俺はゲームのモブなはずだが?

レラン

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「ねぇねぇ稜驊いつか君!今度の文化祭なんだけどさ!」

「ああ。朝のホームルームで話してたやつか‥‥何?」

 高校生活は既に三週間ほど経った。
 この時期になると、クラスの中でもグループが出来始め、孤立した奴(つまり俺)が目立ち始める。
 俺が一限の準備をしていると、同じ委員(俺は文化委員だ。基本文化祭と文化コンクール以外は働かない)の女子が話しかけてきた。
 名前は確か神羅かんらだ。
 よく笑う元気っ子な女子で、ショートカットがよく似合っている。
 この学校の文化祭は本格的に暑くなる前に終わらせるらしく、約一ヶ月後には文化祭だ。
 一・二年生はクラスの出し物。三年生はクラスの出し物と学年の出し物があるらしい。
 朝のホームルームでその話をされ、クラスは文化祭の話題で持ちきりだ。

「クラスの出し物って言われてもさ、絶対皆変なのしか出さない気がするんだよね?ほら。特にあの一角とか」

 神羅は教室右奥の一角を小さく指さした。
 そこには、入学二日目にして俺に声をかけてきた女子を含めた、男女合計五人グループがいる。男女比率は2:3だ。
 いわゆる不良グループと言われる分類のグループで、髪は最近になって金髪に染めてきたし、ピアスやメイク。制服の着崩しなどしている。
 恐ろしいのは、この学校ではそれが禁止されていない点だ。
 なので普通に女子は黒寄りの茶髪に染めている奴もいる。

「だから私達で先に候補何個か出しておこうと思うんだ!」

「‥‥いいんじゃないかな?」

 神羅のいうとおり、話し合いをするとなっても、出てくる案はだいたいゲーム定番でいくとメイド喫茶とかそこら辺だろう。
 そうなると多分主人公がいる白蓮びゃくれんのクラスあたりと一緒になりそうだし、俺は絶対に嫌だ。

「ほんと?よかった~」

 急に神羅が一気に気が抜けたように机にうつ伏せになった。

「うぉ‥どうした?体調でも悪いのか?」

 急に来たのにも驚いたが、ここは一応俺の席だ。うつ伏せになられると教書などが出せない。

「うぅ~そうじゃないよ~。稜驊君っていつも無表情で何考えてるかわからないんだもん。これ提案するのもの凄く怖かったんだよ?私が今こうなってるのは稜驊君のせいだ!」

 なんだと?それは俺のせいじゃない。

「‥‥‥悪いのは俺じゃない。動かないこの表情筋だ」

 俺が神羅にそう言うと、真山は一瞬キョトンとして、そして笑いだした。

「あはははは!い、稜驊君何それ!あはははは!ひょ、表情筋のせいって!あはははは!」

「ムッ‥笑うな。俺は至って真面目だ」

 そう言うと、神羅はさらに笑いだした。

「あはははははははは!も、もう無理!やめてよ!あはははははははは!」

 神羅は俺が真っ直ぐ真面目に言ったこともツボに入ったのか、笑いがおさまることも無くずっと笑っている。

「あー‥笑った笑ったー。じゃあね。さっきの件よろしく」

「了解」

 神羅は授業開始四分前に笑うのをやめて、目元の涙を手で拭いながら去っていった。
 俺はやっと静かになった自分の席で、窓を開けて外を見てみた。
 すると、ちょうどそこには白蓮がいて、直ぐにこちらに気づいて手を振ってきた。
 振り返してやると、白蓮はさらに両手で大きく振り返してくる。
 それを見ていると、ないはずの犬の尻尾と耳が見えた気がして少し笑えてくる。
 もうすぐ授業なので、開けていた窓を閉めた。
 すると、白蓮は見るからに寂しそうにしてからクラス男子の輪に入っていった。

「クククッ」
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