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【第6話】事の顛末(前編)←【NEW】
終業後すぐに少しだけ叔父に会い、事前に頼んであった冊子を受け取って仕事用の鞄に詰めると八乙女はそのまま帰路についた。エレベーターを降り、鍵を開けて「ただいま」と言いながら室内に入ると、「——おかえりなさい!」とお出迎えに来た犬飼が元気に返す。エプロン姿がすっかり板に付いていてまるで主夫の様だ。いや、飼い主の帰宅を喜ぶ大型犬と言った方が正しいかもしれない。
「今日は少し遅かったんですね」
最近はほぼ定時上がりで直帰していたので犬飼がそう感じているだけで、彼と同居前の八乙女の帰宅時間と比べるとコレでもかなり早い。深夜まで仕事に没頭してタクシーで帰るなんて日常茶飯事だったのだが、今この瞬間の尊さをすぐにでも味わいたくて定時上がりに切り替えた結果である。
「えぇ、ちょっとだけ叔父と話があったの」
「成る程。——あ、食事にします?それともお風呂が先ですか?」と訊きながら、『まるで新婚夫婦みたいだ』と、今日も犬飼は浮き足だった気持ちになった。
「そうねぇ……食事を先にしようかしら。あ、でもちょっとすぐに確認しておきたいデータがあるの。だから用意は任せてしまってもいい?」
「勿論です。もう調理済みなんで、温め直し終わったら声掛けますね」
「えぇ、ありがとう」
手洗いを済ませ、リビングに置いてある天板位置の高さを変えられる大きめのテーブルの高さを変え、一人掛けの方のソファーに座って仕事用の鞄の中からノートパソコン、書類やファイルといった物を全て出して雑多にドンと置く。直様パソコンを起動して確認作業を始めると、暫くしてから「——八乙女さん」と呼び掛けながら犬飼がキッチンからやって来た。
「ご飯、温め終わりましたよ」
「ありがとう。あー……でも、もう少しだけ待ってね」と彼女が返した時、犬飼がテーブルの上に置かれた物を一つ手に取った。一冊のパンフレットだ。
「……何ですか?コレ」
普段よりも低い声が聞こえ、八乙女が顔を上げる。此処で広げておいて何だが、仕事関係の書類は機密データばかりなので第三者に見られるとかなりマズイ。見たからって素人が分かる内容では無いのだが、それでも『普段は絶対に触れもしないのに』と少し慌てたが、犬飼が手に取ったのは八乙女が叔父から貰った物だけだったのでホッと安堵の息を吐いた。
「不動産関係のパンフレットよ。君の仕事も軌道に乗ってきたし、そろそろ必要かと思って」
キリの良い所まで数値を確認し、データを保存してノートパソコンの電源を落とす。
「……何だよ、それ」
ぽつりとこぼし、犬飼が持ってたパンフレットの一部をグシャリと握り潰した。肩を震わせ、目が見開かれているその姿を見て、八乙女がそっとノートパソコンを閉じる。
「……オレ、めっちゃ頑張ってきたのに。八乙女さんの傍に居たくって、何とか這い上がって隣に立てないかって、描いて描いて描いて、いっぱい足掻いたけど、やっぱこうなるんだ……。でもさぁ、上手くいき始めたら追い出すって、かなり酷くない?オレめっちゃ尽くしてきたよねぇ?そんなに迷惑だった?内心、早く出て行って欲しかったんだ?」
小さかった声が段々と大きくなり早口にもなっていく。急に両肩を力強く掴まれ、八乙女の細い肩がギシリと鳴った。
「ど、どうしたの?急に」
「急?——急なんかじゃない!」と大声で言い、犬飼が「酷い、酷いよ……拾っておいて、捨てるのか?自立出来ない方が良かったのか?でもそれじゃいつまで経っても——」と独り言みたいな言葉を吐き出し続ける。
「どうしたら……どうしよう?」と呟いた後、犬飼はハッとした顔をし、仄暗い笑みを浮かべて軽く首を傾げた。
「そっか、孕ませちゃえばいいんだ」
「……は?」と八乙女が言ったと同時に犬飼は彼女の胸をドンッと押すと、背もたれに背中をぶつけたのも構わず着ている服を捲し上げ、服の裾を八乙女の口に突っ込んだ。布地が口一杯に入り声が出せず、大きな胸があられもなく晒される。恥ずかしさから胸元を隠そうとした腕はすぐに掴まれ、犬飼は自分の着ていたエプロンを引っ張り脱ぐと、それを使って八乙女の両腕を後ろ側で縛りあげた。
「んっ、ふぐっ⁉︎」
神業的な動きのせいで八乙女が目を見開く。日頃から『器用な子だ』と思ってはいたが、この発揮具合は想定外だった。
肩を掴まれ、体勢を前向きに戻される。そのはずみでたゆんっと八乙女の胸が揺れ、それを見た犬飼が恍惚そうな笑みを浮かべた。
