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三日目
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午前九時。
朝食の片付けまでしっかり終わらせて、皆が食堂でのんびりコーヒーを飲んでいた時、おもむろにヒトミが口を開いた。
「今日の食材の買い出しは、アタシと倉橋でいってくるよ」
ユウトがうなずくと、まるで示し合わせたかのように、ユイとリクが口々に、
「わたしもいく。ちょっと欲しい物があるから」
「俺もだ。四人でいこう」
言って、互いに見つめ合いながら、微笑んだ。
「いや、今日はみんなでいこう」すかさず、レンが異議を唱える。「買い出しもこれが最後だ。最後くらい、みんなでいこう」
「…………」
件の四人全員が、微笑みを浮かべたまま、レンを凝視した。
「そうね。わたしも、一度そのスーパーに行ってみたいと思っていたし」
レンの隣でキョウコが言うと、その向かいにいたアキも、
「うん、いいよ。ここで待ってても、暇だしね」
ウェーブした髪を片手でいじりながら、つまらなそうに言った。
「……そう。じゃあ、そうしましょうか」
ややあって、ユイが平静な声で言うと、その「お仲間」たちもそれぞれ曖昧にうなずいた。
レンは、どこか機械を思わせる正確さでマグカップを口に運び続けるユイを横目で睨んで、そっと口角を上げる。
(計画が狂って、残念だったな)
(どこで何をするつもりだったか知らないが、もうお前たちの勝手にはさせないぞ……)
*****
それからまもなく、それぞれ簡単な仕度を整えて、七人全員で町のスーパーで出掛けた。
当然といえば当然だが、買い出し自体はあっけないほどあっさり終わり、そのまま店を出た一行がまたミニバンに乗り込もうとした時――、
「っ! ちょっと、あれ見てっ!」
アキが、古い町並みの一角を指差して、叫んだ。
「火事だよ!」
見れば、三百メートルほど離れたところにある二階建の民家から、黒い煙がモクモクと上がっていた。
現場の周囲にはすでに大勢の島民が集まり、皆なすすべもないまま、燃えてゆく家をただ呆然と見つめている。
(消防は、まだ到着してないのか……。あの様子だと、あの家はたぶん全焼してしまうだろうな)
多少の同情をもって現場を眺めていたレンは、やがて、ある違和感を持った。
次から次へと、島民たちはどんどん現場に集まってくるのだが、その誰ひとりとして、まったく取り乱すことなく、きちんと整列して、燃えゆく家をただじっと見つめているのだ。
まるで、何かのイベントを仲良く観賞しているかのように――。
「っ……」
ぞわり、と全身に鳥肌が立つのを感じたレンは、次の瞬間、火事の現場に向かって駆け出した。
朝食の片付けまでしっかり終わらせて、皆が食堂でのんびりコーヒーを飲んでいた時、おもむろにヒトミが口を開いた。
「今日の食材の買い出しは、アタシと倉橋でいってくるよ」
ユウトがうなずくと、まるで示し合わせたかのように、ユイとリクが口々に、
「わたしもいく。ちょっと欲しい物があるから」
「俺もだ。四人でいこう」
言って、互いに見つめ合いながら、微笑んだ。
「いや、今日はみんなでいこう」すかさず、レンが異議を唱える。「買い出しもこれが最後だ。最後くらい、みんなでいこう」
「…………」
件の四人全員が、微笑みを浮かべたまま、レンを凝視した。
「そうね。わたしも、一度そのスーパーに行ってみたいと思っていたし」
レンの隣でキョウコが言うと、その向かいにいたアキも、
「うん、いいよ。ここで待ってても、暇だしね」
ウェーブした髪を片手でいじりながら、つまらなそうに言った。
「……そう。じゃあ、そうしましょうか」
ややあって、ユイが平静な声で言うと、その「お仲間」たちもそれぞれ曖昧にうなずいた。
レンは、どこか機械を思わせる正確さでマグカップを口に運び続けるユイを横目で睨んで、そっと口角を上げる。
(計画が狂って、残念だったな)
(どこで何をするつもりだったか知らないが、もうお前たちの勝手にはさせないぞ……)
*****
それからまもなく、それぞれ簡単な仕度を整えて、七人全員で町のスーパーで出掛けた。
当然といえば当然だが、買い出し自体はあっけないほどあっさり終わり、そのまま店を出た一行がまたミニバンに乗り込もうとした時――、
「っ! ちょっと、あれ見てっ!」
アキが、古い町並みの一角を指差して、叫んだ。
「火事だよ!」
見れば、三百メートルほど離れたところにある二階建の民家から、黒い煙がモクモクと上がっていた。
現場の周囲にはすでに大勢の島民が集まり、皆なすすべもないまま、燃えてゆく家をただ呆然と見つめている。
(消防は、まだ到着してないのか……。あの様子だと、あの家はたぶん全焼してしまうだろうな)
多少の同情をもって現場を眺めていたレンは、やがて、ある違和感を持った。
次から次へと、島民たちはどんどん現場に集まってくるのだが、その誰ひとりとして、まったく取り乱すことなく、きちんと整列して、燃えゆく家をただじっと見つめているのだ。
まるで、何かのイベントを仲良く観賞しているかのように――。
「っ……」
ぞわり、と全身に鳥肌が立つのを感じたレンは、次の瞬間、火事の現場に向かって駆け出した。
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