68 / 79
三日目
67
しおりを挟む
(このまま朝まで続けられたら、オレは、ほんとうに、死ぬっ……)
(もう、限界だ……。もう、我慢したくない……)
「ねえ、ほら……ちゃんと、言って?」
(イキたい……イキたい……)
(イキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたい……)
しかし、灰のように真っ白になって崩れゆく意識の中で、ふと――。
レンは、まだ自分には「守るべきもの」が残されていることを思い出す。
――キョウコ。
そうだ、オレは、まだ、独りじゃない。キョウコがいる。こいつらから、キョウコを守らないと。
そして、その直後、この部屋にユウトの姿がないことに気づいて、戦慄する。
(しまったっ!)
(……いや、まだだ。まだキョウコがヤられたと決まったわけじゃない)
(今すぐ、助けにいくんだ――この、オレがっ!)
「……ぐっぁあああっ!!」
わずかに残された意志の力を振り絞ったレンは、勢いよく上体を起こすと、ユイとヒトミを同時に突き飛ばした。
「きゃぁっ」
叫んで尻餅をつく女ふたりをそのままに、ズボンを履いて、いきおいよく部屋を飛び出す。
「永瀬、無事かぁっ!!」
廊下で声を張り上げると、すぐに、
「レンッ!」
悲鳴に近い声が聞こえて、ほぼ同時、下着姿のキョウコが泣きながら部屋から飛び出してきた。
キョウコの部屋には全裸のユウトがひとりで立っていて、微笑みながらこちらを見つめている。
「ユウトがっ、ユウトが、いきなりっ……!」
「ああ、わかってる! このまま逃げるぞ!」
レンは、女の手を取ると、そのまま一緒に階段を駆け下り、玄関でミニバンのカギと掴んで洋館を飛び出した。
「どこへいくのっ?」
「わからない! とにかくここを離れよう!」
ふたりで走って坂を下り、そのままミニバンに乗り込むと、助手席でキョウコがしくしく泣きながら謝った。
「ごめんなさい。レンのこと、信じてあげられなくて……。わたしが、まちがってた」
「もういいよ。今は、とにかくこの島を無事に脱出することだけを考えよう」
「うん……」
B級ホラー映画にありがちな展開にはならず、クルマのエンジンはすぐにかかった。
「よしっ、いくぞ!」
背後から追手が来ていないことを確認したレンは、それでもしっかりドアをロックしてから、勢いよくアクセルを踏み込んだ。
(もう、限界だ……。もう、我慢したくない……)
「ねえ、ほら……ちゃんと、言って?」
(イキたい……イキたい……)
(イキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたい……)
しかし、灰のように真っ白になって崩れゆく意識の中で、ふと――。
レンは、まだ自分には「守るべきもの」が残されていることを思い出す。
――キョウコ。
そうだ、オレは、まだ、独りじゃない。キョウコがいる。こいつらから、キョウコを守らないと。
そして、その直後、この部屋にユウトの姿がないことに気づいて、戦慄する。
(しまったっ!)
(……いや、まだだ。まだキョウコがヤられたと決まったわけじゃない)
(今すぐ、助けにいくんだ――この、オレがっ!)
「……ぐっぁあああっ!!」
わずかに残された意志の力を振り絞ったレンは、勢いよく上体を起こすと、ユイとヒトミを同時に突き飛ばした。
「きゃぁっ」
叫んで尻餅をつく女ふたりをそのままに、ズボンを履いて、いきおいよく部屋を飛び出す。
「永瀬、無事かぁっ!!」
廊下で声を張り上げると、すぐに、
「レンッ!」
悲鳴に近い声が聞こえて、ほぼ同時、下着姿のキョウコが泣きながら部屋から飛び出してきた。
キョウコの部屋には全裸のユウトがひとりで立っていて、微笑みながらこちらを見つめている。
「ユウトがっ、ユウトが、いきなりっ……!」
「ああ、わかってる! このまま逃げるぞ!」
レンは、女の手を取ると、そのまま一緒に階段を駆け下り、玄関でミニバンのカギと掴んで洋館を飛び出した。
「どこへいくのっ?」
「わからない! とにかくここを離れよう!」
ふたりで走って坂を下り、そのままミニバンに乗り込むと、助手席でキョウコがしくしく泣きながら謝った。
「ごめんなさい。レンのこと、信じてあげられなくて……。わたしが、まちがってた」
「もういいよ。今は、とにかくこの島を無事に脱出することだけを考えよう」
「うん……」
B級ホラー映画にありがちな展開にはならず、クルマのエンジンはすぐにかかった。
「よしっ、いくぞ!」
背後から追手が来ていないことを確認したレンは、それでもしっかりドアをロックしてから、勢いよくアクセルを踏み込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる