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ミモザの花が散る時 前半
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凛視点
〈俺は会いたい〉
持っていたスマホがカツーンと地面に落ちる。
「・・凛?どうしたの?」
「っふ。うっ・・。」
期末試験が終わった大学構内でぼたぼた涙をこぼす私。
こんなとこで泣いちゃダメだって分かってるけどっ!
ひなのちゃんが心配そうにこちらを覗き込む。
きっと私の顔は般若な顔。
勝手すぎる瑛太さんに怒りが込み上げるのに・・。
会いたいと言われトクンと胸が高鳴ってしまった自分が痛すぎる。
分かってる。
瑛太さんにとってはいつまでも私は妹みたいなんだって。
瑛太さんに彼女がいたって、こんなメール送れちゃうんだって。
ひどい。
ひどすぎる。
乙女の恋心はズタズタだよ。
あんなに綺麗な大人な恋人がいるのに・・。
「おっ・・。」
「お?」ひなのちゃんは心配げに聞く。
「大人なんて大っ嫌い!!」
うわーんと泣く私はきっと何事かと思われるけど、もういいっ!
だって、止まらないんだもん。
ぼたぼたと涙が。
駅で瑛太さんと大人な彼女を見てから1週間。
電車に乗る時間も変えて、叶わない想いを断ち切ろうと、どうにか思い出にしなくちゃと・・苦しくて仕方なかったのに。
どうして?
どうして会いたいなんて言えるの?
「俺さ、先週ひなのちゃんが連絡するかもって言ったからずっと待ってたわけ。1週間も待たせるってどんだけ焦らすんだよ!」
ひなのちゃんと泣きながらぐすぐすと入ったカフェバーになんかキレてる瞬もやって来た。
・・全然お呼びじゃないんですけど。
「・・じゃあ帰れば?」
ひなのちゃんは冷たく言い放った。
「っ!もうなんなのお前っ!」
となんだか顔を赤らめた瞬。
こんなM男なんてどうだっていいんだ。
・・コイツがMなら瑛太さんはきっとSだ。
「はぁ・・。世の中素敵男子はいないのか・・。」
ついポツリと呟いてしまう。
「お前・・。あのリーマンはどうしたんだよ?どう見ても出来上がってそうだったのに。」
M男は案外優しく聞いてきた。
「っだからぁ、出来上がってないんだってえっ!」
グスグス泣く私。
「酔ってる?」と瞬
「うん?さっきカシスオレンジ飲んだんだよ。」とひなのちゃん
「えっ!?ん?それってただのジュースの?」
「うん。きっと精神的に酔いたいんじゃないかな。」
二人がコソコソ話しているのがなんだか気に入らない。
「今日は、私の失恋話を聞いてもらってもらってたのに、なんで瞬が来るんだよっ!」
半個室になった向かい合わせの席に対面して座る私とひなのちゃんの席に瞬は何故だか私の隣に座った。
「慰めにきたに決まってんだろ?」
こちらを小馬鹿にしたように笑う瞬。
「慰めるんじゃなくて小馬鹿にしに来たんだ!ひなのちゃんなんでこんなM男呼ぶんだよぉ!」
「まあ、まあ。」にっこり笑うひなのちゃんと
「俺はM男じゃねえっ!!」とキレる瞬。
でも意外にM男はいい奴で、ひなのちゃんは優しくて、夕方過ぎたカフェバーは適度にざわざわしていて、薄暗い照明の中、私は今まで誰にも言えなかった事をポロポロと話し出した。
「私、きっと一目惚れだったの。だから、偶然家庭教師になってくれることになって、すごく嬉しくて。話せば話すほど、優しくて・・。」
「それなのに、自分の事は後回しで。辛くても頑張っちゃうの。」
「・・好きだった。っ・・ほんとに。」
吐き出すように気持ちを言葉にすると、息が苦しいくらい泣けてきた。
「そんなに好きなら、なんで言わねえんだよ。」
瞬が馬鹿だなと私の頭を撫でた。
案外優しいその手に余計に涙が溢れた。
そう、この時、私はきっと自分の事しか考えてなかった。
〈俺は会いたい〉
持っていたスマホがカツーンと地面に落ちる。
「・・凛?どうしたの?」
「っふ。うっ・・。」
期末試験が終わった大学構内でぼたぼた涙をこぼす私。
こんなとこで泣いちゃダメだって分かってるけどっ!
