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【序章】 『愛と性の女神』アフロディテ

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 思わせぶりに微笑むアフロディテを見つめて、少年は眉を寄せる。

「しごと……?」
「そう。これからちょっと異世界へいって、そこで善き民を苦しめる悪逆非道な魔王を倒してもらいたいのよ」
「はぁっ!? なんだよそれっ、約束がちがうぞっ!」

 旺介は、女神の腕の中で猛然と抗議する。

「ていうか、ごくフツーの高校生に魔王なんか倒せるわけないだろっ!」
「あなたは、もうフツーの高校生なんかじゃないわ。この女神アフロディテから直々に《神の性技》を伝授された、唯一無二の人間だもの」
「それがどーしたっ!? セックスのスキルなんかで魔王を倒せるわけないだろ!」
「やってみなければわからないでしょ。あきらめたら、そこで試合終了よ?」
「試合終了でいいよっ! ていうか、異世界の魔王を倒すのが目的なら、《剣術》とか《魔法》とか、もっと他に役立つスキルがいくらでもあっただろ!?」
「無理無理。あたし、愛と性の女神だもん。そんな野蛮なスキルは専門外。あたしがあなたに教えられるのは、エッチなことだけ♪」
「くっ……!」

 へらへらと笑う女神を睨んで、旺介は歯噛みする。

「と、とにかく、オレはぜったいそんな無謀な仕事は引き受けないぞ! 断る! ぜったい断る! 約束どおり、さっさとオレを二十一世紀の日本に帰してくれよ!」

 アフロディテは、少年の顔を見下ろしつつ、ひょいと肩をすくめた。

「たしかに、あたしをイかせることができたら現世に帰してあげるとはいったけど、帰してあげるとは言ってないわよ?」
「……なに?」
「つまり、あたしがあなたを帰すのは、今から一万年後でもいいし、一億年後でもいいってこと」
「なっ!? そ、そんな、どこぞの中間管理職みたいな屁理屈が通用するかぁっ!」

 旺介が叫ぶと、女神は朗らかに笑って、

「屁理屈でも何でも、あなたはあたしに従うしかないの。そのことは、この百年でイヤと言うほど学んだでしょ?」
「……っ!」
「約束するわ。この仕事を片付けてくれたら、今度こそあなたをすぐに現世に帰してあげる」

