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城の前には、たくさんの人で溢れていた。
スイレンはミケラウスに貰った青の魔法石のネックレスを着け、大きく開かれた広間の銀竜の像が良く見える扉の内側に待機していた。
内側からこっそり外の様子を見ていると、後ろからニールに腰を押された。
「そんなに挙動不審に覗いていたら逆に目立ちます。堂々としていて下さい。陛下や殿下が来るまでは外のすぐ横にある植え込みの前に居ても大丈夫ですから」
「ヒェ……」
「変な声出さないっ!」「はいっ!」
外に出て、目立たないように真っ直ぐ立っていると、すごく大きな人や全身真っ赤だったり真っ青な人や耳の長い人、獣人や影の中や水の中から覗く人、色んな種族の人達で溢れ、みんなが笑顔で会話をしている。スイレンは改めて、ビルガメシアが平和な国なんだと思った。
と、皆が一斉に上を見上げた。手を振り、歓声が上がる。城の2階のテラスから陛下とミケラウスが顔を出したようだ。スイレンは急いで扉の内側に戻る。
「満足しましたか?」「はい!」
ニールの問いかけに笑顔で答えると微笑みが返ってきた。
「あそこの階段から降りてきますので、もしも殿下の顔色や動きに変化があれば、すぐに教えてください」
「分かりました」
赤い絨毯が敷かれた大きな階段をゆっくりと降りてくる人影が見えた。
赤髪で紺色の騎士服の左に着けた眼帯の回りが鱗の男性を先頭に、ミケラウスによく似た色の金の髪とミケラウスよりも切れ長な水色の瞳をした白い騎士服に赤い片掛けのマントを着た背の高い男性、そして最後にしっかりとサイドに前髪を分け、顔面を出したミケラウスが降りてきた。
途中、背の高い金髪の男性と目が合い、微笑まれた。
「陛下かっこいい……」
「……言葉に気をつけて」
「先頭に居た方、ニールさんの父様?」
「ええ」「色以外似てないですね」
「私は母似です」
階段を降りきった3人が銀竜の像の前まで来ると、一瞬ミケラウスが顔を顰めた気がした。ミケラウスが見つめた先にはニコニコと微笑む綺麗な男性が居る。なんだか、ごちゃ混ぜの魔力を感じた気がしたが服の中の巾着袋が熱くなり、その魔力の気配は一瞬で消えた。
「王子様、誰を見てます?」
「あれは……海を渡った隣国、王妃様の母国の方ですね。どうしました?」「いえ」
それから陛下の挨拶があり、他国のお祝いの言葉などが長々と行われ、スイレンは必死に欠伸を我慢していた。
やがて銀竜の像の前に立ったミケラウスは一度振り返り、スイレンを見た。そして、フッと微笑むと銀竜が手に持つ大きな魔法石へと手を翳した。
その瞬間、ブワッと風が吹き、銀竜の目が光る。後ろから歓声が上がり、皆が上空を見ている。が、先程の綺麗な男性はニコニコしていたはずの顔を歪め、忌々しそうにミケラウスを見ていた。
空には濃い青色のキラキラとした光が伸びて城の真上から枝分かれし、輝きをそのままに色を徐々に薄くしながら多方面に広がっていった。
スイレンはミケラウスに貰った青の魔法石のネックレスを着け、大きく開かれた広間の銀竜の像が良く見える扉の内側に待機していた。
内側からこっそり外の様子を見ていると、後ろからニールに腰を押された。
「そんなに挙動不審に覗いていたら逆に目立ちます。堂々としていて下さい。陛下や殿下が来るまでは外のすぐ横にある植え込みの前に居ても大丈夫ですから」
「ヒェ……」
「変な声出さないっ!」「はいっ!」
外に出て、目立たないように真っ直ぐ立っていると、すごく大きな人や全身真っ赤だったり真っ青な人や耳の長い人、獣人や影の中や水の中から覗く人、色んな種族の人達で溢れ、みんなが笑顔で会話をしている。スイレンは改めて、ビルガメシアが平和な国なんだと思った。
と、皆が一斉に上を見上げた。手を振り、歓声が上がる。城の2階のテラスから陛下とミケラウスが顔を出したようだ。スイレンは急いで扉の内側に戻る。
「満足しましたか?」「はい!」
ニールの問いかけに笑顔で答えると微笑みが返ってきた。
「あそこの階段から降りてきますので、もしも殿下の顔色や動きに変化があれば、すぐに教えてください」
「分かりました」
赤い絨毯が敷かれた大きな階段をゆっくりと降りてくる人影が見えた。
赤髪で紺色の騎士服の左に着けた眼帯の回りが鱗の男性を先頭に、ミケラウスによく似た色の金の髪とミケラウスよりも切れ長な水色の瞳をした白い騎士服に赤い片掛けのマントを着た背の高い男性、そして最後にしっかりとサイドに前髪を分け、顔面を出したミケラウスが降りてきた。
途中、背の高い金髪の男性と目が合い、微笑まれた。
「陛下かっこいい……」
「……言葉に気をつけて」
「先頭に居た方、ニールさんの父様?」
「ええ」「色以外似てないですね」
「私は母似です」
階段を降りきった3人が銀竜の像の前まで来ると、一瞬ミケラウスが顔を顰めた気がした。ミケラウスが見つめた先にはニコニコと微笑む綺麗な男性が居る。なんだか、ごちゃ混ぜの魔力を感じた気がしたが服の中の巾着袋が熱くなり、その魔力の気配は一瞬で消えた。
「王子様、誰を見てます?」
「あれは……海を渡った隣国、王妃様の母国の方ですね。どうしました?」「いえ」
それから陛下の挨拶があり、他国のお祝いの言葉などが長々と行われ、スイレンは必死に欠伸を我慢していた。
やがて銀竜の像の前に立ったミケラウスは一度振り返り、スイレンを見た。そして、フッと微笑むと銀竜が手に持つ大きな魔法石へと手を翳した。
その瞬間、ブワッと風が吹き、銀竜の目が光る。後ろから歓声が上がり、皆が上空を見ている。が、先程の綺麗な男性はニコニコしていたはずの顔を歪め、忌々しそうにミケラウスを見ていた。
空には濃い青色のキラキラとした光が伸びて城の真上から枝分かれし、輝きをそのままに色を徐々に薄くしながら多方面に広がっていった。
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