異世界ひっそり生活←希望

紫蓮

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はじまり

転生前の引きこもり

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私、佐藤幸子と申します。

社会人20年も過ぎ、独身でいまや立派な社畜兼御局様と呼ばれております。

年齢ですか?
シークレットでよろしくお願いします。
察して下さいませ。


ですが、独身だからといって恋愛をして来てないわけじゃ御座いません。

お付き合いする期間の長さや御相手の年齢などは多岐に渡りますが、人並みに、ええっ人並みには経験して参りましたとも。

ただ、何故でしょうか?

皆様、寝取られてですね。
はい、いわゆる「出来ちゃった」失礼「授り婚」されてしまわれるわけです。

可愛らしい小悪魔の様な方々は、無邪気さと可憐さを隠蓑に中々な策略家でらっしゃいました。

まあ、お別れの台詞が皆様揃って同じなのは呆れを通り越して運命かと迄思ってしまい、当時は悟りに入りそうでした。

「君は、僕と(私と)仕事!どっちが大切なんだ?」


お前らは女ですか?

こほん、口が滑ってしまいました。
申し訳ございません。

まあ、私が「はぁ?比べてどうする?」だったなんて言えません。

仕事と一瞬浮かんだなんてもっと言えません。

「寂しかったんだ、君が仕事を優先するから。彼女の優しさに甘えてしまった。君は僕が(私が)居なくても生きていける。彼女は妊娠してるんだ、別れて欲しい」



こんな私でしたから、なるべくしてなったのでしょう。


それでも、社畜で御局な私にも世に言う春が来たのでございます。


仕事よりも彼優先。
定時に上がる私を課の若い男性方は嵐の前触れや天変地異と揶揄し、若い女性の後輩達は騙されてるだとか、ホストじゃ無いのかとか噂しております。
年嵩の先輩方などは今度こそ寿退社をするか、否か賭け始める始末。

失礼な方々です、全く。


彼は純粋で優しい5つ年下の方です。
私には勿体ない程で、後から知ったのですが親会社の社長令息でした。


浮かれ過ぎてたのでしょう。
遅くに訪れた夢の様な御相手でらっしゃいます。


今思えば、婚姻届を出す迄気を抜いてはいけなかったのです。


婚約も整い、式は海外で挙げる運びになり、彼のご両親からも退職を前提としてお許しをいただきましたので、寿退社をする事と迎えに来ていた彼のお披露目をしてしまったのでございます。

即、寿退社のお祝いの席を設けていただき、嬉々として彼と参加を致しました。

彼も要参加だった事を伝えて来たの目を注意深く見ていればと後悔先に立たずでございます。



はい、寝取られましたが何か?


今度ばかりは、流石の私も看破は出来ず散々荒れまして、自己都合で退社を致しましたとも。


堕す選択を迫りました、もしくは引き取っても良いとも提示しましたが、純粋な彼は猫を被って被って被って被って被って被って被って、はぁはぁ

被りまくりの彼女のを信じました。

初めてだったのに
私、病院で堕したらもう産めない体になる

いやいや、嘘が息をする様に、美女は流す涙に濡れる顔も絵になるのだなと感心しつつ、呆れておりましたとも。

専務とか取引先会社の社員とかと温泉だの、海外行くのだの、男性交流が華やかなのは課の中でも有名でしたので、まずはあり得ません。

生理休暇を貴女昨日取得されましたわよね?
冷たく真実を突きつける私は、勝利を確信しておりました。
しかし、現実は厳しく、彼女の行動や男性交流ははらはら泣きはらす彼女によって

られてしまったのです。


彼は



動揺して泣けない私では無く


可憐に泣くをする彼女を



信じたのでございます。




はぁ、



後はご想像の通り、会社には辞職願いを出し彼のご両親からは彼女の言った会社での私の姿勢や業績を踏まえて、嘘であるのは承知だが、孫には変えられない。
申し訳無いと頭を下げてらっしゃいました。


ま、孫も授って無いのは明らかですが、心身共に疲弊した私は慰謝料と退職金の上乗せにて、関わり合いをすっぱり切ると誓いました。





そして、晴れて引きこもりの残念ニートの出来上がりでございます。

半年経った事もあり、出前にもTVにも飽きてきました。
引きこもりは続けたいのですが、出前の人が最近慣れて来て私のパーソナルスペースが、警告を出す様になりましてございます。

とどめは、寝取り後輩ちゃんのLINEです。

「子供は残念でしたが、彼の要望でこの度結婚式挙げました❣️」

挙式のチャペルは彼と私が捜して決めた場所でして、満面のドヤ顔の後輩ちゃんと少し微笑み返す彼


携帯を壁に投げ付け、吐けなくなるまで吐いた時

涙が初めて出たのを覚えています。

正直、もう人と深く関わりたく無い。
恋なんてするもんか!否しない!

その一心で、引きこもって生活出来る山奥か海外にでも移住しようかと物件探そう、そうだ引っ越そう!


ガコッ!
「痛っ?!」

扉が何かにぶつかり歪な音を立てたのです。


「はあ?」



扉を開け、声をたどり見下げるとそこには元彼が体育坐りで鎮座まし、額を押さえながら見上げてきていました。


捨てられた子犬の様に、捨てられたのは私なのにぐるぐるまとまらない思考を余所に、如何に私が大事でやっぱり君しか居ないと夢物語をつらつら続けるのです。

君、妻帯者になりましたよね?


純粋だと思った彼は子供だったのでございます。

妻の彼女アレも欲しいが私の愛人コレも手許から離したくないのでございましょう。


面倒くさを感じ横をすり抜け、タクシーを拾うべく横道に向かう瞬間、奥にフラフラ運転の車体が見えるなっと、ぼんやり視界に入れておりました。

ふいに、ぐぃっと引き止められる感覚が致しました。


暗転と共に激痛が走り誰かが耳元で叫んでいます

寒くて痛くて

目を一瞬開けたとき


嬉しそうな 悲しそうな
彼の泣き笑いと

「こんなつもりじゃ無かったんだ、死なないで」

彼の副静音が聴こえたのはきっと幻聴なのでございましょう。

「ああ、君が壊れてしまう。でもこれで君は最後の最後迄僕のだ」



嗚呼、もう言葉遣いは気に致しません。



ヒューヒューと漏れる息

ゴボゴボと口から溢れる錆味の赤い線はアスファルトに染みを広げているのでしょう。



「クソッ・・タレ、じん  せ  いやり、なおさせ  て かみ   さ  ま」

僅かに動く左手で精一杯の虚勢


中指立てて泣き笑い

パタリ


もう何も聴こえません、聴かなくていい
もう何も見えません、見なくていい





私、地球で生を受けた

佐藤幸子は、こうして生涯を閉じたのでございます。


感覚がない、fuckと立てた中指に、ある筈の無い子供が握る指の感触を他人事の様に
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