無自覚な『執愛』気質同士だっただけのお話

月咲やまな

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【最終話】事の顛末(後編)


『八乙女さんとはそうなりたくないからさ、眠ってる間にね、沢山沢山じっくり慣らしておいたんだぁ』

 その言葉を聞き、八乙女は『……そうだったのね』とだけ思い、今朝感じた体の違和感の理由がわかって少しスッキリした気分になった。
「意外にも懐に入れてもらえたんだもん、八乙女さんとの『いつか』を期待していてもおかしくはないよね?だからオレ、眠ってる八乙女さんのナカをちゃんと解しておいてあげたんだよ♡ねぇ、偉い?オレ、偉いよね?もう頭撫でて褒めて欲しいくらいだよ」
 犬飼が嬉しそうに頬擦りをし、滾るモノを秘部にすりっと擦り付けもする。服越しであっても伝わる程ガチガチに硬く、ピクッと少しだけ体の震えた八乙女のショーツが少し濡れた。
「話を聞いきた感じ、八乙女さんは処女っぽいなぁって思ったからホントに少しづつ慣らしていって、やっと一昨日くらいでオレの指でも三本までいける様になって嬉しかったのにさぁ……昨日のアレは反則ですよ?」と吐息混じりの声で囁き、犬飼がそっと指先で耳を撫でた。

「ずっと寝たフリして様子伺ってたら、八乙女さん、オレが借りてるベッドで無防備に寝ちゃうんだもん。あんなん、もうシていいって事だよね?って思ってちょっとだけ挿れちゃった♡」

 自分の片頬を手で包み、うっとりとした声で犬飼が言う。
「……っ」
「あ、でもちょっとだけですよ、本当に。きちんとはやっぱ起きている時がいいし……って、いやぁまぁ、単に、気持ち良過ぎてイッちゃったから制御出来たってだけとも言えなくも……」と言い今度は額を抑えつつ俯き、凹みだす。そんな犬飼を八乙女は『可愛いな』と思いながら見ている。
「でもアレって、紗々音さんとオレの相性がいいからなんじゃないかなぁって思うんですよ」
 今度はちょっと拗ねた様な声になりながらずるずると八乙女の体の上を滑り落ちていき、彼女の胸に間に顔を埋める。かなり情緒が不安定なのか言葉遣いがぐちゃぐちゃだ。
「あ、もう名前で呼んでもいいですよね?まぁ『嫌っ』て思っていたとしても、もう知らんって感じだけど」
 すりすりと胸の谷間に頬を寄せて胸の膨らみをふわりと揉む。と同時に犬飼は体を震わせ、少し強めに彼女の胸を堪能し始めた。膨らみを両手で揉みしだき、胸先を美味しそうに喰んだりも。くちゅっ、ちゅぱっとわざと卑猥な音を鳴らしたりもし、桜色に染まるぷっくりとした胸先を丹念に愛撫し続ける。
 身悶えし、口の中に詰まった服の端のせいで声にならぬ声しかあげられずにいると、そんな八乙女の胸からそっと離れ、慌てる様な手付きで犬飼がベルトを乱雑に外し始め、穿いているズボンをボクサーパンツごとずるりと下げた。短く息を吐き出し、目が座り、もう挿入る事しか頭に無い雄の様な目付きになっている。
「ストッキングが邪魔だなぁ……」
 言うが早いかビリッと無理矢理引き裂く。日に焼けた経験の無い肌と黒との対比が美しい。
「あはっ、何コレ、ヤッバッ。ストッキング裂くような性癖無かったけど、紗々音さんのせいで目覚めそうだわ♡」
 犬飼の大きな手が太腿に触れると、その肌はしっとりとしていた。汗と、ショーツの奥から滲み出ている蜜がじわりと周囲にまで広がった形跡かもしれないと思うと、彼の感情がより一層昂っていく。露出している陰部がヒクヒクと物欲しそうに動き、そのせいで切先から溢れ出ている先走りがだらりと流れ落ちて床に水溜りを作った。
「このまますぐじゃ流石に痛いだろうから、舐めてあげるね」と言い、犬飼が八乙女の穿いているショーツを少しずらす。すると、ここ半年をかけて彼がこっそり育てた肉芽がぷくりと勃って、弄って欲しそうに震えていた。
「昨日ぶりだね、ちっちゃくって可愛いなぁ。もう、オレが剥いてあげなくてもこんなになれるくらいになちゃったんだねぇ。イイコ、イイコォ」
 奥からとめどなく溢れ出ている蜜を指先に絡め、頭でも撫でるみたいなノリで犬飼が八乙女の肉芽を優しく撫でると、刺激の強さのせいで彼女の体が大きく跳ねた。「ふぐっ、んぐー!」と大きな声まであげ、何度もビクビクッと体を震わせている。

