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BL大賞エントリー続編(1ヶ月限定)
104 両思いになった後は受けが拐われるのがベタでしょう。4
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side 異国の男、万次郎
凍えそうな一室、鋭利な視線に晒されたジョンは身も心も震えあがっていた。
「例の男がきて1ヶ月たつ。まだ、か。」
触れられたくない確信をつかれ、ビクッと肩が跳ねあがる。
「も、申し訳ありません。私の不徳のいたすところです。」
長く美しい白銀の髪を織物のように精巧に結った主は椅子に座ったまま微動だにせず、ゆっくりと視線を下ろした。
「私の国に他国の者が居るかと思うと虫酸が走る。」
ジョンは痛む胸を抱えながら、更に這いつくばり絨毯の敷いてある床に額を擦り付けた。
「はい! 申し訳ありません。」
主は徐に立ち上がりジョンの方へ近付くと、片膝をつきその肩へ白い手を置いた。
「お前は我が国の尊い民だな? 」
「はい! 私はこの国の臣民であります! 」
肩にずしりと岩が乗ったかのように感じながら必死に言葉を紡ぐ。
鎖国をしているこの国は自国第一主義で1つの血筋の王家が1000年以上続く封建国家だ。育てられた家では寒さに凍えながら奴隷のように扱われてきた。本当はこの国へ連れて来られてから常に迫害されて生きてきたのだ。そんな絶望が支配する日々を送っていたある日、王から呼び出された。
1年のほとんどが雪に覆われるこの土地で、人々は白い肌でとても美しい。そして王は代表者さながら一番白く美しい人だった。
惚けたように魅いる自分に、王はその美しい顔を顰め、 命令した。
これからお前の国の人間が来る。野蛮な国のアレン国王に愛されたその男はエリクサーを作る事が出来るらしい。我が国の人間は男の分際で男に媚びる者など見たくもないが、今の我が国にはエリクサーが必要だ。お前が会って万能薬であるエリクサーを作るように説得しろ。拒否するなら拷問すると言え。
――汚らわしいその言葉を話すな。
養父に言われ、鞭で叩かれた事を思い出す。この国で生きていく為に一番先に言葉を捨てたのに、通訳をしろなんて。
「我が国の役に立つならお前をこの国の臣民だと宣言してやろう。」
耳元で囁かれ心臓が跳ねる。
――この美しい人々と同じ人間だと認めて貰える。
甘美な誘惑に心が踊った。簡単な事だ。男好きな男娼に好きな男に会いたかったらエリクサーを作れと、今はもうあまり思い出せない母国語で話せば良いんだ。きっとこの国の下の方にも及ばない醜い女みたいな男だ、拷問すると言えばたちまち言う事を聞くだろう。
「必ずや説得してエリクサーを手に入れましょう。」
満足そうに笑う主のなんと美しい事か。この方の臣民だと認めてもらえるなんて夢のようだ。
それからジョンは今か今かとその日を待った。
そしてその日は来る。国宝である魔法石を使った1度しか使えない幻の魔法で国中の魔術師が魔力を使い果たし男を呼び寄せた。その部屋に自分しか入らない事実に目を背けながら待つ。
キラキラと輝く光の中から生まれたままの姿で現れた金色に輝くその人は驚いた事に、ただただ美しかった。自分の国にこんなに美しい人がいる事の喜びに涙が出る。そうだ。こんな寒くて暗い閉鎖的な国より、緑の山々や青く清んだ青空、赤く色付く夕焼け、自分の国はとても美しかったじゃないか。
でも、もう自分は帰る事は出来ない。
この国で生きていくしかないんだ。故郷の美しさを思い出した分、絶望が大きく広がる。
けれどこの人は帰してあげたい。こんなに儚く美しい人だ、きっと大事に育てられた人だろうから、こんな寒い所にいきなり連れて来られて悲しみで死んでしまうかもしれない。一生懸命説明してエリクサーを作ってもらったら、帰してもらえるように主を説得しよう。
そして目が覚めた美しい人は、青い透き通るような瞳を不安げに揺らしながら素直に作ると 言ってくれた。可哀想にずっと震えている。材料を持ってくると他にも色々と頼まれた。主に話してどんどん用意してもらうが、ある時、嫌な予感がした。
「――アナタ、ナニつくってる?」
「ん? ああ、エリクサーだ。エリクサー。」
絶対嘘だ。
エリクサー作るのに魔獣アザラシックスの腸とか、 化石燃料とかいる? ヤクソウだっけ? どうなった? うわぁ、作ってるときの目怖いし、あれ?この人綺麗な人だったよね?あれ? 日に日に薄汚れていって見る影もないんですけど? え? 外に出せ? え? 巨大な穴を開けたい? え? え? え? ちょちょちょちょっと待ってーー!
