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二日目
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それから、ヒトミとユウトが、ふたりで「肝試しの下見」とやらに出かけた後、残りのメンバーは、また水着に着替えて(ユイはやっぱり黒のワンピースのままだったが)、洋館の裏の砂浜へ下りた。
アキが、リクにせがんでふたりでビーチバレーを始め、ユイとキョウコがビーチパラソルの下からそれを眺める、というだいたい昨日と同じ構図で、レンはひとりで砂浜の端から続く岩場をぶらぶらと歩き始める。
昨夜、この砂浜で、一糸まとわぬ姿となったユイが、あの魔性の指先で、レンの体を弄んだのだ――。
そのことを思い出す度に、いつでも、あっという間に、レンの股間のそれは痛いほどにいきり立ち、白く濁った欲望をすぐにでも吐き出したくてたまらなくなる。
その苦痛から少しでも逃れるために、レンは、こうしてひとり何もない岩場へと足を向けたのだ。
美しく微笑むユイの白い裸体を頭から追い出すために、必死に他のことを思考する。
一晩のうちにすっかり人格が変わってしまったように思えた、スーパーの店員。
自分を殺そうとする家族から逃げて来た、と訴えた老女。
この島でエイズの特効薬の研究をしている、と言った男。
そして、昨日、見ず知らずの自分たちに必死に助けを求めたようにみえた、幼い少女――。
いま、思い返してみると、その奇妙な人間たちがすべて、暗い闇の底で繋がっているようにも思える。
そして、その闇の中心にいる者こそが、ユイなのではないか――。
そんな恐ろしい考えが頭に浮かんで、すぐにかぶりを振る。
「どうかしてるな、オレは……」
自嘲気味に呟いて、ため息をつく。
リクも言っていたではないか。
オレは「どんな物事にも、その裏に深い意味があるような気がして、何でもあれこれ考えすぎる」と。
実際のところ、この平和そのものの小さな島に隠された世にも恐ろしい事実、なんてモノはないのだ。
そんなモノが存在するのはフィクションの世界だけで、現実は、この岩場のようにどこまでいっても代わり映えせず、驚くほどにつまらない。
日常は、どこまでいっても日常で、それが死ぬまで永遠に続くのだ……。
ぼんやり歩いているうちに、皆のいる砂浜からずいぶん離れてしまったことに気づき、そろそろ戻ろうと踵を返した時、ふと――、波が白く砕ける岩場の端に、ピンク色の太い棒のようなモノが落ちているのに気がついた。
(なんだ……?)
近づいて、それをよく観察して――、直後、レンは短い悲鳴をあげた。
それは、所々にまだ生の肉がこびりついた、一本の大きな骨だった。
アキが、リクにせがんでふたりでビーチバレーを始め、ユイとキョウコがビーチパラソルの下からそれを眺める、というだいたい昨日と同じ構図で、レンはひとりで砂浜の端から続く岩場をぶらぶらと歩き始める。
昨夜、この砂浜で、一糸まとわぬ姿となったユイが、あの魔性の指先で、レンの体を弄んだのだ――。
そのことを思い出す度に、いつでも、あっという間に、レンの股間のそれは痛いほどにいきり立ち、白く濁った欲望をすぐにでも吐き出したくてたまらなくなる。
その苦痛から少しでも逃れるために、レンは、こうしてひとり何もない岩場へと足を向けたのだ。
美しく微笑むユイの白い裸体を頭から追い出すために、必死に他のことを思考する。
一晩のうちにすっかり人格が変わってしまったように思えた、スーパーの店員。
自分を殺そうとする家族から逃げて来た、と訴えた老女。
この島でエイズの特効薬の研究をしている、と言った男。
そして、昨日、見ず知らずの自分たちに必死に助けを求めたようにみえた、幼い少女――。
いま、思い返してみると、その奇妙な人間たちがすべて、暗い闇の底で繋がっているようにも思える。
そして、その闇の中心にいる者こそが、ユイなのではないか――。
そんな恐ろしい考えが頭に浮かんで、すぐにかぶりを振る。
「どうかしてるな、オレは……」
自嘲気味に呟いて、ため息をつく。
リクも言っていたではないか。
オレは「どんな物事にも、その裏に深い意味があるような気がして、何でもあれこれ考えすぎる」と。
実際のところ、この平和そのものの小さな島に隠された世にも恐ろしい事実、なんてモノはないのだ。
そんなモノが存在するのはフィクションの世界だけで、現実は、この岩場のようにどこまでいっても代わり映えせず、驚くほどにつまらない。
日常は、どこまでいっても日常で、それが死ぬまで永遠に続くのだ……。
ぼんやり歩いているうちに、皆のいる砂浜からずいぶん離れてしまったことに気づき、そろそろ戻ろうと踵を返した時、ふと――、波が白く砕ける岩場の端に、ピンク色の太い棒のようなモノが落ちているのに気がついた。
(なんだ……?)
近づいて、それをよく観察して――、直後、レンは短い悲鳴をあげた。
それは、所々にまだ生の肉がこびりついた、一本の大きな骨だった。
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