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出会い
脱出の朝、私は絶対に生き残る
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脱出の日の明朝、狼達が酒に潰れて寝ている隙を見て銀色の髪の少年と共に草原にある武器が置かれた小屋へと向かった。
「ここに置けば大丈夫かな?」
手持ちの刃ノ葉を大量に置かれた刃ノ葉の中に置き、太腿に付けたホルダーケースや身に着けていた手甲を外し棚に置かれていた同じ物の横に置いた。
「武器を置いて行って大丈夫なのか?」
「大丈夫。寧ろ、ない方がこれから逃げ出す先で怪しまれずに済むから何も無いに越したことはないよ」
武器一つでも所持していたら逆に捕まる恐れがあるからね
「だったら、尚更見つからない様にしないと命はないぞ」
「そうならない様に気をつけるよ」
少しのミスも許されない。言わば、命懸けの脱出だから気を引き締めていかないと…
キー…
小屋から出ると酒で潰れた男達が四人ほど地面の上で寝ていた。
どうか、起きませんように…
寝ている男達を注意深く見ながら静かにその場から去り草木に気をつけながら二人で山を走り抜け下山したのだった。
❋
山から遠ざかり街の中に入ると人の姿はなく中身の無い出店が複数立ち並び至る所に作られた華や紙切れ等が散らばっていた。
久しぶりに来た…
三年ぶりに来た街の中にどこか懐かしさと同じくらい悲しい気持ちになった。
最後にここを歩いた時は次郎を亡くしたばかりで憔悴した駒の手を繋いで歩いたんだよね…
「どうしたんだ?」
「何でもない…早く行こう」
銀色の髪の少年の声に首を横に振り再び歩き出した。
「…待って!」
「っ…!?」
「なっ…!?」
突然、背後から掛けられた聞き覚えの声に歩く足が止まり二人揃って恐る恐る振り返る。
「あなた達を見逃す訳にはいかない」
「椿さん…」
長い黒髪を一括りに束ね椿の花の様な真っ赤な瞳をした椿を前に顔が強ばる。
「いつから気づいていた?」
「予感がしたのは昨日の夜。寝ないで見張っていたら案の定、朝から動き出したあなた達を見かけたから後をつけていたの」
「っ…筒抜けだったって訳か」
銀色の髪の少年は眉間に皺を寄せて唇を噛むと、椿は首を横に振った。
「いいえ、この事を知っているのは私だけ。今頃は、狼を含めた他の仲間達は何も知らずに寝ている筈よ」
「じゃあ、私達の事は見逃して下さい!」
「いいえ、それは出来ない。言ったでしょ?あなた達を見逃す訳にはいかないって‥」
「っ…!?」
その瞬間、風を切る様に刃ノ葉を手に向かって来た椿に武器を持たない体は反射的に顔の前に両腕を出し受け身の体勢になった。
‥キンッ!
「…はぁ…はぁ…だから、置いて行って大丈夫なのか?って言っただろ」
「っ…」
閉じた瞼を恐る恐る開け腕を外すと、目の前で椿の刃ノ葉を自身の刃ノ葉で止める銀色の髪の少年の姿があった。
「流石ね。でも、私を甘く見ない事ね」
「っ…!?」
空いている手で太腿から刃ノ葉を取り出した椿に少年はすかさず身を引き離れると、その隙を狙っていたかのように腹を目掛けて椿が足蹴りをする。
「くっ…!?」
ドサッ…
蹴られた腹を押さえながら眉間に皺を寄せ地面に倒れ込む少年を一瞥すると直ぐに、こちらに向き直り椿の花の様な真っ赤な瞳と目が合った。
「っ…」
来る…っ!
目が合うのと同時に両手に刃ノ葉を持った椿が一瞬にして消え気づいた時には目の前に迫っていた。
斬られる…っ!
迫る刃ノ葉に思わず瞼を閉じ身を強張らせる。
‥ビリッ…
…あれ?生きてる?
