執愛気質好きの私が職場の先輩に全部奪われたけど、『幸せ♡』でしかないだけのお話

月咲やまな

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【第2話】嬉しさと羞恥心とで死にそうです(明智栞・談)

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「怖い?怖いよなぁ?あぁぁぁ、震えてる、子猫みたいですんげぇ可愛い!」
 興奮気味にそう言い、神楽井先輩が私の頬を両手で包んで持ち上げた。そんな様子にこっちまで興奮しちゃって呼吸が苦しくってしょうがないが、それを訴え出る事も出来ない。
「口枷のせいでキス出来ないのは残念だけど——」
 頬に柔らかな感触が触れる。多分神楽井先輩の唇だ。熱くって柔くって、そして少し震えている。『は?可愛いが過ぎるんだが?』と若干の怒りを抱いていると、今度は耳に温かくってぬるっとしたモノがそっと触れた。

(コレがあの、耳舐め⁉︎)

 生まれてかれこれ二十四年。彼氏だけは多々いたけどココまで行き着いた相手はゼロだったから実地では初の経験だ。『シチュエーションドラマでしか知らぬ行為を、マジで、私が、されているのか?』と思うと目の前がクラッと揺れた。脚を擦り合わせ、もじもじとはしたなく動かしてもしまう。クチュクチュッと鳴る水音が脳に直で響く感じがする。イヤホンで『音』を聴くだけと、熱を持った舌が直に触れるとのでは雲泥の差だった。
「なぁ、気持ちいい?こうされると感じるんだよな?」
 いっそ首肯したくなったけど頬を固定されていてそれが出来ない。自然と出てしまう声は口枷が邪魔で変な音にしかなっておらず、『気持ちいい』と伝えるには不十分なものだった。

「ずっと舐めてみたかったんだ。真剣な顔で仕事して、邪魔になった髪をそっと指先で耳にかける仕草とか……めっちゃ興奮しながら見てたんだけど、明智さんは知らないんだろうなぁ」

 その様子を想像して幸せな気分になった。またお腹の奥がキュンッとなってショーツや太ももが濡れていっている気がする。
 グチュッ、ニュチュッと水音が右側の耳奥にまで響き続ける中、神楽井先輩の手が頬から少しづつ動き始めた。最初は首を、左耳を触れたり、鎖骨のラインをなぞったりとしていく。ずっと指先が震えているのはまさか緊張でもしているんだろうか。お持ち帰りからの拘束こんな事をおっ始めた側なのに可愛いったらない。
「あぁ……やっば。想像してたよりもずっと柔らかいし、すべすべしてる。こんなん、もうずっと触ってたくなるだろ」
 半ギレ気味に言われたが、そんなんむしろこちらからお願いしたいくらいだ。そう伝えられない事の方が残念でならない。

「も、もう胸とか……触ってもいいのかな。早い、か?や、でもめっちゃ見たいし……」

 小声で、すごく早口だけど近さのせいでダダ漏れな願望が聞き取れてしまう。胸を見られてしまうのは恥ずかしいけど、喜んでもらえるならむしろ本望。どうにかそれを伝えようと体を捩ったが、「……逃げようとしてるのか?拘束されてんだぞ?無理に決まってるだろ」とお怒りになっただけだった。
「いっそブラは切っちゃおうか、そうだ、それがいい。真っ裸じゃぁ逃げらんないよな?」
 悪意に満ちた声色なのに背筋がぞくっと震えた。行き過ぎた好意って感じがして刺激が強過ぎ、もうコレだけで達してしまいそうだ。

 宣言通り、ブラジャーがぐっと引っ張られてカッターか何かでザクザクと切られていく。今回は先輩も飲み会に来ると知っていたから一番のお気に入りの物を身につけていたのだが、先輩に切ってもらえたのなら、このブラは本懐を遂げたと言ってもいいだろう。

(見てもらえる、切ってくれる事までは想像もしていなかったけど、良かった良かった!)

「うわぁ……」
 その『うわぁ』って、どっちの『うわぁ』何だろうか。『想像よりしょぼい』とか『サイズが好みじゃない』とかだったらかなりショックなのだが、『神楽井先輩に見られている』という事実のせいで興奮度が加速する。そのせいで唾液が過剰に分泌され、飲み切れず、口枷の隙間からぼたぼたとこぼれ落ちてしまった。その唾液が鎖骨を伝い、胸の谷間にまで達する。
「はははっ。犬みたいに涎垂らして、恥ずかしい奴だなぁ」
 胸を両手で寄せて私の谷間をわざと深くする。タプタプと持ち上げるみたいにしながら揺らす感じがちょっと楽しそうで、その様子をじっくりガッツリ見られないのが残念でならない。
「めっちゃ乳首勃ってるな。何?まさか興奮してんのか?」
「ふぐっ、ううっんっ」
 素直に『はい』と頷くのは流石に恥ずかしい。だけど脚をもじっと動かしてしまう仕草できっとバレてはいると思う。
「すっごいな……めっちゃ柔いし、重いし、こんな形もいいとか……コレ、もう完璧過ぎないか?乳輪が狭くって一口で簡単に全部隠せそうだし、何もかんもめっちゃオレ好みってどういう事だ?もう、オレの為だけに神が創った創造物だって言われた方がしっくりくるレベルだろっ」
 褒められ過ぎてゾクゾクしてしまう。流石に神がどうこうは言い過ぎでしかないが、『いつか』の為だけに体型にはかなり気を配ってきた甲斐があったってものだ。
「い、いいよな?舐めてみても……もうオレのになるんだし、あ、いや、するんだし……でもまだ同意を……あ、いや、無理にでも——」
 段々声が小さくなり過ぎていって最後の方は悔しい事に全然聞き取れなかった。だがしかし、『先輩、今の録音しておいてくれていないかな』と期待してしまうくらい、『オレの』宣言が嬉しくってしょうがない。

