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第ニ章 冴ゆ季節、心に積もる
一
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季節は巡る。様々な味わい深い色合いの葉が石畳の道を覆う頃、そろそろ上着の上にマントが必要な寒さだ。
「リュエル、テスト勉強してる? ぼくもういっぱいいっぱいだよ」
定期試験が迫っていた。日々、部屋で家庭教師の世話になっているおれは、特にテスト勉強をしている感覚はない。
「来週だっけ?」
「うん」
メルは肩を落として白いため息を吐く。
「グランにわるいなぁ。教え合いっこしようって言ったのに、ぼくばっかり教えてもらっててさ」
「グランて勉強できるのか」
思わず眉を上げる。
「グランは頭いいよ。聖武科も武術ができるだけじゃダメなんだって。グランが得意なのは理系でね、ぼくは理系が致命的だから…」
「へぇ」
そこはさすがの次席である。
(意外だ)
ちょっとグランを見直したおれだった。
ところで、放課後の補習はまだ続いている。無断欠席した午前中の講義の一つが写紋だったのだ。
テスト目前ということで、テストで出題される聖紋を書かせてくれるのだが、いい加減、補習も終わりになっていい頃だろうと思う。
(あの教師、いつまでやらせる気だ?)
石畳の床に目を落として足早に歩いていたら、前から来た教師とぶつかってしまった。その教師は勢いのままによろけて壁にぶつかる。
ギョッとして顔を上げると、そこにいたのは一年の聖音科担当、ダリヌだった。
「リュエル・フラム…。なんという乱暴者でしょう。あなたのような者が聖音科に在籍していることが信じられません」
謝ろうとして開きかけた唇をグッと引き結ぶ。
「あなたは聖音科の自覚が足りないのです。挨拶運動も、ずいぶん適当にこなしていたようですし」
ダリヌは頬を痙攣させて微笑を浮かべた。
「テスト週間は挨拶運動もなくなりますが、あなたには毎日やってもらいましょう。それから少しはフィーデルの生徒としての自覚が持てるよう、教示の書き写しでもやらせましょうか。一週間もあればできますね」
教示は学生証に書かれており、数十頁はあったと思う。ぶつかったのは確かにおれの落ち度だ。しかし、それだけでここまでの罰を受けねばならいなんて、到底納得できなかった。
「それは少々やりすぎですよ、ダリヌ先生」
クワッと口を開きかけたとき、後ろから聞こえた声にハッとして振り返った。
「彼は放課後、私の補習を受けていましてね。テスト週間にこれ以上の重荷を課すのは、さすがにどうかと」
「……デルヴィス先生」
ダリヌがかすかに顎を引く。そこにいたのは、日々、放課後に顔を合わせている教師だった。執務室以外で見る彼は、別人のようである。
「毎日、手が痺れてペンを握れなくなるまで書かせています。ああ、これからは床に正座でもさせましょうか?」
デルヴィスはサラリとそんなことを言った。おれは俯いたまま、固唾を呑んで成り行きを見守る。
「……あなたのご判断に誤りはないでしょうから、お任せします。リュエル・フラム、挨拶運動はきちんとなさい。テスト週間もです」
教示の写しがなくなっただけマシと思うべきか。返事をするまで目を離さないぞという執念を感じるダリヌに、しぶしぶと口を開いた。
「……はい、先生」
おれを一睨みして、ダリヌは去った。
「ではリュエル、私の執務室へ」
デルヴィスに視線を寄越され、後を追う。執務室までデルヴィスは無言だった。部屋に入り、扉を閉めてようやくこちらを向く。
「君は面倒な人に目を付けられているな」
おれは肩をすくめてしまった。
「なぜ一人でいた?」
「ちょっと前までレルヒといました。通りがかった教師にレルヒが呼ばれて…。すぐそこだからって、おれが言ったんです」
教師がよく通る廊下だ。こんな距離なら、一人でいたって何も起こらないと思った。まさか教師にいちゃもんをつけられるとは、予想外である。
「油断は禁物。一つ学んだな」
デルヴィスはひょいと眉を上げ、歩み来た。
「たまたま私が通らなければ、もっと面倒なことになっていた」
デルヴィスが来なければ、おれは反抗しただろう。そしたらどうなっていたことか。
「……さっきはどーも」
デルヴィスはちょっと軟派だが、なんだかんだでいい教師なのかもしれない。
「なぁに、礼なら言葉でなく、行動でしてくれ」
「は、」
「この部屋での挨拶にはキスを加えよう。それから、写紋している聖紋を、私のために紡いで聞かせろ」
デルヴィスはおれの顎に指を添え、唇を親指の腹で撫でてニヤリと笑う。――先ほどの感心を返せと言いたい。
「正座して、手が痺れるまで適当な聖紋を書かされたいか? ああ、教示も書かせなくてはな」
「っエセ教師!」
「そ。教師の特権さ」
誰だ、こんなやつを教師にしたのは。顔を近づけてくるデルヴィスから離れようと、厚い胸板を押す。後ろは扉だ。
「リュエル、お返事は?」
(こいつに助けられたのが運の尽きだった)
