80 / 110
第三章 冬の休暇、別荘合宿
十七
しおりを挟む
その日は三人だけの晩餐だった。アルシャたちはまだ戻って来ない。いつもより静かなダイニング。流れる時間がゆっくりに感じた。
「アルシャって、いつカムナギになったんだ?」
おれはふと口を開く。
「一学年のときです。今の君と同じときですよ」
さすがのアルシャ。カムナギになれる最年少のときにしっかりなっていた。
「学生のうちは、それでも正式なカムナギではないのです。フィーデルでしっかりと学位を修めて初めて、一人前になれるそうで」
だから学業もおろそかにできないのだとレルヒは語った。
「兄上やオルキさんも同じです。侍人ではありますが、まだ正式な文官や武官ではありません」
そうだったのか。まだまだ知らないことがたくさんある。それが他人事ではないので、おれは神妙な顔つきになってしまった。
こちらを向いて、ラルジュが口を開く。
「カムナギ試験を受けるには、学年一位の成績を取らなくてはならないという話はしたね」
おれはこくりと頷く。
「それだけでは試験は受けられないんだ」
「え?」
「大抵、学年一位を取るような人は周りに認められている。だから大した問題ではないんだけどね」
ラルジュはひょいと眉を上げて続けた。
「試験を受ける権利を得ると、全校生徒の前で発表されるんだけど」
その時、拍手をして送り出されればいいのだが、拍手があまりなかったりすると、その権利は取り消されてしまのだという。
おれはギクリと固まる。
「頭脳やウタの技術だけふさわしくても駄目ということさ。皆から快く応援されるような人でなくてはね」
それで「みんなを虜にすればいい」とアルシャが言っていたのか。ようやくその意味を知ったおれである。それにしても、とても切実な問題ではないか。
「みんなから快く思われているかどうかは空気でわかるだろう。それでもう、場合によっては、なかったことになる」
今の自分がもし学年一位となり発表の時が来たとして、はたして皆は快く送り出してくれるだろうか。今のおれには、自信をもって大丈夫とは、とても言えない。
「君の印象は徐々によくなっている。成績と同じさ。最後の試験までに、ふさわしいと思われるようになっていればいい」
ポンと頭に手を置かれた。穏やかな糸目には、焦りの欠片すら見当たらない。おれは息を吐いて肩の力を抜くと、くっと口角を上げて見せた。
「後期はちゃんと意識する」
(カムナギになる)
それだけを思えば、例えば言葉遣いや服装や受講態度など、ほんの些細なことだ。妙なこだわりを持っていたことがおかしく思えるくらい、ほんの些細なこと。そう思えるくらいには、おれは自分を受け入れられるようになっていた。
おれが余裕のある表情をしていたからか、レルヒが目を瞬く。ラルジュはうっかり開眼していた。
「あんたの言った通りだった」
おれは皮肉な笑みを浮かべる。やっとわかった。会ったばかりのころにラルジュから言われたこと。
「あの頃は、カムナギになる覚悟なんてなかった。なれるわけないと思ってたんだ」
こんな自分がなれるはずがない。心のどこかでずっと、そう思っていた。なりたいと思う気持ちのままに突っ走る度胸も覚悟も、ぜんぜん足りなかった。自信がなかったのだ。だから、弱くて脆い心を必死に守っていた。とっつきにくい雰囲気で、すぐに相手に突っかかって、傷つくのを恐れていた。
「今ならわかる」
誰に何を言われても、自分で自分を受け入れて認めていれば、心が傷つくことはないし、相手に言い返す必要もない。
自分に確信があるから。誰がなんと言おうと、この胸の奥にある輝きが褪せることなどあり得ない。傷つけられるはずがない。誰の言葉より、この輝きが真実だと感じている。その輝きのままにあれば、恐れるものなど何もない。
「……大きくなりましたね、リュエル」
どこかぼんやりした顔でレルヒが呟くので笑ってしまう。
「そんなに大きくなったか?」