恐る恐る瞼を開けると自身の袖の切れ端を手に笑みを浮かべる椿の姿があった。
「これ、貰うわね」
「え…?」
「どういう事だ?俺達を始末しに来たんじゃないのか?」
銀色の髪の少年が眉間に皺を寄せて睨みつけながら立ち上がると疑問の声を投げかけた。
「私はあなた達を始末しに来た。あなた達の服の切れ端を証拠にね」
「どういう意味ですか?」
言っている意味が分からず首を傾げると、椿は優しい笑を浮かべながら話を続けた。
「私はあなたの服の切れ端を始末した証拠として狼に渡す。それを見た狼はあなた達は死んだと思ってそこで終わり。だけど、初めの十日間は疑ってかかると思うから外には出ない方がいいわ。その間に私が狼に何かしら話を持ちかけて他国に行く様に促すから」
「それって…助けてくれるって事ですか?」
「信用出来るか!戻ったら、お前は必ず俺達の事を狼に話すに決まってる!」
椿の前に駆け寄り睨みつける銀色の髪の少年に、椿は困った様に笑った。
「信じられないのは分かるけど、これだけは信じて?前にも言ったけど、私はあなたの事も好きになった。それは、これからも変わらない」
「椿さん…」
信じてもいいのかな…?
「騙されるなっ!こいつは狼の‥っ!?」
ギュッ!
「私は信じるよ…椿さんのこと」
少年の手を握って向き合うと、椿は小さく笑を零した。
「ありがとう。それでだけど、あなたの服の切れ端も貰った方がいいわよね?」
椿は手を差し出し笑うと、銀色の髪の少年は怪訝な顔で首を横に振った。
「必要ない。俺は、逃げ出す手伝いをしてるだけで逃げ出すつもりはない」
「先の事なんて分からないでしょ?もしかしたら、この先あなたがこの子と一緒に逃げ出す決断をするかもしれない。それなら、一先ず私に切れ端を渡すのも手じゃない?」
「っ…‥分かった」
少年は少しの間の後に渋々頷くと、自身の袖を刃ノ葉で切りそれを椿に渡した。
「じゃあ、頑張って逃げてね」
椿は二人の服の切れ端を手に背を向けて歩き出した。
「椿さん…っ!」
大丈夫だよね?また会えるよね…?
何度も見たような誰かが立ち去って行く後ろ姿に途端に不安に襲われた。
「今まで、ありがとう…ごめんね」
「っ…」
その瞬間、ある記憶が脳裏を過ぎった。
『椿…っ!』
それは、前世の私の名前を呼ぶ父の声。
『…今日の〇時頃、〇〇ビルで飛び降り自殺だと思われる女性の遺体が…‥』
テレビから流れる声を前に呆然としたまま座る前世の私がいた。
『嘘…何で…‥』
瞳から涙が零れ落ちながら携帯を強く握り締めた。その携帯の画面には誰かからメッセージが送られておりそこに書かれていたのは…
『…今まで、ありがとう…ごめんね』
っ…!?
その文字を思い出した瞬間、悲しみが押し寄せ胸が苦しくなった。
私はこの記憶を知っている。ううん、忘れていたっていう方が正しいかも…凄く大切な人だった。でも、その人は誰なのか?それを、思い出そうとすると頭が痛くなって上手く思い出せない…っ!
「行くぞ」
グイッ!
「っ…!?」
不意に、銀色の髪の少年に手を引っ張られ我に返る。
何で思い出せないんだろう…?