凍えそうな一室、鋭利な視線に晒されたジョンは身も心も震えあがっていた。
「例の男がきて1ヶ月たつ。まだ、か。」
触れられたくない確信をつかれ、ビクッと肩が跳ねあがる。
「も、申し訳ありません。私の不徳のいたすところです。」
長く美しい白銀の髪を織物のように精巧に結った主は椅子に座ったまま微動だにせず、ゆっくりと視線を下ろした。
「私の国に他国の者が居るかと思うと虫酸が走る。」
ジョンは痛む胸を抱えながら、更に這いつくばり絨毯の敷いてある床に額を擦り付けた。
「はい! 申し訳ありません。」
主は徐に立ち上がりジョンの方へ近付くと、片膝をつきその肩へ白い手を置いた。
「お前は我が国の尊い民だな? 」
「はい! 私はこの国の臣民であります! 」
肩にずしりと岩が乗ったかのように感じながら必死に言葉を紡ぐ。
鎖国をしているこの国は自国第一主義で1つの血筋の王家が1000年以上続く封建国家だ。育てられた家では寒さに凍えながら奴隷のように扱われてきた。本当はこの国へ連れて来られてから常に迫害されて生きてきたのだ。そんな絶望が支配する日々を送っていたある日、王から呼び出された。
1年のほとんどが雪に覆われるこの土地で、人々は白い肌でとても美しい。そして王は代表者さながら一番白く美しい人だった。
惚けたように魅いる自分に、王はその美しい顔を顰め、 命令した。
これからお前の国の人間が来る。野蛮な国のアレン国王に愛されたその男はエリクサーを作る事が出来るらしい。我が国の人間は男の分際で男に媚びる者など見たくもないが、今の我が国にはエリクサーが必要だ。お前が会って万能薬であるエリクサーを作るように説得しろ。拒否するなら拷問すると言え。
――汚らわしいその言葉を話すな。
養父に言われ、鞭で叩かれた事を思い出す。この国で生きていく為に一番先に言葉を捨てたのに、通訳をしろなんて。
「我が国の役に立つならお前をこの国の臣民だと宣言してやろう。」
耳元で囁かれ心臓が跳ねる。
――この美しい人々と同じ人間だと認めて貰える。
甘美な誘惑に心が踊った。簡単な事だ。男好きな男娼に好きな男に会いたかったらエリクサーを作れと、今はもうあまり思い出せない母国語で話せば良いんだ。きっとこの国の下の方にも及ばない醜い女みたいな男だ、拷問すると言えばたちまち言う事を聞くだろう。
「必ずや説得してエリクサーを手に入れましょう。」
満足そうに笑う主のなんと美しい事か。この方の臣民だと認めてもらえるなんて夢のようだ。
それからジョンは今か今かとその日を待った。
そしてその日は来る。国宝である魔法石を使った1度しか使えない幻の魔法で国中の魔術師が魔力を使い果たし男を呼び寄せた。その部屋に自分しか入らない事実に目を背けながら待つ。
キラキラと輝く光の中から生まれたままの姿で現れた金色に輝くその人は驚いた事に、ただただ美しかった。自分の国にこんなに美しい人がいる事の喜びに涙が出る。そうだ。こんな寒くて暗い閉鎖的な国より、緑の山々や青く清んだ青空、赤く色付く夕焼け、自分の国はとても美しかったじゃないか。
でも、もう自分は帰る事は出来ない。
この国で生きていくしかないんだ。故郷の美しさを思い出した分、絶望が大きく広がる。
けれどこの人は帰してあげたい。こんなに儚く美しい人だ、きっと大事に育てられた人だろうから、こんな寒い所にいきなり連れて来られて悲しみで死んでしまうかもしれない。一生懸命説明してエリクサーを作ってもらったら、帰してもらえるように主を説得しよう。
そして目が覚めた美しい人は、青い透き通るような瞳を不安げに揺らしながら素直に作ると 言ってくれた。可哀想にずっと震えている。材料を持ってくると他にも色々と頼まれた。主に話してどんどん用意してもらうが、ある時、嫌な予感がした。
「――アナタ、ナニつくってる?」
「ん? ああ、エリクサーだ。エリクサー。」
絶対嘘だ。
エリクサー作るのに魔獣アザラシックスの腸とか、 化石燃料とかいる? ヤクソウだっけ? どうなった? うわぁ、作ってるときの目怖いし、あれ?この人綺麗な人だったよね?あれ? 日に日に薄汚れていって見る影もないんですけど? え? 外に出せ? え? 巨大な穴を開けたい? え? え? え? ちょちょちょちょっと待ってーー!
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