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46話 退院祝い その2 ●
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僕は口の中に唾液をためて、注射器で吸い取った。
少し気泡が入るけれど、血管に注射するわけじゃないから大丈夫。
逃げようと横向きになりかける令一を、僕は強引に抱き寄せて再び仰向けにした。
ちゅ、と一度、唇にキスをする。
唾液の発情効果は、相手の精神の根幹までは浸透しない。令一は令一であることを保ったままだ。
その状態で性欲と感度だけが上がるのだから、本当にこの唾液、万能だ。
「動くと危ないよ。じっとして」
「ほんとに、やめろって、こわい……!」
僕は、令一が身をよじっても動かせないくらい、左手でがっしり令一を固定した。
再び勃ちきった令一の股間、液が漏れ出る先端に、気をつけながら注射針を差し込む。
「ひっ……!」
「ね、痛くないでしょ」
令一をあやしながら、2cmくらいまで針を入れた。
そこで、僕はシリンジの中身を、少しずつ慎重に流し込んだ。
「……!! ァ、……うァ、ふあぁっ」
驚愕の声が、あっという間に甘い喘ぎに変わる。
びく、びく、と全身で反応し始めた令一を離さず、僕は遊び程度の量にとどまる分だけ唾液を注入した。
細心の注意を払って針を抜く。穴から、吸収しきれなかった唾液がとろりと漏れた。
令一を開放し、顔を見る。令一は、まるでビーズクッションみたいにくたくたに力が抜けていた。
半分閉じられた目から快楽の涙が伝い、再び、びくっと体を揺らす。
「うァ、……あぁ、……! あ、は、ハァッ、ア、!!
あーっ……、……!!」
触れてもいないのに嬌声を上げ、令一が力なくしがみついてきた。
令一の断続的な震えは収まらず、それどころか、どんどん声の甘みが強くなる。
「もしかして、令一。
ずっと甘イキしてる?」
「わかん、な、……ひぅっ!!
あつい、あついっ、はっ……、ン!!
おくから、あついの、くる、とまらな……アァっ!!」
軽いドライが連続しているようで、令一の顔は涙とよだれで濡れていた。
僕は丁寧にそれらを舐め、腕の中で精を吐かずに達し続ける令一を煽った。
そのうちドライは止み、がくがくがく、と小さな震えとともに、令一が腰をすりつけてきた。
懇願する瞳。僕を掴む手が爪をたてようとしていたが、力が抜けて痕もつかない。
僕も、これ以上見てるだけなんて、無理かな。
股間がはちきれそうに痛い。
「挿入れるよ」
「ん、うん、うんっ」
まるで子供のように頷く令一の額にキスを落として、僕は令一の中に再び押し入れた。
入口はやわらかく、中は痙攣しながら僕を呼び込んでいる。奥の襞が僕に絡みつく。
「ああアアッ、つ、ーーーー……!!」
まだ挿入したばかりなのに、令一は叫びながら精を吹いた。
余韻に小さく鳴き続ける令一を、優しく撫でる。令一の表情はふわふわしていて、冷める様子はない。
「もう。せっかく入れた唾液、出ちゃうでしょ」
「あ……、ごめ……、」
わけもわからず謝る令一は、まだ僕の唾液に酔っているらしい。
内部から浸透した唾液成分は、普段ではありえないほど令一をくるわせている。
僕は令一に覆いかぶさって、互いの肌を合わせてから動きを再開した。
令一の心臓の音が、肌越しに伝わる。どくどくどく、と速いビート。
あれ、これ、僕の鼓動かもしれない。混ざりあってわからないや。
「きりゅ、……きりゅう、アぁ、う、ンンッ!!
きもちい、きもちいぃ……きも、ち、ああぁッ……!
きりゅう、きりゅー……、……ッ!!」
令一が僕の名を呼ぶ。何度も何度も呼ぶ。
僕も、呼ばれるたびに令一の名を呼んだ。
もう、言葉らしい言葉は存在しない。
快楽を訴える声と、名前と、それ以外はぶつかり合う音とぬめる水音だけ。
「ひ、あ……、あ、……あ、……ッ」
令一の限界を感じ、僕はタイミングを合わせて深く深く突き込んだ。
ぎゅうっと先端が締め付けられる。令一、……令一、令一。
「……あ、……アアアアーっ!!」
令一が背中を弓反らせて絶叫した。
僕は強く令一を抱きしめ、最後の一滴まで中に……、え。
あれ。
あれ!?