「えっろ。でも、まだまだ全然足りないね。もっと脱いじゃおうか」
ブラジャーに指を掛け、着用状態のまま一部だけをずるりとおろす。空気と人目に晒されたからか、少しづつ胸の尖りが硬さを持ち始め、犬飼の口元が二マリと緩んだ時にはもうツンッと美味しそうな姿になってしまった。
「ほぼ毎晩見てたけど、こんなに愛らしい色だったんだ。部屋の明かりは暗いまんまだったから知らなかったよ」
豊かな胸に顔を近づけ、ふっと息を吹きかける。その刺激のせいで八乙女の体がビクッと跳ねた。
「あはは。……可愛いなぁ、やっぱ、反応があるって最高だね。……あー。……『なんの話?』って?」と訊き、犬飼が軽く首を傾げた。八乙女が肯定も否定もせずにいると、指先でくっと左胸の尖りを軽く持ち上げながら犬飼の口元が意地悪く弧を描いた。
「オレね、ほぼほぼ最初の頃から、もう毎晩に近いくらい、八乙女さんにこうしてたんだよ」
そう言って彼は、「何でか知りたい?」と言葉を続ける。そして彼女の反応を待つ事なく、「オレさぁ、前に『今までに何人か彼女はいた』って言ったよね?」と訊かれて八乙女の表情が少し曇った。だが犬飼はその事に気が付いてはいない。
「絵ばっか描いてたせいも確かにあるんだけど、それでもさぁ思春期だし、別に好きで付き合ってたって訳じゃなくても性欲はあったから、一応こんな事までは進んだりもしたんだよ」と口にし、八乙女の胸をそっと指の背で撫でる。『こんな事』の意味を容易く察した彼女の眉間に皺が出来た。
「……でもさぁ、挿入るって段階になると、『物理的に無理!』って。ココまで期待させておいて、流石に酷いって思いません?」
最後だけ突然敬語に戻し、口をへの字にしながら言われ、八乙女は胸の奥を軽くキュッと掴まれてしまった。
「だからオレ、まだ童貞のままなんですよ」
そう言って犬飼は八乙女の体に軽く覆い被さり、彼女の片足を持ち上げる。そのせいで穿いているスカートが捲れ上がり、ストッキングとショーツを穿いている下半身に体を近づけると、湿度が高くなっている秘所にぐいっと勃起したモノを擦り付けた。雑な呼吸を繰り返し、何度もスリスリと押し付ける。
「八乙女さんとはそうなりたくないからさ、眠ってる間にね、沢山沢山じっくり慣らしておいたんだぁ」
耳元でそう囁かれたせいで八乙女が全身を震わせる。その瞬間彼女は、嫌悪とも絶望とも違う表情を浮かべていたが、距離が近過ぎたせいで犬飼はその顔を見逃してしまった。
「今日は少し遅かったんですね」
最近はほぼ定時上がりで直帰していたので犬飼がそう感じているだけで、彼と同居前の八乙女の帰宅時間と比べるとコレでもかなり早い。深夜まで仕事に没頭してタクシーで帰るなんて日常茶飯事だったのだが、今この瞬間の尊さをすぐにでも味わいたくて定時上がりに切り替えた結果である。
「えぇ、ちょっとだけ叔父と話があったの」
「成る程。——あ、食事にします?それともお風呂が先ですか?」と訊きながら、『まるで新婚夫婦みたいだ』と、今日も犬飼は浮き足だった気持ちになった。
「そうねぇ……食事を先にしようかしら。あ、でもちょっとすぐに確認しておきたいデータがあるの。だから用意は任せてしまってもいい?」
「勿論です。もう調理済みなんで、温め直し終わったら声掛けますね」
「えぇ、ありがとう」
手洗いを済ませ、リビングに置いてある天板位置の高さを変えられる大きめのテーブルの高さを変え、一人掛けの方のソファーに座って仕事用の鞄の中からノートパソコン、書類やファイルといった物を全て出して雑多にドンと置く。直様パソコンを起動して確認作業を始めると、暫くしてから「——八乙女さん」と呼び掛けながら犬飼がキッチンからやって来た。
「ご飯、温め終わりましたよ」
「ありがとう。あー……でも、もう少しだけ待ってね」と彼女が返した時、犬飼がテーブルの上に置かれた物を一つ手に取った。一冊のパンフレットだ。
「……何ですか?コレ」
普段よりも低い声が聞こえ、八乙女が顔を上げる。此処で広げておいて何だが、仕事関係の書類は機密データばかりなので第三者に見られるとかなりマズイ。見たからって素人が分かる内容では無いのだが、それでも『普段は絶対に触れもしないのに』と少し慌てたが、犬飼が手に取ったのは八乙女が叔父から貰った物だけだったのでホッと安堵の息を吐いた。
「不動産関係のパンフレットよ。君の仕事も軌道に乗ってきたし、そろそろ必要かと思って」
キリの良い所まで数値を確認し、データを保存してノートパソコンの電源を落とす。