風で靡く銀色の髪を見ながら腑に落ちない感情のまま走り出した。
❋
「ところで、何処に逃げるつもりなんだ?」
街の中を走りながらふとした疑問を投げかける銀色の髪の少年に、私は視界に入っている大きな建物を指差した。
「あの場所」
「は?」
私が指を差した建物はこの世界の中央に位置する王衆という名の国にある中心の城。最強の鬼達である鬼衆王が住む城。その名は…桜鬼城。
「あれ?言ってなかったけ?」
「聞いてない!正気なのか!?そこは、普通の人間が簡単に入れる様な場所じゃないんだぞ!」
「うん、知ってる」
「はぁ…前もって聞かなかった俺が馬鹿だった」
「ここに置けば大丈夫かな?」
手持ちの刃ノ葉を大量に置かれた刃ノ葉の中に置き、太腿に付けたホルダーケースや身に着けていた手甲を外し棚に置かれていた同じ物の横に置いた。
「武器を置いて行って大丈夫なのか?」
「大丈夫。寧ろ、ない方がこれから逃げ出す先で怪しまれずに済むから何も無いに越したことはないよ」
武器一つでも所持していたら逆に捕まる恐れがあるからね
「だったら、尚更見つからない様にしないと命はないぞ」
「そうならない様に気をつけるよ」
少しのミスも許されない。言わば、命懸けの脱出だから気を引き締めていかないと…
キー…
小屋から出ると酒で潰れた男達が四人ほど地面の上で寝ていた。
どうか、起きませんように…
寝ている男達を注意深く見ながら静かにその場から去り草木に気をつけながら二人で山を走り抜け下山したのだった。
❋
山から遠ざかり街の中に入ると人の姿はなく中身の無い出店が複数立ち並び至る所に作られた華や紙切れ等が散らばっていた。
久しぶりに来た…
三年ぶりに来た街の中にどこか懐かしさと同じくらい悲しい気持ちになった。
最後にここを歩いた時は次郎を亡くしたばかりで憔悴した駒の手を繋いで歩いたんだよね…
「どうしたんだ?」
「何でもない…早く行こう」
銀色の髪の少年の声に首を横に振り再び歩き出した。
「…待って!」
「っ…!?」
「なっ…!?」
突然、背後から掛けられた聞き覚えの声に歩く足が止まり二人揃って恐る恐る振り返る。
「あなた達を見逃す訳にはいかない」
「椿さん…」
長い黒髪を一括りに束ね椿の花の様な真っ赤な瞳をした椿を前に顔が強ばる。
「いつから気づいていた?」
「予感がしたのは昨日の夜。寝ないで見張っていたら案の定、朝から動き出したあなた達を見かけたから後をつけていたの」
「っ…筒抜けだったって訳か」
銀色の髪の少年は眉間に皺を寄せて唇を噛むと、椿は首を横に振った。
「いいえ、この事を知っているのは私だけ。今頃は、狼を含めた他の仲間達は何も知らずに寝ている筈よ」
「じゃあ、私達の事は見逃して下さい!」
「いいえ、それは出来ない。言ったでしょ?あなた達を見逃す訳にはいかないって‥」
「っ…!?」
その瞬間、風を切る様に刃ノ葉を手に向かって来た椿に武器を持たない体は反射的に顔の前に両腕を出し受け身の体勢になった。
‥キンッ!
「…はぁ…はぁ…だから、置いて行って大丈夫なのか?って言っただろ」
「っ…」
閉じた瞼を恐る恐る開け腕を外すと、目の前で椿の刃ノ葉を自身の刃ノ葉で止める銀色の髪の少年の姿があった。
「流石ね。でも、私を甘く見ない事ね」
「っ…!?」
空いている手で太腿から刃ノ葉を取り出した椿に少年はすかさず身を引き離れると、その隙を狙っていたかのように腹を目掛けて椿が足蹴りをする。
「くっ…!?」
ドサッ…
蹴られた腹を押さえながら眉間に皺を寄せ地面に倒れ込む少年を一瞥すると直ぐに、こちらに向き直り椿の花の様な真っ赤な瞳と目が合った。
「っ…」
来る…っ!
目が合うのと同時に両手に刃ノ葉を持った椿が一瞬にして消え気づいた時には目の前に迫っていた。
斬られる…っ!
迫る刃ノ葉に思わず瞼を閉じ身を強張らせる。
‥ビリッ…
…あれ?生きてる?