 旺介は、凄まじい形相で女神を睨みながら、吐き棄てるように言った。

「いや、もうあんたの言うことは信用できない。その仕事は、絶対に引き受けない」

 アフロディテは、黄金の柳眉をハの字にして、口を尖らせた。

「……どうしても、ダメ?」
「ああ、どうしてもだ」
「仕方ないわね……」

 面倒臭そうに呟いた女神は、その直後、いきなり自分の右の乳首を少年の口に押しつけた。

「んぐぅっ」

 たちまち、女神の豊満な乳房からこの上なく甘美な母乳が大量に口内に流れ込んできて、旺介は思わずそれをゴクゴクと飲み下してしまう。

 すると、すっかり萎えていたはずの彼の肉棒が一気に活力を取り戻し、みるみるうちに、ぐぐぐっと硬く、大きくそそり立った。

 アフロディテは、少年に乳房を吸わせたまま、しなやかな腕を彼の股間に伸ばし、五本の指で熱く怒張した淫棒を扱きはじめる。

「っぁああっ、ぅぐあああぁああーーっ!!」

 その瞬間、旺介は、絶叫した。

 女神アフロディテの指技は、まさに、奇跡。

 百年に及ぶ修行で《神の性技》を極めた旺介といえども、本気になったアフロディテの前では為す術もなく、強烈すぎる快感の怒濤の中で、ただ泣き叫ぶことしかできない。

「や、やめっ、あぁっ、あがぁっ、ぐあぁあああーーーっっ!!」

 ものの数秒もしないうちに凄まじい射精感に襲われた旺介は、全身をビンと緊張させて――、

「ぁああっ! いっ、イクッーー!!」

 絶頂し、ビクビクと震える肉棒から一気に大量の白濁を吐き出そうとした。

 が――、射精の直前、女神が彼の肉竿の根元をギチィッと恐ろしい力で握り締め、尿道を駆け上がろうとしていた精液を、強引に、無理やり陰嚢へと押し戻す。

「っ!? ぁがぁ、がっ、ぐあぁああああああーーーー!!!!」

 行き場を失った肉欲が体内で暴れ回り、その死の苦しみに、旺介は全身を狂ったように痙攣させながら叫ぶ。

「ぐぁあああぁぁぁっ……あぁああぁ……ぁあぁ……」
「ふふふ……」

 しばらくして、哀れな少年が、涎を垂らしながらぐったりすると、女神は、ふたたびその魔性の指先で彼の肉棒をゆっくり、丁寧に扱きはじめる。

「っぁあがっ、うぁぁああ……っ」

 まもなく――、射精衝動が最大まで高まり、直後、少年は絶頂する。

「い、イク――ッ!!」

 だが、それと同時、女神がまた肉棒の根元を強く握り締め、射精をギリギリ寸前で阻止する。

「っ! ぅぐぁああががあががあががああああああああーーーーっっっ!!!」

 絶望に泣き叫ぶ少年をみて、アフロディテは冷たく微笑む。

「出したい?」
「出したいっ! おねがいだから、ださせてくれぇっ!」

 女神が片手で乳房をぶるん、と揺らしてみせると、少年は条件反射のようにその乳首にむしゃぶりつき、いきおいよく彼女の乳を吸い始める。

 すると、すでに限界寸前まで怒張していた彼の牡竿が、さらに、一回り大きくなって、いまにもはちきれそうなほどパンパンに膨らむ。

 女神はすぐさま、五本の指でその赤黒く腫れた亀頭だけをねちゃねちゃと弄びはじめる。

「ぁはぁあっ! ぅぐあぁっ! そんな、先っぽだけっ、やめっ……それっ、きつい、きついからぁぁーーっ!」

 悶え苦しむ少年をみて、アフロディテはくすくす笑う。

「あはは。この刺激だけじゃ、どれだけ気持ちよくてもイけないものね? ちゃんと扱いてほしい? 扱いてイかせてあげてもいいけど、ザーメンは出させてあげないわよ? どっちがいいかしら?」
「ぁがぁああっ、も、もうっ、やめ、てっ、くれぇええーーっ!!」
「すごく苦しそうね。これだけは、オンナにはわからない苦しみねえ。もう出したい? ねえ、出したいの?」
「出したいっ! たのむから、もうちゃんとイかせてくれぇっ!」
「いいわ、思いきり出させてあげる……。そのかわり、あたしの仕事を引き受けるって約束して?」
「っ!? ぐぅっ……」
「約束してくれないと、いつまでも射精させてあげない。どうする? あと百年くらいこのまま続けてあげてもいいわよ?」
「ぁぐぁがぁあっ、がぁぐぉああぁああっ」

 終わりのない苦しみの中で、旺介は真の恐怖を味わう。

 これをあと百年、だと……っ!?
 百年どころか、あと三日もこの寸止め地獄を続けられたら、まちがいなく狂い死んでしまう……。

「さあ、どうする?」
「ぁががぁぁあああっ、がぁああっ……」
「ほら、ほら?」

 女神の一切容赦ない責めを受け続けた旺介は、まもなく、絶望の中で屈服した。

「やっ、約束する……っ! 約束するから、だからっ、はやくイかせてくれぇっ!」
「いい子ね♪」
 
 女神は慈愛に満ちた声で言うと、次の瞬間、我慢汁でビチョビチョになった少年の肉棒をじゅぷっじゅぷっと激しく扱きはじめた。

「っ! ぁあはぁっあああっ! い、いく、いくっ、イクーーーーッッッ!!!」

 直後、少年の肉棒から、ばしゃぁッ! とありえないほどの量のザーメンが間欠泉のように噴き出し、女神の全身を白く汚した。

「まだ出したいわよね? あたしがシテあげるのはたぶんこれが最後だから、悔いが残らないよう、最後の一滴まで絞り出しなさい」

 言って、女神はさらに強く、速く手を動かしはじめる。

「っ!? ぅあぁああああっ! やっ、やめっ、ぁがぁああああああーーーっっっ!!!」

 射精直後で敏感になっている牡竿を容赦なく扱かれた旺介は、狂ったように痙攣しながら、ふたたび白濁を吐き出す。

「あははっ、ほら、もっと、もっと出しなさいっ! もっと、もっとよっ!」
「ぁあががぁぁあぁあぁあああ…………っ」

 三回……四回……、十回……十五回……、三十回……五十回……八十回……。

 それから、約三時間後……。
 一時も休むことなく、百回目の連続射精をさせられたところで、ついに旺介の肉体と精神は限界に達し、彼は白目を剥いたまま失神して、動かなくなった。

「ふう……これでよし、と」

 旺介が撒き散らした凄まじい量のザーメンで全身をどろどろにした女神は、満足そうに言うと、最後に彼の口に優しく接吻をした。

 すると、少年の右手の甲にハートに似た意匠の美しい紋章が浮かび上がり、彼がいまこの瞬間、女神アフロディテの加護を受けたことを示した。

「頼んだわよ、須佐野旺介……。あなたなら、きっとできるわ」

 言って、女神が少年の身体をそっと押すと、彼は気を失ったまま、はるか彼方の異世界へと、勢いよく飛び去っていった――。
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