しかし、正座も教示を写すのもまっぴらだ。キスくらいなんともないだろう。ウタを紡ぐのだって、好きなのだから嫌がる理由はないはずだ。
「お返事は?」
「……はい、先生」
「よろしい」
デルヴィスは笑みを深め、おれの顎に添えていた手を離す。
「それでは、まずは挨拶だ。今から補習を始める」
近距離にある目が新たなルールを促す。それを一睨みして、ぶっきらぼうに頬へキスをした。
「よろしくお願いします」
するとデルヴィスは虚を突かれたような顔で、まじまじと見てくる。
「……なんだよ」
「君は思った以上に純情なようだ」
うっすらと笑みを浮かべたと思ったら、無遠慮に近づく端正な顔。慌てて手の平で受け止めた。
「キスといったら、唇にするに決まっているだろう」
「知らねえよっ」
肩を後ろの扉に抑えつけられる。
「放せッ」
「手を退けろ。もう一度、ちゃんと挨拶するんだ」
体格差がありビクともしない。デルヴィスは背も高いのだ。上から押さえつけるように言われると、大人に支配されるような感覚にゾッとした。心が悲鳴を上げたとき、おれは思わず股間を蹴り上げた。
「~~~ッ。君は、容赦が、ないな」
デルヴィスは内股で倒れこみ、身体をピクピクさせている。しかし涙目でこちらを見上げると、ふざけた態度を改めた。
「すまない。遊びすぎた」
おれは眉根を寄せて唇を噛みしめ、震える腕を隠すようにもう片方で掴んでそっぽを向く。本当は部屋を飛び出したい。けれども、デルヴィスに助けられたのは事実だ。それに、妙な取引に乗ったのは自分なのである。ここで逃げたら、状況が悪くなるかもしれない。つい先頃、あんな事件を起こしてしまったばかりなのに――。
「君は少し、大人になったようだ」
デルヴィスはよたりと立ち上がり、頭を撫でてくる。
「挨拶のキスは君に合わせよう」
「……ガキだって、思ってんだろ」
「ああ。君は思った以上にかわいい坊やだ。さぁ、写紋を始めよう。書けたら私のために紡ぐんだぞ?」
デルヴィスはいつもの調子で言って奥の机に向かった。写紋を書くのがデルヴィスの講義のテストで、紡ぐのが声学のテスト。おれはムスっとしたまま頷いて、いつもの席に収まった。
~ズァチィノ゙メシ゚~ ホィスォフ~イゾァフォフィ~
聖紋に目を落として紡ぐ。離れた机から、じっとこちらを窺う視線。まとわりつくようで、ひどく落ち着かない気分になる。
(集中しろおれ…!)
なんとか気づかないふりをしてウタに専念しようとしたが、広くない部屋に二人きり。その相手からこんな視線を受け、じっとしていられるわけがなかった。
「リュエル、音が乱れているぞ」
「、あんたのせいだろ!」
ガタリと立ち上がる。
「私は何もしていない。私のためにさぁ、続けたまえ」
たしかに、いつものように邪魔をされるわけではない。けれど、その方がずっとマシだ。首筋がゾワゾワするような、嫌な視線だった。
「……こっち見るなよ」
「そんな約束をした覚えはないな」
唇を噛みしめた。仕方がないので、再びウタを紡ぎ始める。
~ニェタェ~タァユ゙……ズァォフィ~~
嫌な気分だ。ねっとりとした視線が身体を熱くする。いや、それよりも――。彼のために紡ぐ自分。まるで、鳥籠に閉じ込められた鳥のようではないか。
未だかつて、ウタをこんなに長いと感じたことはない。ようやく紡ぎ終えたときには、俯いて、湧き上がる様々な感情に耐えていた。
カツリコツリと近づく足音。
「緊張したのか? 君にしては拙いウタだった」
さらりと髪を撫でられた。身体が強ばっている。言い表しようのない感情に加え、喪失感のようなものまで感じていた。それほどまでに、自分にとってウタは大切なものだったのだ。
終わりの鐘がなる。
「今日はここまでにしよう。リュエル」
挨拶は、と言われた気がした。脱け殻になったような気分でゆるりと顔を上げ、頬にキスをする。
「……ありがとうございました」
「よろしい。また明日」
――デルヴィスは耳許で囁いて机へ戻ると、ゆらりと立ち上がって部屋を後にした頼りない後ろ姿に、笑みを深めた。
「リュエル、テスト勉強してる? ぼくもういっぱいいっぱいだよ」
定期試験が迫っていた。日々、部屋で家庭教師の世話になっているおれは、特にテスト勉強をしている感覚はない。
「来週だっけ?」
「うん」
メルは肩を落として白いため息を吐く。
「グランにわるいなぁ。教え合いっこしようって言ったのに、ぼくばっかり教えてもらっててさ」
「グランて勉強できるのか」
思わず眉を上げる。
「グランは頭いいよ。聖武科も武術ができるだけじゃダメなんだって。グランが得意なのは理系でね、ぼくは理系が致命的だから…」
「へぇ」
そこはさすがの次席である。
(意外だ)
ちょっとグランを見直したおれだった。
ところで、放課後の補習はまだ続いている。無断欠席した午前中の講義の一つが写紋だったのだ。
テスト目前ということで、テストで出題される聖紋を書かせてくれるのだが、いい加減、補習も終わりになっていい頃だろうと思う。
(あの教師、いつまでやらせる気だ?)