一度はずして捨てて、僕、つけなおしてなかった!!
まるで二連続で絶頂したかのような令一の反応、まさか、僕のせい!?
か細い息を何度か吐いて、令一はかくん、と意識を失った。
これは……ごめん。
中に出すつもりはなかった。この状態でさらに体液をそそぐつもりは、本当に本当に!
意識がないのに、令一はまだ小さく声を上げていた。
僕は、名残惜しいけれどそろりと令一から抜いて、令一の寝顔を眺めた。
眠っているのに、まだ行為が続いているような喘ぎ、熟れた表情。……おさまれ僕。
これ以上はさすがに。眠っている間にするのはさすがに。せめて令一が起きてから……。
ピロートークにしては、色気のない会話だった。
僕は、下坂昂司に対して何を仕掛けるか、どう対峙するか、すべてを令一に打ち明けた。
令一は頷きながら聞いて、いくつかの訂正案を出し、自分も協力することは絶対だと断言した。
僕は了承した。
僕一人でかなう相手ではないと、前回で思い知った。
がむしゃらに向かっていっても玉砕する。
「令一は後方支援だよ。絶対に前には出ないで。
それは約束してくれる?」
「お前がオレの提案を飲むならな」
お互いに頷き合う。
一度シャワーを浴びたから、体はさっぱりしている。
令一は腰が抜けてしまって、僕が抱えてシャワーを浴びさせたんだけど。
「ねえ。あのプレイ、どうだった?」
「……。
変態的すぎて言葉にできん」
「そうだね。僕と令一にしかできない、特別だね。
……そんなに嫌だった?」
令一はぐるっと背を向けて、布団を頭からかぶった。
あ、嫌じゃなかったんだ。
でも認めたくなくて、顔を見せたくないから防御してるんだな。
「ふとん強奪~」
「ああっ、返せ!」
「アレはたまにしかしないから、ふつうのえっち、もう一回……しよ?」
令一は数秒、しかめっ面を赤く染めて、僕を睨んで。
それでも頷いてくれる令一が可愛くて。
そこからプラス二回したものだから、僕は次の日のチェックアウト時、令一にしこたま怒られた。
つづく
少し気泡が入るけれど、血管に注射するわけじゃないから大丈夫。
逃げようと横向きになりかける令一を、僕は強引に抱き寄せて再び仰向けにした。
ちゅ、と一度、唇にキスをする。
唾液の発情効果は、相手の精神の根幹までは浸透しない。令一は令一であることを保ったままだ。
その状態で性欲と感度だけが上がるのだから、本当にこの唾液、万能だ。
「動くと危ないよ。じっとして」
「ほんとに、やめろって、こわい……!」
僕は、令一が身をよじっても動かせないくらい、左手でがっしり令一を固定した。
再び勃ちきった令一の股間、液が漏れ出る先端に、気をつけながら注射針を差し込む。
「ひっ……!」
「ね、痛くないでしょ」
令一をあやしながら、2cmくらいまで針を入れた。
そこで、僕はシリンジの中身を、少しずつ慎重に流し込んだ。
「……!! ァ、……うァ、ふあぁっ」
驚愕の声が、あっという間に甘い喘ぎに変わる。
びく、びく、と全身で反応し始めた令一を離さず、僕は遊び程度の量にとどまる分だけ唾液を注入した。
細心の注意を払って針を抜く。穴から、吸収しきれなかった唾液がとろりと漏れた。
令一を開放し、顔を見る。令一は、まるでビーズクッションみたいにくたくたに力が抜けていた。
半分閉じられた目から快楽の涙が伝い、再び、びくっと体を揺らす。
「うァ、……あぁ、……! あ、は、ハァッ、ア、!!
あーっ……、……!!」
触れてもいないのに嬌声を上げ、令一が力なくしがみついてきた。
令一の断続的な震えは収まらず、それどころか、どんどん声の甘みが強くなる。
「もしかして、令一。
ずっと甘イキしてる?」
「わかん、な、……ひぅっ!!
あつい、あついっ、はっ……、ン!!
