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再会
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ザザッと聞こえてきたのは、何かの始まりを告げるような波音。
港でそれに耳を傾けてボーッとする。
何をするでもなく、ただ聞いているだけ。
僕は、この時間が一番好きだ。
いつものように沈みゆく夕日と赤い海を眺めていると、ベタついた潮風が、僕の被っていたキャップ帽を攫っていった。
「あっ」
声を上げ、ひらりと舞う帽子に視線をやる。
あとほんの僅かで、帽子は手の届かないところに落ちる。落ちてしまう。
ふと、いつかの記憶が脳裏を過ぎった。
あれは…たしか、真夏の暑い日だった。
目の前の帽子みたいに、落ちていく僕。その僕の手を掴んで引き戻してくれたのは、そう…温かくて優しい掌。
「っと、あぶねぇな」
リアルに声が聞こえるなんて、それほど僕にとって忘れられないものだったんだ。
ん?でも、それにしては声が…?
「蒼汰?」
「え?」
顔をあげた先には、僕の帽子を手にした──
「克己にぃ?」
懐かしい、幼馴染の姿があった。
「おう!久しぶり、蒼汰!」
港でそれに耳を傾けてボーッとする。
何をするでもなく、ただ聞いているだけ。
僕は、この時間が一番好きだ。
いつものように沈みゆく夕日と赤い海を眺めていると、ベタついた潮風が、僕の被っていたキャップ帽を攫っていった。
「あっ」
声を上げ、ひらりと舞う帽子に視線をやる。
あとほんの僅かで、帽子は手の届かないところに落ちる。落ちてしまう。
ふと、いつかの記憶が脳裏を過ぎった。
あれは…たしか、真夏の暑い日だった。
目の前の帽子みたいに、落ちていく僕。その僕の手を掴んで引き戻してくれたのは、そう…温かくて優しい掌。
「っと、あぶねぇな」
リアルに声が聞こえるなんて、それほど僕にとって忘れられないものだったんだ。
ん?でも、それにしては声が…?
「蒼汰?」
「え?」
顔をあげた先には、僕の帽子を手にした──
「克己にぃ?」
懐かしい、幼馴染の姿があった。
「おう!久しぶり、蒼汰!」
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