「……イッた?ねぇ、イッたの?あぁぁぁ、可愛い、マジで可愛いっ」

 指が滑り、その弾みでくぷんと秘部のナカに少し指が入る。狭いながらもたっぷりな蜜でふわふわにもなっているソコに刺激が急に入り込んだせいで、八乙女の体がまた跳ねた。

「え?雑魚じゃん、またイッたの?起きてる時の紗々音さんって、ホント快楽に激弱だったんだねぇ、意外」

 肩で息をし、一人掛け用のソファーで八乙女がぐったりとしている。息も絶え絶えといったその様子に対して犬飼が満足気な笑みを浮かべると、「……もう、このままでも挿入はいっちゃいそうだよね。挿れちゃおうか」と言いつつ八乙女の細い両脚を広げさせ、肘置きに置く。あられもなく脚を大きく開脚させられたせいか彼女の顔は羞恥で真っ赤だ。そんな状態にある八乙女の濡そぼる秘裂に最高潮にまで達していそうな程に硬さを持った切先をぴたりと当てると、犬飼は愛蜜と先走りのぬめりに任せてぐっと猛る全てを奥へと押し挿れた。ミチミチッと肉壁が悲鳴をあげそうな程の猛りが粘膜を撫であげ、子宮口にまですぐに届いた。彼の言う通り開発済みであったおかげで痛みも無く、未知なる強い快楽だけが八乙女を襲う。肉芽を撫でられ、少しだけ指が入ってきた時とは比べられぬ快楽のせいで目の前でチカチカと火花が散った。

「もうコレ子宮降りてきてんじゃない?そんなに孕むの楽しみだったのかなぁ」

 腰をゆっくり動かし、くりくりと猛りの切先で子宮口を優しく撫でる。その動きのせいで八乙女が声ならぬ声を布の奥からあげた。
「沢山飲ませてあげるから、絶対に孕もうね。まぁ、孕むまで何度だって子宮に精液飲ませてあげるつもりだけどさ。溢れちゃったら勿体無いから、ボンテージテープで蓋をしたまま今夜は寝ようか♡朝起きたらまた注いであげる。近々絶対にお母さんになる紗々音さんの為にも、『朝までずっとしたい』っておねだりは聞けないのだけはゴメンね?ちゃんと寝ないと母体に負担がかかるからね」
 八乙女の大きな胸に頬擦りをし、またゆるゆると腰を動かす。それにより味わえる快楽でまた犬飼の理性が吹き飛び、動きがどんどん激しくなっていく。ずっと直前までしか実地経験が無かった為、もう完全に性欲に全てを支配された思春期の少年の様だ。床に膝をつき、ソファーに座る八乙女を穿つその姿は強姦しているに等しいのだが、「好き、好きだよ、愛してる」と何度も何度も繰り返し、彼の声だけを聞けば愛し合っているカップルの様だ。
 唾液で濡れ、散々噛み尽くした服の端がボロッと八乙女の口から落ちた。が、彼女には『やめて』と言うような余裕など微塵もなく、はしたない叫声をひたすらあげている。「あぁぁっ、んおっ!」と『雌』みたいな声が出てしまってはすぐに口元を引き結ぶが、彼の一突きで容易くまた嬌声をあげてしまう。パンパンッと肌のぶつかる音や激しい水音と声とが混じり合い、ひたすら登り詰めていくその様子はもうただの交尾で、愛情確認の為の抱擁的な様相はまるで無い。彼の、平均よりも随分と立派なモノをしっかりと受け止め続けている様子的に、『相性が良い』と言っていた犬飼の言葉はどうやら事実だったみたいだ。
「——も、やば、出そ……。た、たっぷりナカに出すね♡今日の昼間は抜かなかったから、めっちゃ濃いやつ、あげられると思うんだ。初めてだけど、絶対に紗々音さんは上手にごっくん出来ると思うよ。だからぁ、ちゃんと孕もうね、もう一生オレから離れようとなんか考えちゃ駄目だよ?捨てるとか絶対に言わないでね。ずっとオレがみんなの面倒見てあげるから、安心して孕んで。ね?ほら、孕め、孕め孕め孕め——」と、強く穿つ度に繰り返すもんだから、もうその姿は呪詛でも掛けているみたいになってしまっている。

