恋愛物語り。

闇猫古蝶

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夜の恋の終わらせ方

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どうして、信じてしまったんだろう。

『待っていて。必ず、君と結婚できるようにする』

優しい笑顔に隠れた嘘に、私は一切気づくことはなくて。

バカな娘だったんだ、私は。

「子供…ねぇ」

自分のお腹をさすってみても、あの人との愛の結晶は宿っていない。

宿っているのは…あの人の奥さんの中。

あの人の夜のほんのちょっとの時間、私がもらえる時間は、たったそれだけ。

「××ちゃん。指名入ったから」

「はーい」

黒服に呼ばれた私は、甘ったるい声で返事をして、指名先の席に座る。

私が身につけた、女としての武器。

「あ~、××のためにきてくれたのっ?うれし~~」

腕を絡めて、露出の多いドレスから覗く胸を押し付けて、今日もバカな女を演じる。

「××、○○○くんとお酒呑みたいな~?」

「仕方ないなぁ」

「わ~い!」

毎日毎日毎日毎日。

同じことを繰り返す。

あの人がいてもいなくても、それは変わらない。

ここにいる間、私は私でなく、『××』という女になる。

仕方ない、仕方ないんだ。

私は忘れてただけ。

『××』は商品としての『女』で、それ以上にも以下にもなれない。

抱いてしまった恋が、本気であればあるほど…バカをみるのは私たち。

溺れた私がいけないんだ。

仕事を忘れて、ただの女になることを望んだ私が…悪い。

「なんか元気ない?」

「ぜぇんぜん!そんなことより、はやくのもっ!」

今日から私はまた、商品になる。

それしか私にはできないから。

私より大切なものを見つけてしまったあの人にできるのは…この恋をなかったことにする、それだけだから。
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