ひなのちゃんが心配そうにこちらを覗き込む。
きっと私の顔は般若な顔。
勝手すぎる瑛太さんに怒りが込み上げるのに・・。
会いたいと言われトクンと胸が高鳴ってしまった自分が痛すぎる。
分かってる。
瑛太さんにとってはいつまでも私は妹みたいなんだって。
瑛太さんに彼女がいたって、こんなメール送れちゃうんだって。
ひどい。
ひどすぎる。
乙女の恋心はズタズタだよ。
あんなに綺麗な大人な恋人がいるのに・・。
「おっ・・。」
「お?」ひなのちゃんは心配げに聞く。
「大人なんて大っ嫌い!!」
うわーんと泣く私はきっと何事かと思われるけど、もういいっ!
だって、止まらないんだもん。
ぼたぼたと涙が。
駅で瑛太さんと大人な彼女を見てから1週間。
電車に乗る時間も変えて、叶わない想いを断ち切ろうと、どうにか思い出にしなくちゃと・・苦しくて仕方なかったのに。
どうして?
どうして会いたいなんて言えるの?
「俺さ、先週ひなのちゃんが連絡するかもって言ったからずっと待ってたわけ。1週間も待たせるってどんだけ焦らすんだよ!」
ひなのちゃんと泣きながらぐすぐすと入ったカフェバーになんかキレてる瞬もやって来た。
・・全然お呼びじゃないんですけど。
「・・じゃあ帰れば?」
ひなのちゃんは冷たく言い放った。
「っ!もうなんなのお前っ!」
となんだか顔を赤らめた瞬。
こんなM男なんてどうだっていいんだ。
・・コイツがMなら瑛太さんはきっとSだ。
「はぁ・・。世の中素敵男子はいないのか・・。」
ついポツリと呟いてしまう。
「お前・・。あのリーマンはどうしたんだよ?どう見ても出来上がってそうだったのに。」
M男は案外優しく聞いてきた。
「っだからぁ、出来上がってないんだってえっ!」
グスグス泣く私。
「酔ってる?」と瞬
「うん?さっきカシスオレンジ飲んだんだよ。」とひなのちゃん
「えっ!?ん?それってただのジュースの?」
「うん。きっと精神的に酔いたいんじゃないかな。」
二人がコソコソ話しているのがなんだか気に入らない。
「今日は、私の失恋話を聞いてもらってもらってたのに、なんで瞬が来るんだよっ!」
半個室になった向かい合わせの席に対面して座る私とひなのちゃんの席に瞬は何故だか私の隣に座った。
「慰めにきたに決まってんだろ?」
こちらを小馬鹿にしたように笑う瞬。
「慰めるんじゃなくて小馬鹿にしに来たんだ!ひなのちゃんなんでこんなM男呼ぶんだよぉ!」
「まあ、まあ。」にっこり笑うひなのちゃんと
「俺はM男じゃねえっ!!」とキレる瞬。
でも意外にM男はいい奴で、ひなのちゃんは優しくて、夕方過ぎたカフェバーは適度にざわざわしていて、薄暗い照明の中、私は今まで誰にも言えなかった事をポロポロと話し出した。
「私、きっと一目惚れだったの。だから、偶然家庭教師になってくれることになって、すごく嬉しくて。話せば話すほど、優しくて・・。」
「それなのに、自分の事は後回しで。辛くても頑張っちゃうの。」
「・・好きだった。っ・・ほんとに。」
吐き出すように気持ちを言葉にすると、息が苦しいくらい泣けてきた。
「そんなに好きなら、なんで言わねえんだよ。」
瞬が馬鹿だなと私の頭を撫でた。
案外優しいその手に余計に涙が溢れた。
そう、この時、私はきっと自分の事しか考えてなかった。
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