「……何だよ、それ」
ぽつりとこぼし、犬飼が持ってたパンフレットの一部をグシャリと握り潰した。肩を震わせ、目が見開かれているその姿を見て、八乙女がそっとノートパソコンを閉じる。
「……オレ、めっちゃ頑張ってきたのに。八乙女さんの傍に居たくって、何とか這い上がって隣に立てないかって、描いて描いて描いて、いっぱい足掻いたけど、やっぱこうなるんだ……。でもさぁ、上手くいき始めたら追い出すって、かなり酷くない?オレめっちゃ尽くしてきたよねぇ?そんなに迷惑だった?内心、早く出て行って欲しかったんだ?」
小さかった声が段々と大きくなり早口にもなっていく。急に両肩を力強く掴まれ、八乙女の細い肩がギシリと鳴った。
「ど、どうしたの?急に」
「急?——急なんかじゃない!」と大声で言い、犬飼が「酷い、酷いよ……拾っておいて、捨てるのか?自立出来ない方が良かったのか?でもそれじゃいつまで経っても——」と独り言みたいな言葉を吐き出し続ける。
「どうしたら……どうしよう?」と呟いた後、犬飼はハッとした顔をし、仄暗い笑みを浮かべて軽く首を傾げた。
「そっか、孕ませちゃえばいいんだ」
「……は?」と八乙女が言ったと同時に犬飼は彼女の胸をドンッと押すと、背もたれに背中をぶつけたのも構わず着ている服を捲し上げ、服の裾を八乙女の口に突っ込んだ。布地が口一杯に入り声が出せず、大きな胸があられもなく晒される。恥ずかしさから胸元を隠そうとした腕はすぐに掴まれ、犬飼は自分の着ていたエプロンを引っ張り脱ぐと、それを使って八乙女の両腕を後ろ側で縛りあげた。
「んっ、ふぐっ⁉︎」
神業的な動きのせいで八乙女が目を見開く。日頃から『器用な子だ』と思ってはいたが、この発揮具合は想定外だった。
肩を掴まれ、体勢を前向きに戻される。そのはずみでたゆんっと八乙女の胸が揺れ、それを見た犬飼が恍惚そうな笑みを浮かべた。
「えっろ。でも、まだまだ全然足りないね。もっと脱いじゃおうか」
ブラジャーに指を掛け、着用状態のまま一部だけをずるりとおろす。空気と人目に晒されたからか、少しづつ胸の尖りが硬さを持ち始め、犬飼の口元が二マリと緩んだ時にはもうツンッと美味しそうな姿になってしまった。
「ほぼ毎晩見てたけど、こんなに愛らしい色だったんだ。部屋の明かりは暗いまんまだったから知らなかったよ」
豊かな胸に顔を近づけ、ふっと息を吹きかける。その刺激のせいで八乙女の体がビクッと跳ねた。
「あはは。……可愛いなぁ、やっぱ、反応があるって最高だね。……あー。……『なんの話?』って?」と訊き、犬飼が軽く首を傾げた。八乙女が肯定も否定もせずにいると、指先でくっと左胸の尖りを軽く持ち上げながら犬飼の口元が意地悪く弧を描いた。
「オレね、ほぼほぼ最初の頃から、もう毎晩に近いくらい、八乙女さんにこうしてたんだよ」
そう言って彼は、「何でか知りたい?」と言葉を続ける。そして彼女の反応を待つ事なく、「オレさぁ、前に『今までに何人か彼女はいた』って言ったよね?」と訊かれて八乙女の表情が少し曇った。だが犬飼はその事に気が付いてはいない。
「絵ばっか描いてたせいも確かにあるんだけど、それでもさぁ思春期だし、別に好きで付き合ってたって訳じゃなくても性欲はあったから、一応こんな事までは進んだりもしたんだよ」と口にし、八乙女の胸をそっと指の背で撫でる。『こんな事』の意味を容易く察した彼女の眉間に皺が出来た。
「……でもさぁ、挿入るって段階になると、『物理的に無理!』って。ココまで期待させておいて、流石に酷いって思いません?」
最後だけ突然敬語に戻し、口をへの字にしながら言われ、八乙女は胸の奥を軽くキュッと掴まれてしまった。
「だからオレ、まだ童貞のままなんですよ」
そう言って犬飼は八乙女の体に軽く覆い被さり、彼女の片足を持ち上げる。そのせいで穿いているスカートが捲れ上がり、ストッキングとショーツを穿いている下半身に体を近づけると、湿度が高くなっている秘所にぐいっと勃起したモノを擦り付けた。雑な呼吸を繰り返し、何度もスリスリと押し付ける。
「八乙女さんとはそうなりたくないからさ、眠ってる間にね、沢山沢山じっくり慣らしておいたんだぁ」
耳元でそう囁かれたせいで八乙女が全身を震わせる。その瞬間彼女は、嫌悪とも絶望とも違う表情を浮かべていたが、距離が近過ぎたせいで犬飼はその顔を見逃してしまった。
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