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真相判明⑥
しおりを挟む「気持ち………?確かめる……?」
自分の?何の為に?と、脳がより複雑に思考を進める。
何にせよ、こんなに回りくどく、面倒な行動を取った意味が理解出来ない。
軽く混乱する私を他所に、忍足さんは一つ盛大な溜め息を吐いた。
「……仕掛け人としての仕事をこなしていく内に、何となく気持ちがモヤモヤし出してさ…」
独白みたいに語り出した忍足さん。
その口調は、淡々としている。
「……それで芹沢を使って、その正体を確かめようと考えてみた」
「………」
「アイツは人見知りとは無縁なタイプで、誰とでも距離が近いし……試すにはもってこいの相手だったから」
相槌を打つのも躊躇ってしまう程、彼は重い空気を纏っている。
「きっと、ただの罪悪感から派生した感情なんだろうと、たかをくくってたけど……実際、そうじゃなかったよ」
忍足さんの憂いを帯びた表情、切なげな眼差しが私を金縛りにする。
「あの日………志を同じくした仲間に、馬鹿みたいに嫉妬してる俺が居た…」
ゴクッ……と、喉が鳴った。
「だから、つい……」
瞬きすら出来ないで、瞳を乾燥させている状態の私の唇に触れた指先。
なぞるように、ゆっくりとスライドする。
「安易に芹沢に近付けた事、凄く後悔してる……」
背筋がゾワゾワする。
触れているのは、ただの指。
なのに、異様に熱く感じるのは、どうしてだろう……
「………それって、つまり…」
恐る恐る……といった具合に掠れた声を出してみる。
すると、カサついた私の唇を弄んでいた指が離れた。
「忍足さんは、私の事が好き……って事ですか?」
我ながら、超弩級の自惚れ発言だと思う。
でも、ここははっきりさせたくて……
「私の事、好きで好きで堪らないって事なんですか?」
私のお馬鹿な問いに、忍足さんは否定も肯定もしない。
それどころか、首を縦に振ったり、左右に振ったりすらしない。
ただ、悲しそうに微笑むだけ。
「………芝居に熱が入り過ぎて、本当に好きだと錯覚してた………そう、自分に信じ込ませるよ」
ズボンのポケットから取り出した携帯で時刻を確認した忍足さんは「それじゃ…」と、足を前に出す。
「そろそろ行かないとマズイから」
少しずつ、私から距離を取っていく彼は、捨て台詞的な言葉を放つ。
「………芹沢と、何か進展あればいいね」
どんどん遠ざかっていく背中から目を逸らせないまま……
私は川瀬さんが探しに来るまでの間、ずっと幽霊みたく立ち竦んでいた。
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