「んぁ」と可愛い声をこぼしながら熱い吐息が胸先に迫って来た。『あ、くる、くる、咥えられちゃうんだ♡』と考えるだけで全身が震え、甘イキみたいな状況になっていく。頭の中がぼんやりとして軽い痺れが止まらない。
「んんっ!ふっ、うぐっ、ふ、ふ、ふっ——」
 声とも言えぬ音を発する事を我慢出来ない。背を逸らせ、もっとしっかり舐めてと懇願でもするみたいに胸を先輩の方へ突き出してしまう。
「だから、逃げんなって!」
 無理に始めた側だからか、どうしたって逆に受け止めてしまうみたいでキレ気味に言われた。怒りをぶつけるみたいに軽く胸先を噛まれたが、その痛みさえ私には心地良かった。

 硬く尖った胸先は舐めるにも噛むにも指先でクリクリと弄り倒すにも丁度良いのか、時間をかけて丹念に愛撫してくれる。その刺激の強さと嬉しさで腰をくねらせてしまう。すごく、本当にすごく気持ちいい。けど、やっぱりちょっと刺激が足りないとも思う。と言うか『もうぶっちゃけ、先輩のならば挿れて欲しいっ』と考えている自分がいる。色々拗らせているせいで二十四歳になった今でも未経験だというのにだ。
「マジで美味しいもんなんだな、絶対に嘘だろって思ってたのに」

(必死に舐めてくれるその尊いお姿を生で見たい!)

 どうにか目隠しだけでも取れないかともがいたら、また先輩の逆鱗に触れてしまったのか、「逃げようとすんなって言ってるだろ!」と言いながらギュッと抱きつかれた。あぁぁぁ鼻血出そう!もう無理、早くいっそ屈服させて下さいっ。その方が一周回って冷静になれる気がするんで。
 先輩は服を着ているままな様で、素肌が布で擦れてしまう。胸先なんかもくにゅっと当たり、その刺激だけでまた軽くイッてしまいそうだ。

「あぁぁぁ、くそっ!わかった、もういい!早々に、もうお前はオレのもんになるしかないんだってわからせてやる!」

 ガチャガチャとベルトでも外そうとしているみたいな金属音が耳に届いた。『ご褒美タイムキター!』と口枷が無かったら叫んでいたかもしれない。ありがとう口枷。ありがとう、口枷はあった方が良いと判断した過去の先輩!私の恥を晒さずに済んで心底ホッとする。

 だがそう思ったのも束の間。

「……うわぁ」とこぼした先輩の声が耳に届いた瞬間、ビクッと大きく体が震えた。胸はご期待に添えた様ですが、まさか秘部は違ったのでしょうか、と急激に不安が襲ってくる。

「……濡れ過ぎ、じゃ?」

「……(お、おぅ……そっち、気にしちゃう?)」
 一気に羞恥プレイでもされているみたいな気分になってきた。知識としてすらも比較対象があるわけじゃないから、過剰分泌状態なのかなんて自分じゃ全然わからない。
「強姦でも防衛反応で濡れるとは聞くけど、……え?」
 ずるっとショーツが下がっていく感じがした。今この瞬間まじまじと一番秘すべき箇所を見られているのかと思うと、恥ずかしくって流石に段々と泣きたくなってきた。
「念の為にローションも用意したけど、コレなら必要なさそうだな」
 さっきから小声で言ってくれているけど、その声色から困惑が伝わってくる。そりゃそうですよね、自分でも体感出来ているレベルでグチュグチュですし、太腿にまで愛液が垂れ出ていますし、湿気で肌がしっとりまでしていそうなのも自覚していますもん!

(あぁぁぁぁぁぁ、もう死にたいっ)

 死因に『羞恥死』とかあったら絶対に今死んでいるなってくらい恥ずかしさで胸がいっぱいだ。口元が変に強張り、全身が羞恥心のせいで震え続けている。でも先輩はそうは受け止めていないみたいで、「あ、やっぱ……こ、怖いよな」と自信無さげに小さく呟いた。
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