恐る恐る瞼を開けると自身の袖の切れ端を手に笑みを浮かべる椿の姿があった。
「これ、貰うわね」
「え…?」
「どういう事だ?俺達を始末しに来たんじゃないのか?」
銀色の髪の少年が眉間に皺を寄せて睨みつけながら立ち上がると疑問の声を投げかけた。
「私はあなた達を始末しに来た。あなた達の服の切れ端を証拠にね」
「どういう意味ですか?」
言っている意味が分からず首を傾げると、椿は優しい笑を浮かべながら話を続けた。
「私はあなたの服の切れ端を始末した証拠として狼に渡す。それを見た狼はあなた達は死んだと思ってそこで終わり。だけど、初めの十日間は疑ってかかると思うから外には出ない方がいいわ。その間に私が狼に何かしら話を持ちかけて他国に行く様に促すから」
「それって…助けてくれるって事ですか?」
「信用出来るか!戻ったら、お前は必ず俺達の事を狼に話すに決まってる!」
椿の前に駆け寄り睨みつける銀色の髪の少年に、椿は困った様に笑った。
「信じられないのは分かるけど、これだけは信じて?前にも言ったけど、私はあなたの事も好きになった。それは、これからも変わらない」
「椿さん…」
信じてもいいのかな…?
「騙されるなっ!こいつは狼の‥っ!?」
ギュッ!
「私は信じるよ…椿さんのこと」
少年の手を握って向き合うと、椿は小さく笑を零した。
「ありがとう。それでだけど、あなたの服の切れ端も貰った方がいいわよね?」
椿は手を差し出し笑うと、銀色の髪の少年は怪訝な顔で首を横に振った。
「必要ない。俺は、逃げ出す手伝いをしてるだけで逃げ出すつもりはない」
「先の事なんて分からないでしょ?もしかしたら、この先あなたがこの子と一緒に逃げ出す決断をするかもしれない。それなら、一先ず私に切れ端を渡すのも手じゃない?」
「っ…‥分かった」
少年は少しの間の後に渋々頷くと、自身の袖を刃ノ葉で切りそれを椿に渡した。
「じゃあ、頑張って逃げてね」
椿は二人の服の切れ端を手に背を向けて歩き出した。
「椿さん…っ!」
大丈夫だよね?また会えるよね…?
何度も見たような誰かが立ち去って行く後ろ姿に途端に不安に襲われた。
「今まで、ありがとう…ごめんね」
「っ…」
その瞬間、ある記憶が脳裏を過ぎった。
『椿…っ!』
それは、前世の私の名前を呼ぶ父の声。
『…今日の〇時頃、〇〇ビルで飛び降り自殺だと思われる女性の遺体が…‥』
テレビから流れる声を前に呆然としたまま座る前世の私がいた。
『嘘…何で…‥』
瞳から涙が零れ落ちながら携帯を強く握り締めた。その携帯の画面には誰かからメッセージが送られておりそこに書かれていたのは…
『…今まで、ありがとう…ごめんね』
っ…!?
その文字を思い出した瞬間、悲しみが押し寄せ胸が苦しくなった。
私はこの記憶を知っている。ううん、忘れていたっていう方が正しいかも…凄く大切な人だった。でも、その人は誰なのか?それを、思い出そうとすると頭が痛くなって上手く思い出せない…っ!
「行くぞ」
グイッ!
「っ…!?」
不意に、銀色の髪の少年に手を引っ張られ我に返る。
何で思い出せないんだろう…?
風で靡く銀色の髪を見ながら腑に落ちない感情のまま走り出した。
❋
「ところで、何処に逃げるつもりなんだ?」
街の中を走りながらふとした疑問を投げかける銀色の髪の少年に、私は視界に入っている大きな建物を指差した。
「あの場所」
「は?」
私が指を差した建物はこの世界の中央に位置する王衆という名の国にある中心の城。最強の鬼達である鬼衆王が住む城。その名は…桜鬼城。
「あれ?言ってなかったけ?」
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