おれは頭の上に手をやって前後に振った。
「っ違います。いえ、そうですね…。身長の方も、出会った頃より伸びたかもしれません」
言われてみればそうかもしれない。しげしげと眺めてくるレルヒの顔を、以前より近くに感じる気がする。
「おそるべし、成長期だね」
ラルジュがぼそりと落とした。おれは目を瞬いて、ふっと笑む。
「強い味方がいるからな」
真実の光に気づかせてくれたのはネージュだが、心の持ちようについて、だいたいはラルジュから学んだ気がする。ラルジュは言葉だけではない。本当にそれを体現していたから。そういえば、エレミアもそうだった。首席を取るような聖武科生はみんな頼もしい。……いや、ランザームは微妙だが。
「まいったね」
――想像を遥かに超えたスピードで成長してゆく我が君に、ラルジュは降参とばかりに肩をすくめた。
お風呂に入ってあとは寝るだけとなったおれ。机でうんと伸びをする。
「この辺にしておくか」
復習で間違えた問題を見直して、いまいち覚えきれていない聖紋を書いて。いつもならアルシャがそろそろ戻って来る時間。まだ、その姿はない。
夜には戻ると言っていたのに。おれは静けさの中、ぼんやりと虚空を眺める。
カムナギになる決意を抱かせたのはおれだと、アルシャは言った。初めて会ったあのときから、おれのことを思っていたのだという。
(ずっと、嫌なことばかりに目が向いてた)
そんな日々の中にも、あの出会いのように素晴らしいことだってあったのに。どうして忘れることができたのだろう。こんなに強烈な記憶――。不思議でならない。
(嫌な記憶こそ、すぐに忘れたいのにな)
おれは小さく息を吐く。
ふと、昼間のラルジュが頭をよぎった。誰かを守って死ぬために生きていたラルジュ。その強さはたった一人を守るためのもの。守っていつか死ぬためのものだった。
(死を思いながら生きるって、どんな感じだろう?)
死について、おれは深く考えたことがなかった。遠いいつかの話だと思っていたのだ。いつか、誰もがみんな死ぬ。自分だって。そんなわかりきったことを、改めて考えてみると、なんだか切なくなった。神なる自分という存在は永遠だとネージュは話してくれたが、このおれはいなくなる。
『もし、死ぬとき君も連れて行きたいって言ったらどうする?』
どうしてアルシャはあんなことを突然言ったのだろう。アルシャも、死を思いながら生きているのだろうか。儚い笑みを浮かべていた。
『大切なひとの死ぬときがわかったらどうする?』
(どうしようもないじゃないか)
しかし、黙って受け入れるなんておれにはできない。もしアルシャの死期がわかったら、その理由がわかったら、どうにかして回避できないか全力で考えるだろう。
(もし…)
“もし” なんて、あるはずないと思うけど。考えるだけで胸が苦しくなって、シャツの胸元を掴んで俯く。
「まだ起きていたのかい?」
後ろからかかった声にハッとした。
「アルシャ」
振り返る。いつもの優しい微笑みにホッとした。
「何かあったの?」
今の平穏を壊したくなくて、おれは首を振る。
「疲れているなら、早くおやすみ」
「アルシャも」
疲れているのは務めがあったアルシャの方ではなかろうか。アルシャは目を瞬いて、ふっと笑む。
「一緒に寝ようか」
そうして二人、ベッドに沈んだ。
「アルシャ…、突然いなくなったりしないよな?」
「どうしたんだい? 急に」
「……いや、いい。なんでもない」
先ほど浮かんだ思考がまだ心に重く漂っている。おれはアルシャの方に身を寄せて、そんな思考を蹴散らすようにぎゅっと目を閉じた。
「おやすみ、リュエル」
「……」
おやすみ。
そのときのおれは、どうしてかその言葉が言えなかった。
「アルシャって、いつカムナギになったんだ?」
おれはふと口を開く。
「一学年のときです。今の君と同じときですよ」
さすがのアルシャ。カムナギになれる最年少のときにしっかりなっていた。
