ヘヴンリー・ヘル ~姦ノ島~

クロナミ

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二日目

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 昼食を終えると、ユイ、ユウト、ヒトミの三人は、「ちょっと町で買いたいモノがある」などと言って、すぐにクルマでどこかへ出掛けていった。

 三人の動向を気にする一方、レンは、この機を逃さず、洋館に残ったメンバーを全員食堂に集めた。

「話って、何なの?」

 アキが、ウェーブした髪をかき上げながら困惑気味に言うと、レンは、真面目にひとつうなずいて、口を開いた。

「あまり時間がないから単刀直入に言うけど、いま町にいってる三人、ちょっと変だと思わないか?」
「ヘンって、何が?」
「三人とも、前とは人格が変わってしまったように感じる、というか……」
「はぁ?」

 アキは、あきれ顔で首を傾げる。

「八神は、昨日会った時からおかしいと思ってたけど、倉橋は今朝から、真壁はさっきの昼食の時から、突然それまでとはまるで別人になってしまったように感じた」
「ちょっと、なに言ってるの……?」
「もしかしたら、この島にいる何者かが、あの三人を洗脳したのかもしれない……」
「ちょ、ちょっと待ってっ! それ本気で言ってるの!?」
「ああ」

 レンが冷静に答えると、アキは露骨に顔をひきつらせた。

「えぇ……おかしいのは一ノ瀬クンのほうだよ。よりにもよって、洗脳って……」
「……」レンは、他のふたりへ視線を移した。「高宮と永瀬は、どう思う?」

 問われて、リクは、眉を寄せて腕を組んだ。

「俺も、あの三人の雰囲気が変わったのは、感じてたよ。とくに、倉橋と真壁は、さっきふたりで帰ってきた時から、たしかにどこかおかしかった。まるで、ふたりだけの秘密を隠し持ったかのような……ちょっと、あやしい雰囲気だった」
「アヤしい雰囲気って……え、なに、ふたりが、デキちゃったってこと?」

 アキが訊くと、リクはうなずいた。

「まあ、ひと言でいうと、そんな感じだな」
「わたしも、そんな気がしたわ」

 隣で、キョウコもうなずく。

「あのふたり、帰ってきてからやけにスキンシップが多かったし、ヒトミの服もちょっと汚れてたし……」
「えっ。それって、つまり……ふたりが、この島のどこかで……?」

 アキが、マズい菓子を口に入れてしまった時のような顔で言うと、キョウコは、またうなずいた。

「で、でもさぁ、ふたりがそういうカンケイになってたとしても、それがどうして洗脳とかの話につながっちゃうの?」
「不自然だからさ」レンは、語気を強めて言った。「倉橋と真壁はこれまで、お互いにタイプじゃない、って感じで、とくに仲が良いってワケじゃなかっただろ? それが、クルマでほんの一、二時間一緒に出掛けただけで、いきなり男女の関係になるっていうのは、ちょっと、変だろ」
「それは、たしかにそうだけど……」
「じつはオレは、倉橋はいま、真壁だけじゃなくて、八神とも肉体関係を持ってると思ってる」
「えぇっ?」
「それもたぶん、昨日の晩から。アプローチしたのは、八神からだ」
「え、なんで、そう思うの?」
「……なんとなく、今朝ふたりを見てて、そう感じた」
「たった一日で、あの三人がいきなり三角関係になったってこと? それはさすがに、ちょっと信じられないなあ。倉橋クンって……なんというか、そういうタイプじゃないじゃん」
「いや、だから、オレはアイツらが誰かに洗脳でもされたんじゃないか、って考えたんだ」
「……」

 これはもうお手上げだ、と言わんばかりに天井を見上げたアキの隣で、キョウコが口を開く。

「仮に、仮によ。あなたの言う通り、あの三人が誰かから洗脳みたいなモノを受けていたとして、その犯人の目的は、一体なに? あの三人を洗脳して肉体関係を持たせたとして、その犯人に何のメリットがあるの?」
「いや、そういうことは、まだわからない。ただ、オレは、その洗脳の方法がその……セックスそのものなんじゃないかと思ってる」
「……セックスで相手を洗脳する、ってこと?」
「ああ」
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