「ひぁぁ!な、ぃ、くっ」
「紗々音さんもイキそ?じゃあ一緒にイこ?——あ、んんっ!」

 八乙女の細い体をぎゅぎゅっと抱きしめ、犬飼が最奥に熱いモノたっぷりと吐き出した。どろっとした白濁液が八乙女の胎いっぱいに注がれ、同時に彼女の膣壁が犬飼の熱塊を何度も喰い締めて、全て吐き出せとでも言うみたいに刺激する。
「あ、そ、そんなにしたら、また硬くなっちゃうよ」と困り顔で言いはしたが、その声はとても嬉しそうだ。
「口の、取れちゃったんですね。夢中で気が付かなかったや」
 そう話しかけられても返事も出来ないくらい、八乙女はソファーでぐったりとしている。視線は虚ろで焦点も合っていない。
 くぷんっと音を鳴らしながら犬飼が己のモノを抜き取ると、秘裂から白濁とした液がどろっと溢れ出てきた。ソファーを汚し、息も絶え絶えな八乙女の姿を前に、犬飼の気持ちが益々昂る。

「ねぇ、オレの部屋で続き……しましょ?此処じゃ体位も変えらんないし、手錠も無いから紗々音さん暴れちゃうかもだし」

 返事は無いが、そもそも求めてすらいない犬飼は、力の入らぬ八乙女の体を横抱きにして持ち上げると、悠々とした様子で自室に運ぶ。直様ベッドに降ろし、作画の資料にと買ってあったらしき可愛さの微塵も無い手錠で彼女の両腕をベッドのポールに固定すると、彼はまた八乙女の体を貪り始めた。正常位、対面座位、寝バックなどと性欲の赴くまま、『好き』『愛してる』『捨てないで』と繰り返し繰り返し、八乙女の心を自分に堕とそうと必死にもなりながら。


       ◇


 ——まだ日のあがらぬタイミングで八乙女が目を覚ました。手首には手錠がされたままで、その先は、いつの間にか犬飼の手首に繋がっている。傍に居たい心の表れか、ただ不安なだけか。判別はつかないが、そんな犬飼がやっぱり可愛いと八乙女が犬飼の頭をそっと撫でる。

(……まさか、こんなに上手くいくとはね)

 八乙女の口元が自然とゆっくり弧を描く。『いぬかい』君の物が欲しいからと彼の住むアパートを土地ごと買い上げ、飲む必要も無い薬を彼の前で飲んで見せ、他への引越しを匂わせたなのに、『癒し』を自分の元に囲い込めた事実に満足し、八乙女は再び瞼を閉じて夢の中に堕ちていった。


【完結】
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