毒にも薬にもなりたくないっ

新堂茶美

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30.

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スイレンの手を引きながら、すたすたと歩くコハクは時折立ち止まり、鼻をすんすんと動かす
そして目を閉じて、耳を澄ます



1度通った離宮横の空っぽの大きな花壇の前に戻るとスイレンに声をかけた

「あの鳥のばけものは、山にかえったみたい。おうじのにおい、この先できれてる。音はしないかなぁ」

「ありがと、コハク。やっぱり、あの中だよねぇ……どうしよっかぁ……まぁ行ける所まで行ってみよ」

「はぁ……またおこられてもしらないよー」

今度はスイレンがコハクの手を引いて、カーテンの掛かった大きな窓が見える離宮の端に繋がっている丸い建物へと歩いていく


「カーテンで中が全然見えない!!」

「あそこ……とびらある」

「ほんとだっ」




───ゴンッ
「イッタァ……」

コハクの指さした方に3段ほどの階段があり、そこに勝手口のような扉がある

勢いよく駆け寄ったスイレンは階段前で見えない壁に腕を強く打ち付け、尻もちをついた

「けっかい……あるよ」

「忘れてたぁ。痛いぃ」

慌てて駆け寄ったコハクは打ち付けたスイレンの腕を確認し、立ち上がらせる

「どうする……?」

「この結界、あの屋根にある魔法石から発動してるよね? 近くで見れたらいいんだけど……」

「それなら土のしたにもあるよ……ほら」

スイレンが屋根を見ている間に階段横の石床を破壊し、土を掘り返して、ちょうどキラリと光る魔法石を見つけたコハク

「あー……あああ……土まみれだし……これどうやって戻すのよ……怒られるの確定じゃないぃ」

「土もどせばだいじょうぶ……」

「はぁぁ……でも良くやった! とりあえず見てみよ」

半透明白色の魔法石はほとんど土で隠れているが30センチほどはありそうだ

鞄の内側に付いているポケットからシルクの布に包まれた真っ赤な魔石を取り出すと両手で持ち、コハクと向き合う

「コハク、少し母様借りるね」

「……うん」









魔石は、魔物の死亡時に血液や魔力が結晶化したもので、その魔物のちからや属性などの魔力を含んでいる
魔法石は魔術を複写し、魔力を込めて発動する



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