主人公をいじめぬいて最後は殺される悪役王子だった事に気付いた10才の俺。

はるか

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BL大賞エントリー続編(1ヶ月限定)

105 両思いになった後は受けが拐われるのがベタでしょう。5

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   ふぅ。

   額に浮かぶ筈のない汗を拭いながら、目の前の巨大な建物を見上げ、深くため息をついた。

    ――出来た。

    化石燃料と天然ガスを燃料とする火力発電所。

    作ってる過程で気づいちゃったけど、この土地の地下、天然ガスの宝庫だったわ。

    気付いた時は思わず小躍りした。

    まぁ、一人では無理だったからこの国の魔術師の力を貸せって万次郎に言ったら、この世の終わりのような顔をして消えた後、三日後に激痩せした万次郎が、明らかに落ちこぼれっぽい魔術師を連れて来た。

    落ちこぼれだろうがなんだろうが、限界まで魔法で作業をさせ、魔力切れで死にかけた所に、不本意ながら俺の精液入りポーション飲ませて、馬車馬のように働かせた。そうしているうちに何かそいつどんどん魔力と使える魔法が増えてきて、ある日、国のエリート機関にスカウトされたとかいって嬉しそうに俺にハグして来なくなった。そうやって何人か変わった。やっぱ死にかけたらレベルあがるんだな。あきら先生すげーな。オラわくわくスッぞだな。

     ――そうやって落ちこぼれ魔術師がエリート魔術師に10人位なった後、この施設がようやっと完成したのだ。

    これを至るところに作り、セントラルヒーティング※を設置すればこの国は家の中で半袖で過ごせるようになる。電気を作る為ではなく、セントラルヒーティングの為に発電所を作るなんて馬鹿げた話だが、寒かったんだから仕方がない。パイプを地中に通し同じようにお湯を流せば作物も沢山育つ。エリクサーだって簡単に作れるだろう。

        天才か?あっ、俺天才だったわーー。

    浮かれすぎて寒い一人突っ込みをしていると隣で呆然と立っていた万次郎がいきなり喚きだした。

     「ナニこれ! エリクサーどこ! アナタたいへん! ゴウモンいたい。」

     「ちいさい、とけい、できる。万次郎、ホッとする。(後少しでできる。万次郎安心しろ。)」

      俺がこの国の言葉を話すと驚いて目を見開いた。
   
     「アナタ、ハナす?」 

    俺は得意気に頷いた。協力してもらった魔術師の言葉と動きを密かに見ながら、単語くらいなら覚えた天才はこの俺だ。

    何故か真っ赤になって悶絶している万次郎を尻目に、俺は閉じ込められていた家へと急いだ。そう、俺が閉じ込められていたのは人里離れた家だった。発明の為に外へ気軽に出るようになったが、まだ魔術師以外あった事がない。

    家へ入ると、俺は1枚1枚重苦しい服を脱いでいった。俺がボトボトと落とす服を慌てて後ろから拾っていく万次郎はあることに気づいた途端に両手に持っていた服を全て落とした。

     「アタタかい? 」

     俺は薄い肌着1枚で満面の笑みを浮かべ振り向いた。

     「このアト、クニ、イエ、アタタかい。マエ(これから先、この国は家が温かい事が当たり前になる。)」

     俺の言葉を呆然と聞いていた万次郎は、その言葉を時間をかけて理解した後、汗と涙が入り交じった顔でクリャリと笑った。  



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




※セントラルヒーティング=火力発電所の排熱で暖められたお湯を電気のように地域全体の家に巡らせ、家全体を暖める事が出来る暖房の事。魔法の力で比較的簡単に設置出来ます。ファンタジー最高。


大賞への投票ありがとうございます。こんなに入れていただけるなんて夢のようです。頑張れます(❀ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾ᵖᵉᵏᵒ


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