石畳の床に目を落として足早に歩いていたら、前から来た教師とぶつかってしまった。その教師は勢いのままによろけて壁にぶつかる。
ギョッとして顔を上げると、そこにいたのは一年の聖音科担当、ダリヌだった。
「リュエル・フラム…。なんという乱暴者でしょう。あなたのような者が聖音科に在籍していることが信じられません」
謝ろうとして開きかけた唇をグッと引き結ぶ。
「あなたは聖音科の自覚が足りないのです。挨拶運動も、ずいぶん適当にこなしていたようですし」
ダリヌは頬を痙攣させて微笑を浮かべた。
「テスト週間は挨拶運動もなくなりますが、あなたには毎日やってもらいましょう。それから少しはフィーデルの生徒としての自覚が持てるよう、教示の書き写しでもやらせましょうか。一週間もあればできますね」
教示は学生証に書かれており、数十頁はあったと思う。ぶつかったのは確かにおれの落ち度だ。しかし、それだけでここまでの罰を受けねばならいなんて、到底納得できなかった。
「それは少々やりすぎですよ、ダリヌ先生」
クワッと口を開きかけたとき、後ろから聞こえた声にハッとして振り返った。
「彼は放課後、私の補習を受けていましてね。テスト週間にこれ以上の重荷を課すのは、さすがにどうかと」
「……デルヴィス先生」
ダリヌがかすかに顎を引く。そこにいたのは、日々、放課後に顔を合わせている教師だった。執務室以外で見る彼は、別人のようである。
「毎日、手が痺れてペンを握れなくなるまで書かせています。ああ、これからは床に正座でもさせましょうか?」
デルヴィスはサラリとそんなことを言った。おれは俯いたまま、固唾を呑んで成り行きを見守る。
「……あなたのご判断に誤りはないでしょうから、お任せします。リュエル・フラム、挨拶運動はきちんとなさい。テスト週間もです」
教示の写しがなくなっただけマシと思うべきか。返事をするまで目を離さないぞという執念を感じるダリヌに、しぶしぶと口を開いた。
「……はい、先生」
おれを一睨みして、ダリヌは去った。
「ではリュエル、私の執務室へ」
デルヴィスに視線を寄越され、後を追う。執務室までデルヴィスは無言だった。部屋に入り、扉を閉めてようやくこちらを向く。
「君は面倒な人に目を付けられているな」
おれは肩をすくめてしまった。
「なぜ一人でいた?」
「ちょっと前までレルヒといました。通りがかった教師にレルヒが呼ばれて…。すぐそこだからって、おれが言ったんです」
教師がよく通る廊下だ。こんな距離なら、一人でいたって何も起こらないと思った。まさか教師にいちゃもんをつけられるとは、予想外である。
「油断は禁物。一つ学んだな」
デルヴィスはひょいと眉を上げ、歩み来た。
「たまたま私が通らなければ、もっと面倒なことになっていた」
デルヴィスが来なければ、おれは反抗しただろう。そしたらどうなっていたことか。
「……さっきはどーも」
デルヴィスはちょっと軟派だが、なんだかんだでいい教師なのかもしれない。
「なぁに、礼なら言葉でなく、行動でしてくれ」
「は、」
「この部屋での挨拶にはキスを加えよう。それから、写紋している聖紋を、私のために紡いで聞かせろ」
デルヴィスはおれの顎に指を添え、唇を親指の腹で撫でてニヤリと笑う。――先ほどの感心を返せと言いたい。
「正座して、手が痺れるまで適当な聖紋を書かされたいか? ああ、教示も書かせなくてはな」
「っエセ教師!」
「そ。教師の特権さ」
誰だ、こんなやつを教師にしたのは。顔を近づけてくるデルヴィスから離れようと、厚い胸板を押す。後ろは扉だ。
「リュエル、お返事は?」
(こいつに助けられたのが運の尽きだった)
しかし、正座も教示を写すのもまっぴらだ。キスくらいなんともないだろう。ウタを紡ぐのだって、好きなのだから嫌がる理由はないはずだ。
「お返事は?」
「……はい、先生」
「よろしい」
デルヴィスは笑みを深め、おれの顎に添えていた手を離す。