おくから、あついの、くる、とまらな……アァっ!!」
軽いドライが連続しているようで、令一の顔は涙とよだれで濡れていた。
僕は丁寧にそれらを舐め、腕の中で精を吐かずに達し続ける令一を煽った。
そのうちドライは止み、がくがくがく、と小さな震えとともに、令一が腰をすりつけてきた。
懇願する瞳。僕を掴む手が爪をたてようとしていたが、力が抜けて痕もつかない。
僕も、これ以上見てるだけなんて、無理かな。
股間がはちきれそうに痛い。
「挿入れるよ」
「ん、うん、うんっ」
まるで子供のように頷く令一の額にキスを落として、僕は令一の中に再び押し入れた。
入口はやわらかく、中は痙攣しながら僕を呼び込んでいる。奥の襞が僕に絡みつく。
「ああアアッ、つ、ーーーー……!!」
まだ挿入したばかりなのに、令一は叫びながら精を吹いた。
余韻に小さく鳴き続ける令一を、優しく撫でる。令一の表情はふわふわしていて、冷める様子はない。
「もう。せっかく入れた唾液、出ちゃうでしょ」
「あ……、ごめ……、」
わけもわからず謝る令一は、まだ僕の唾液に酔っているらしい。
内部から浸透した唾液成分は、普段ではありえないほど令一をくるわせている。
僕は令一に覆いかぶさって、互いの肌を合わせてから動きを再開した。
令一の心臓の音が、肌越しに伝わる。どくどくどく、と速いビート。
あれ、これ、僕の鼓動かもしれない。混ざりあってわからないや。
「きりゅ、……きりゅう、アぁ、う、ンンッ!!
きもちい、きもちいぃ……きも、ち、ああぁッ……!
きりゅう、きりゅー……、……ッ!!」
令一が僕の名を呼ぶ。何度も何度も呼ぶ。
僕も、呼ばれるたびに令一の名を呼んだ。
もう、言葉らしい言葉は存在しない。
快楽を訴える声と、名前と、それ以外はぶつかり合う音とぬめる水音だけ。
「ひ、あ……、あ、……あ、……ッ」
令一の限界を感じ、僕はタイミングを合わせて深く深く突き込んだ。
ぎゅうっと先端が締め付けられる。令一、……令一、令一。
「……あ、……アアアアーっ!!」
令一が背中を弓反らせて絶叫した。
僕は強く令一を抱きしめ、最後の一滴まで中に……、え。
あれ。
あれ!?
一度はずして捨てて、僕、つけなおしてなかった!!
まるで二連続で絶頂したかのような令一の反応、まさか、僕のせい!?
か細い息を何度か吐いて、令一はかくん、と意識を失った。
これは……ごめん。
中に出すつもりはなかった。この状態でさらに体液をそそぐつもりは、本当に本当に!
意識がないのに、令一はまだ小さく声を上げていた。
僕は、名残惜しいけれどそろりと令一から抜いて、令一の寝顔を眺めた。
眠っているのに、まだ行為が続いているような喘ぎ、熟れた表情。……おさまれ僕。
これ以上はさすがに。眠っている間にするのはさすがに。せめて令一が起きてから……。
ピロートークにしては、色気のない会話だった。
僕は、下坂昂司に対して何を仕掛けるか、どう対峙するか、すべてを令一に打ち明けた。
令一は頷きながら聞いて、いくつかの訂正案を出し、自分も協力することは絶対だと断言した。
僕は了承した。
僕一人でかなう相手ではないと、前回で思い知った。
がむしゃらに向かっていっても玉砕する。
「令一は後方支援だよ。絶対に前には出ないで。
それは約束してくれる?」
「お前がオレの提案を飲むならな」
お互いに頷き合う。
一度シャワーを浴びたから、体はさっぱりしている。
令一は腰が抜けてしまって、僕が抱えてシャワーを浴びさせたんだけど。
「ねえ。あのプレイ、どうだった?」
「……。
変態的すぎて言葉にできん」
「そうだね。僕と令一にしかできない、特別だね。
……そんなに嫌だった?」
令一はぐるっと背を向けて、布団を頭からかぶった。
あ、嫌じゃなかったんだ。
でも認めたくなくて、顔を見せたくないから防御してるんだな。
「ふとん強奪~」
「ああっ、返せ!」
「アレはたまにしかしないから、ふつうのえっち、もう一回……しよ?」
令一は数秒、しかめっ面を赤く染めて、僕を睨んで。
それでも頷いてくれる令一が可愛くて。
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つづく
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