「学生のうちは、それでも正式なカムナギではないのです。フィーデルでしっかりと学位を修めて初めて、一人前になれるそうで」
だから学業もおろそかにできないのだとレルヒは語った。
「兄上やオルキさんも同じです。侍人ではありますが、まだ正式な文官や武官ではありません」
そうだったのか。まだまだ知らないことがたくさんある。それが他人事ではないので、おれは神妙な顔つきになってしまった。
こちらを向いて、ラルジュが口を開く。
「カムナギ試験を受けるには、学年一位の成績を取らなくてはならないという話はしたね」
おれはこくりと頷く。
「それだけでは試験は受けられないんだ」
「え?」
「大抵、学年一位を取るような人は周りに認められている。だから大した問題ではないんだけどね」
ラルジュはひょいと眉を上げて続けた。
「試験を受ける権利を得ると、全校生徒の前で発表されるんだけど」
その時、拍手をして送り出されればいいのだが、拍手があまりなかったりすると、その権利は取り消されてしまのだという。
おれはギクリと固まる。
「頭脳やウタの技術だけふさわしくても駄目ということさ。皆から快く応援されるような人でなくてはね」
それで「みんなを虜にすればいい」とアルシャが言っていたのか。ようやくその意味を知ったおれである。それにしても、とても切実な問題ではないか。
「みんなから快く思われているかどうかは空気でわかるだろう。それでもう、場合によっては、なかったことになる」
今の自分がもし学年一位となり発表の時が来たとして、はたして皆は快く送り出してくれるだろうか。今のおれには、自信をもって大丈夫とは、とても言えない。
「君の印象は徐々によくなっている。成績と同じさ。最後の試験までに、ふさわしいと思われるようになっていればいい」
ポンと頭に手を置かれた。穏やかな糸目には、焦りの欠片すら見当たらない。おれは息を吐いて肩の力を抜くと、くっと口角を上げて見せた。
「後期はちゃんと意識する」
(カムナギになる)
それだけを思えば、例えば言葉遣いや服装や受講態度など、ほんの些細なことだ。妙なこだわりを持っていたことがおかしく思えるくらい、ほんの些細なこと。そう思えるくらいには、おれは自分を受け入れられるようになっていた。
おれが余裕のある表情をしていたからか、レルヒが目を瞬く。ラルジュはうっかり開眼していた。
「あんたの言った通りだった」
おれは皮肉な笑みを浮かべる。やっとわかった。会ったばかりのころにラルジュから言われたこと。
「あの頃は、カムナギになる覚悟なんてなかった。なれるわけないと思ってたんだ」
こんな自分がなれるはずがない。心のどこかでずっと、そう思っていた。なりたいと思う気持ちのままに突っ走る度胸も覚悟も、ぜんぜん足りなかった。自信がなかったのだ。だから、弱くて脆い心を必死に守っていた。とっつきにくい雰囲気で、すぐに相手に突っかかって、傷つくのを恐れていた。
「今ならわかる」
誰に何を言われても、自分で自分を受け入れて認めていれば、心が傷つくことはないし、相手に言い返す必要もない。
自分に確信があるから。誰がなんと言おうと、この胸の奥にある輝きが褪せることなどあり得ない。傷つけられるはずがない。誰の言葉より、この輝きが真実だと感じている。その輝きのままにあれば、恐れるものなど何もない。
「……大きくなりましたね、リュエル」
どこかぼんやりした顔でレルヒが呟くので笑ってしまう。
「そんなに大きくなったか?」
おれは頭の上に手をやって前後に振った。
「っ違います。いえ、そうですね…。身長の方も、出会った頃より伸びたかもしれません」
言われてみればそうかもしれない。しげしげと眺めてくるレルヒの顔を、以前より近くに感じる気がする。
「おそるべし、成長期だね」
ラルジュがぼそりと落とした。おれは目を瞬いて、ふっと笑む。
「強い味方がいるからな」
