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捨てられる女
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お願いだからどこにも行かないで。
そう言って貴方に縋り着いたのは、もう一時間近くも前。
今は、冷たい部屋に私一人。
『好きな人…いや、護りたい人ができたんだ』
自分にとって、何より大切で尊いものを見つめる瞳を、貴方はしていた。
私には、向けられたことのないもの。
永遠の去り際に、恋人が私じゃない誰かに向けるもの。
いつも好きになった人は、私を壊れものみたいに扱ってくれる。
それに応えようと、私もわがままなんか言わないで精一杯に尽くす。
けれど最後は『好きな人ができた』と、離れていく。
どうして…?
言われたとおりにしてる、笑顔だって忘れてない。
お世話を焼いて、好きなようにさせてる。
それなのに、どうして遠くに行くんだろう。
薬指から外した指輪は、これで何個目?
「私のどこが、間違いだというの…」
いつになれば幸せになれるんだろう。
成人をとっくに過ぎた私の、残り少ない女としての価値。
これからもだんだんすり減っていく、価値。
それを一体どう使えば、悲しみの涙を流さずに済むんだろう。
わからない、わからないよ。
『いい女』ってなんですか。
どうしたら愛されるんですか。
私は、どうすればいいですか…
そう言って貴方に縋り着いたのは、もう一時間近くも前。
今は、冷たい部屋に私一人。
『好きな人…いや、護りたい人ができたんだ』
自分にとって、何より大切で尊いものを見つめる瞳を、貴方はしていた。
私には、向けられたことのないもの。
永遠の去り際に、恋人が私じゃない誰かに向けるもの。
いつも好きになった人は、私を壊れものみたいに扱ってくれる。
それに応えようと、私もわがままなんか言わないで精一杯に尽くす。
けれど最後は『好きな人ができた』と、離れていく。
どうして…?
言われたとおりにしてる、笑顔だって忘れてない。
お世話を焼いて、好きなようにさせてる。
それなのに、どうして遠くに行くんだろう。
薬指から外した指輪は、これで何個目?
「私のどこが、間違いだというの…」
いつになれば幸せになれるんだろう。
成人をとっくに過ぎた私の、残り少ない女としての価値。
これからもだんだんすり減っていく、価値。
それを一体どう使えば、悲しみの涙を流さずに済むんだろう。
わからない、わからないよ。
『いい女』ってなんですか。
どうしたら愛されるんですか。
私は、どうすればいいですか…
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