「それでは、まずは挨拶だ。今から補習を始める」
近距離にある目が新たなルールを促す。それを一睨みして、ぶっきらぼうに頬へキスをした。
「よろしくお願いします」
するとデルヴィスは虚を突かれたような顔で、まじまじと見てくる。
「……なんだよ」
「君は思った以上に純情なようだ」
うっすらと笑みを浮かべたと思ったら、無遠慮に近づく端正な顔。慌てて手の平で受け止めた。
「キスといったら、唇にするに決まっているだろう」
「知らねえよっ」
肩を後ろの扉に抑えつけられる。
「放せッ」
「手を退けろ。もう一度、ちゃんと挨拶するんだ」
体格差がありビクともしない。デルヴィスは背も高いのだ。上から押さえつけるように言われると、大人に支配されるような感覚にゾッとした。心が悲鳴を上げたとき、おれは思わず股間を蹴り上げた。
「~~~ッ。君は、容赦が、ないな」
デルヴィスは内股で倒れこみ、身体をピクピクさせている。しかし涙目でこちらを見上げると、ふざけた態度を改めた。
「すまない。遊びすぎた」
おれは眉根を寄せて唇を噛みしめ、震える腕を隠すようにもう片方で掴んでそっぽを向く。本当は部屋を飛び出したい。けれども、デルヴィスに助けられたのは事実だ。それに、妙な取引に乗ったのは自分なのである。ここで逃げたら、状況が悪くなるかもしれない。つい先頃、あんな事件を起こしてしまったばかりなのに――。
「君は少し、大人になったようだ」
デルヴィスはよたりと立ち上がり、頭を撫でてくる。
「挨拶のキスは君に合わせよう」
「……ガキだって、思ってんだろ」
「ああ。君は思った以上にかわいい坊やだ。さぁ、写紋を始めよう。書けたら私のために紡ぐんだぞ?」
デルヴィスはいつもの調子で言って奥の机に向かった。写紋を書くのがデルヴィスの講義のテストで、紡ぐのが声学のテスト。おれはムスっとしたまま頷いて、いつもの席に収まった。
~ズァチィノ゙メシ゚~ ホィスォフ~イゾァフォフィ~
聖紋に目を落として紡ぐ。離れた机から、じっとこちらを窺う視線。まとわりつくようで、ひどく落ち着かない気分になる。
(集中しろおれ…!)
なんとか気づかないふりをしてウタに専念しようとしたが、広くない部屋に二人きり。その相手からこんな視線を受け、じっとしていられるわけがなかった。
「リュエル、音が乱れているぞ」
「、あんたのせいだろ!」
ガタリと立ち上がる。
「私は何もしていない。私のためにさぁ、続けたまえ」
たしかに、いつものように邪魔をされるわけではない。けれど、その方がずっとマシだ。首筋がゾワゾワするような、嫌な視線だった。
「……こっち見るなよ」
「そんな約束をした覚えはないな」
唇を噛みしめた。仕方がないので、再びウタを紡ぎ始める。
~ニェタェ~タァユ゙……ズァォフィ~~
嫌な気分だ。ねっとりとした視線が身体を熱くする。いや、それよりも――。彼のために紡ぐ自分。まるで、鳥籠に閉じ込められた鳥のようではないか。
未だかつて、ウタをこんなに長いと感じたことはない。ようやく紡ぎ終えたときには、俯いて、湧き上がる様々な感情に耐えていた。
カツリコツリと近づく足音。
「緊張したのか? 君にしては拙いウタだった」
さらりと髪を撫でられた。身体が強ばっている。言い表しようのない感情に加え、喪失感のようなものまで感じていた。それほどまでに、自分にとってウタは大切なものだったのだ。
終わりの鐘がなる。
「今日はここまでにしよう。リュエル」
挨拶は、と言われた気がした。脱け殻になったような気分でゆるりと顔を上げ、頬にキスをする。
「……ありがとうございました」
「よろしい。また明日」
――デルヴィスは耳許で囁いて机へ戻ると、ゆらりと立ち上がって部屋を後にした頼りない後ろ姿に、笑みを深めた。
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