は、嫁の弁当。


嫁は、弁当を毎日欠かさず用意してくれている。

勿論、喧嘩した次の日にも。

節約の為とはいえ、面倒だろうな……と思う。



今日の弁当の白飯が柔らかいのは、俺が水加減を間違えた所為。

いつもは嫁に「今日の飯、ベチャベチャしてない?」なんて当たり前のように文句言ってたけど

自分の所為なら、黙って食うしかない。



「早く仲直りしとけよ」

「はは………そうっスねー…」



後味悪くて、帰るのやだな……




仕事帰りにコンビニに寄ったのは、真っ直ぐ帰るのが嫌だったから。

でも、いくら時間稼ぎをしたって、家には帰らなきゃいけない訳で。



胸ポケットから取り出した携帯。

時計表示だけ見て、また仕舞った。

いつもならする帰るコール。


今日は出来なかった。



子供等のおやつを選びながら、他に何か目新しいものはないかと店内を物色する。

そこで、ふと目についた、新商品の文字。

何気なく、それに手を伸ばす。



嫁の好きなチーズケーキ……



見た目の小ささに反して、ずっしりと重い。


俺が食べたいから……と、自分に言い訳して、2つ、カゴに入れた。
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