上 下
88 / 101
第2章 【異世界召喚】冒険者

第88話 出来る事は全て。

しおりを挟む
「エリちゃん……ごめん、折角協力してもらったのに……サリー……ごめんよ……」

 俺は自分の無力さを味わっていた。

 奇跡の力を使えば。そう思っていた。

「アオイ君がどうやって生命の葉・・・・を創り出したかは別として、もう出来る事は本当に無いかい?もしないのなら、私がこのメイドを城まで連れて行ってあげるけど」

 そう……だな。こんな所に置いて行けないよな。

 MP4000も使って駄目だったんだ。

 ん……?


 MP?


 俺は大事な事を忘れていた。

 いや、そもそも無意識に考えない様にしていたんだ。

 そうだよ。だって、死んでしまった人相手に、セックス奇跡を使える訳無いんだって!勝手にそう思ってた。

 出来る出来ないじゃない。やるかやらないか。

 今は出来る事は全て試そう!じゃないと!絶対に後で後悔する!

「エリちゃん。最後に試したい事があるんだ」

「んー?何だい、改まって」

 不思議そうな顔で俺を見つめるエリちゃん。

 そんな顔されたら「今からサリーを犯します」なんて言いづらい。けど!

「その、なんていうか……。最低だなって思ってもらっても良いんですけど。先に言っておきます」

 俺は意を決して――。

「この子を、サリーとセックスします」

「ふーん――…………はぁ?」

 いや、そうですよね。その反応が正しいです。はい。

「いや、言い訳じゃないんですが。別にそう言う趣味がある訳では無いです。でも、ほんの一欠けらでも可能性があるなら、俺はそれに掛けたいんです」

 俺は真剣にエリちゃんに告げた。

 エリちゃんは暫く考えてから、

「まぁ、君にそう言う趣味があっても……私は別に良いんだけどね?そうかい……。それじゃあ、それに関しては私もお手伝いするよ」

「え、エリちゃんも一緒に?」

「違うよー。流石にその発想は無かったよ。段々と君って言う人が分かってきた気がするよ」

 エリちゃんは笑ってそう言うが、何だろう、少しだけ評価が下がった気がしなくも無い。

「こんな野外で、星空の下でさぞ雰囲気があって良いのかも知れないけど、そう言うのはお互いの同意があっての物だろう?だからね!こういうことだよ、クリエイト・・・・・!」

 エリちゃんは両手をまるで指揮者の様に軽やかに動かし、魔法を構築していく。

 すると、地面から岩?岩盤?土の塊?が飛び出て来て、まるでピラミッドの様な三角錐で俺達を閉じ込める様に覆った。

「そんでもって、クリエイトスライム!からのライトアロー!」

 クリエイトスライムで何やらグニグニと操作して、半透明な簡易的なエアーベッドが出来上がった。その簡易ベッドの中に光る矢ライトアローが2本見える。

 そのお陰で、このピラミッド……いや、即席テントと呼ぶべきか。の中は、程よい明かりで満たされている。

「さぁ、その上にお嬢さんを寝かせてあげなよ」

 エリちゃんの指示通り、サリーを抱きかかえベッドの上に寝かせる。

 不思議と柔らかすぎもせず、丁度良い固さだ。

「あ、有難うエリちゃん」

 俺はそう言うと、早速ベッドの上に乗る。

 普通に考えて正気の沙汰では無いと思う。だけど……。

「サリー。起きたら、俺の事、好きなだけ引っ叩いていいから。だから、今はゴメン」

 そう言いながらサリーのメイド服に手を掛けた。


 

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界で新生活〜スローライフ?は精霊と本当は優しいエルフと共に〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:19,859pt お気に入り:748

落ちこぼれ治癒聖女は幼なじみの騎士団長に秘湯で溺愛される

恋愛 / 完結 24h.ポイント:901pt お気に入り:616

若妻はえっちに好奇心

恋愛 / 完結 24h.ポイント:695pt お気に入り:272

孤独なまま異世界転生したら過保護な兄ができた話

BL / 連載中 24h.ポイント:61,364pt お気に入り:3,681

処理中です...