真実の光に気づかせてくれたのはネージュだが、心の持ちようについて、だいたいはラルジュから学んだ気がする。ラルジュは言葉だけではない。本当にそれを体現していたから。そういえば、エレミアもそうだった。首席を取るような聖武科生はみんな頼もしい。……いや、ランザームは微妙だが。
「まいったね」
――想像を遥かに超えたスピードで成長してゆく我が君に、ラルジュは降参とばかりに肩をすくめた。
お風呂に入ってあとは寝るだけとなったおれ。机でうんと伸びをする。
「この辺にしておくか」
復習で間違えた問題を見直して、いまいち覚えきれていない聖紋を書いて。いつもならアルシャがそろそろ戻って来る時間。まだ、その姿はない。
夜には戻ると言っていたのに。おれは静けさの中、ぼんやりと虚空を眺める。
カムナギになる決意を抱かせたのはおれだと、アルシャは言った。初めて会ったあのときから、おれのことを思っていたのだという。
(ずっと、嫌なことばかりに目が向いてた)
そんな日々の中にも、あの出会いのように素晴らしいことだってあったのに。どうして忘れることができたのだろう。こんなに強烈な記憶――。不思議でならない。
(嫌な記憶こそ、すぐに忘れたいのにな)
おれは小さく息を吐く。
ふと、昼間のラルジュが頭をよぎった。誰かを守って死ぬために生きていたラルジュ。その強さはたった一人を守るためのもの。守っていつか死ぬためのものだった。
(死を思いながら生きるって、どんな感じだろう?)
死について、おれは深く考えたことがなかった。遠いいつかの話だと思っていたのだ。いつか、誰もがみんな死ぬ。自分だって。そんなわかりきったことを、改めて考えてみると、なんだか切なくなった。神なる自分という存在は永遠だとネージュは話してくれたが、このおれはいなくなる。
『もし、死ぬとき君も連れて行きたいって言ったらどうする?』
どうしてアルシャはあんなことを突然言ったのだろう。アルシャも、死を思いながら生きているのだろうか。儚い笑みを浮かべていた。
『大切なひとの死ぬときがわかったらどうする?』
(どうしようもないじゃないか)
しかし、黙って受け入れるなんておれにはできない。もしアルシャの死期がわかったら、その理由がわかったら、どうにかして回避できないか全力で考えるだろう。
(もし…)
“もし” なんて、あるはずないと思うけど。考えるだけで胸が苦しくなって、シャツの胸元を掴んで俯く。
「まだ起きていたのかい?」
後ろからかかった声にハッとした。
「アルシャ」
振り返る。いつもの優しい微笑みにホッとした。
「何かあったの?」
今の平穏を壊したくなくて、おれは首を振る。
「疲れているなら、早くおやすみ」
「アルシャも」
疲れているのは務めがあったアルシャの方ではなかろうか。アルシャは目を瞬いて、ふっと笑む。
「一緒に寝ようか」
そうして二人、ベッドに沈んだ。
「アルシャ…、突然いなくなったりしないよな?」
「どうしたんだい? 急に」
「……いや、いい。なんでもない」
先ほど浮かんだ思考がまだ心に重く漂っている。おれはアルシャの方に身を寄せて、そんな思考を蹴散らすようにぎゅっと目を閉じた。
「おやすみ、リュエル」
「……」
おやすみ。
そのときのおれは、どうしてかその言葉が言えなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
閉ざされた森の秘宝
はちのす
BL
街外れにある<閉ざされた森>に住むアルベールが拾ったのは、今にも息絶えそうな瘦せこけた子供だった。
保護することになった子供に、残酷な世を生きる手立てを教え込むうちに「師匠」として慕われることになるが、その慕情の形は次第に執着に変わっていく──
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!
黒木 鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる