異世界に召喚されて、レアスキルもらったのでヤリたい放題したいと思います。

きつねころり

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第2章 【異世界召喚】冒険者

第80話 時間遡行。

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「時間遡行だよ。アオイ君」

「時間……過去に戻りたいんですか?」

 所謂タイムリープというヤツだ。

 というか、そんなスキルが存在するのか?
 
「そう、私が欲しいのは過去に戻れるスキルなんだ。欲を言えばね、記憶を保ったままある日に・・・・帰りたい。ただ、そんなスキル見た事も聞いた事も無いからね。だから、そこは可能性のお話になってくるかな」

 確かに過去に戻ってやり直す事が出来るなら。そんな事はきっと誰しもが一度は考えた事はあるはずだ。

 エリちゃんが何をやり直したいのかは分からないけれども。

「そのスキルを、俺が習得する可能性が」
「そう、無いとは言い切れないだろ?」

 俺が言い終わらない内に、今までとは違い少しだけ真剣な口調で被せて来た。

「まぁ、記憶を持ったまま。これが大前提になるからね。人生を……あの瞬間やり直して、あの時とは違う選択肢を選びたいのさ。だけど、今の私自身が過去に飛んで、そこで過去の私に助言をする。違う選択肢をとらせる。こっちの方が可能性がありそうだなって話」

「でもそれって……。仮にですよ?仮に、過去のエリちゃんの行動を変えられたとするとします」

 俺が時間遡行について話そうとしている事に興味を持ったのか、エリちゃんは少し前の目めりになり、目を細めながら俺を見つめている。

 その視線で、続きを話せ。そう言っている様だった。

「過去のエリちゃんが違う選択肢を選んでしまったら……きっと今、俺の目の前に居るエリちゃんは居なくなってしまうと思うんです」

 バタフライエフェクトってやつだ。

 小さな変化だったとしても、それが後に大きな変化をもたらしてしまう。

 例えば、投資で成功してお金持ちの人が居るとする。

 その人は過去に自分の財布を落とした。運良く拾ってくれた人が居て、どうせならと考えて財布の中身を全て投資した。結果、その時の成功が元で現在お金持ちになっている。
 
 仮に過去に飛んだ俺が、その財布を拾い、その人に届けなかったとする。

 すると、きっとその人は投資をしていないだろうし、現在の成功者にはなっていないだろう。

 と言っても、あくまで可能性の話だけど。
 

「エリちゃんに何があったのかは分からないです。でも、今俺の目の前に居るエリちゃんは、その変えたい過去を経験したエリちゃんです。その過去があったから、今、俺の前にエリちゃんが居るんです」

 あれ、俺何が言いたいんだろう。

「ふむ……。アオイ君の言いたい事は、何となくだけど分かったよ」

 エリちゃんは分かってくれたみたいだ。

 そうなんだよ。過去を変えられるからって、それが最善では無いって事なんだ。もしかしたら、もっと望まない結果になってしまう事だって十分に考えられる」

「過去を変えてしまうと、アオイ君の前に私は現れない可能もあるって事だね?」

「そうですね」

「つまりアオイ君は――。私の事が好きって事で良いのかな?」

 全然分かって無かったみたいです!!
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