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【第二章】 『ルーダミアの妖女』イリアナ
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ルーダミアの北部に広がる大森林『黒の森』。
巨大な針葉樹が天を衝き、昼間でも暗く、薄気味悪いその森の中をいま、ふたりは慎重な足取りで進んでいく。
「『ルーダミアの妖女』……本当に実在するとして、素直にわたしたちの仲間になってくれるだろうか?」
アンドローズが横目で相手の顔を見ながら問うと、旺介は頷いた。
「そう信じるしかないさ。魔王ザラヴァンドールを倒すためには、大陸最強の魔女といわれる彼女の力が欠かせない」
「それはそうかもしれないが……彼女については、悪い噂も多く耳にするからな」
「たとえば?」
「曰く、すでに齢三百を超える老女でありながら、毎日奴隷にしたエルフの男から無理やり精液を搾って飲み、十代の若さを保っている、とか……。十年に一度、発情期を迎えると、近くの村を襲って男達を犯し尽くし、搾り尽くし、全員廃人にしてしまう、とか……。見目麗しい美少年を見つけると、魔法で肉欲に支配された性獣に変え、毎晩夜伽を務めさせる、とか……」
「……全部ソッチ系の噂ばっかりだな」
「いや、もっと悪いのもある……」女騎士は、眼差しを暗くした。「じつは、『ルーダミアの妖女』こそが、魔王ザラヴァンドールの正体なのではないか、というものだ……」
「まさかっ!」
「わたしも、その話を信じているわけではないが……しかし、絶対にあり得ないとも言い切れない。なにせ、彼女についてわかっていることは、とにかく強大な魔力の持ち主である、ということくらいで、その他についてはすべてが謎に包まれているのだからな……」
アンドローズが、前を向いたまま少しざらついた声でそう言った、その時――。
「きゃぁあああああーーーっっっ!!!」
暗い森の奥から、突如、少女のものと思われる甲高い悲鳴が響いてきた。
「っ!?」
驚いて一瞬硬直したふたりは、すぐに頷き合うと、声がしたほうへ向かって駆け出した。
*****
「グェッヘッヘッヘッヘ……」
「や、やめて……っ」
苔むした倒木が横たわる、ぽっかり開けた空き地で、十数体のオークに囲まれた村娘風の少女が、すっかり怯えきった表情で身をすくませている。
「心配すんな。すぐに喰い殺したりはしねえよ。お前には、これから俺たちオークの仔を何十匹も孕んで、産んで、育ててもらう、っていうとっても大事な仕事が待ってるんだからよぉ……」
「い、いやぁっ! オークの仔なんて孕みたくないぃっ!」
「ヘッ、そっだごどしゃべっていらぃるのもいまのうぢだ……」
チビで小太りのオークがニヤニヤ笑いながらボロボロの腰布を取り去ると、そこから馬も驚くほどの巨大なイチモツが姿を現した。
「こいのあじおべでまったっきゃ、もうにんげんのおどごさもどれね」
「……?」少女は、けげんな顔で首を傾げる。「ごめんなさい。ちょっとよく聞き取れなくて……いま、何て言いました?」
「だがらっ、そっだごどしゃべっていらぃるのもいまのうぢだって。こいのあじおべでまったっきゃ、もうにんげんのおどごさもどれねって」
「……?」
少女は、また首を傾げる。
「ごめんなさい。ちょっとなんて言ってるか、わからないです……」
すると、はじめに喋ったったリーダー格らしいオークが、そのチビ小太りのオークの頭を思いきり殴った。
「馬鹿野郎ッ! お前は訛りが酷いから喋るな、っていつも言ってるだろうがっ! つーか、俺たちと同じ里で一緒に育ったのに、どうしてお前だけそんなに訛ってるんだよっ!?」
「そっだごとばいわれても……」
チビ小太りオークは、いきり立ったイチモツをぶらぶらさせながら、意気消沈する。
「ハァ……」
リーダー格のオークは、少し疲れた顔でため息をつくと、少女を見つめて、言った。
「ええと、いまコイツが言ったのは……、『そんなことを言っていられるのも今のうちだ。これの味を知ってしまったら、もう人間の男には戻れない』ってことだ」
「ああ、そうだったんですね!」少女は、納得顔で頷く。「お手数をおかけしてすみません、あたしがちゃんと聞き取れたらよかったんですけど」
「いや、いいんだ……」
しばし、両者の間に何とも言えない気まずい空気が流れる。
「……」
リーダー格のオークは、足元を見つめてひとつ深呼吸すると、よしっ! とばかりに勢いよく顔をあげて、ふたたび下卑た笑みを少女へ向けた。
「そういうわけで、お前にはこれから一生、俺たちオークの『苗床』になってもらう。だが、悲観する必要はないぞ? 俺たちに一度でも犯された人間の女は、すぐにこのイチモツの虜になって、『もっと犯してぇっ!』なんてはしたなく叫びながら、自分からコレをしゃぶるようになるからなぁっ!」
言いつつ、リーダー格のオークもバサリッと腰布を取ると、あらわになった女の腕ほどもある肉棒を見て、少女は戦慄する。
「い、いやぁっ! そんな大きいの、入るわけないぃっ! あたしの穴、破けちゃうっ、絶対コワれちゃうぅーーっっ!!」
「心配すんな。女のアソコは、なかなか丈夫なんだ。コワれたりしねえよ。まあ、子宮の一番奥まで貫かれるキモチよさに耐えきれず、お前の精神がコワれちまうかもしれねえがなぁっ!」
「いやぁぁあああっーー!!!」
「とりあえず、まずはここで、俺たち全員でマワさせてもらうぜぇ。しばらく女ひでりが続いてて、みんな溜まってんだよ……」
オークの股間にそびえ立つ牡棒がすでに大量の我慢汁をボタボタと地面に零しているのをみて、少女はふたたび絶叫する。
「いやぁあああっ!! だれか、誰か助けてぇーーっっ!!!」
「ヘッ、叫んだって無駄だ。こんな人里離れた森の中に、助けなんて来るはずねぇ……」
妙に律儀なオークが、期待を裏切らず、キッチリ『お約束』のセリフを吐いたところで――、
「そこまでだっ!!」
木々の間から美貌の女騎士がひらりと躍り出て、その白銀の鎧を陽光に輝かせた。
「なっ、てめえ、何モンだぁっ!?」
慌てふためくオーク共をキッと睨んで、アンドローズは冷厳と言い放つ。
「見たところ、お前たちは魔王の手下というわけでもなさそうだ。大人しくその娘を解放すれば、今回だけは見逃してやる。己の幸運に深く感謝しつつ、さっさとここから立ち去れ!」
「なんだとっ!? ふざけやがって……」
リーダー格のオークは、相手の迫力に押されてじりじり後退しつつも、周囲の仲間たちを見回しながら、叫ぶ。
「おい、てめえらっ、なにボサッとしてんだっ! やっちまえっ! このナメた女を袋叩きにしろっ!!」
『お、おうっ!!』
十数体のオークが棍棒を手に一斉に向かって来ると、アンドローズは、
「愚かな……」
低く呟きつつ、腰から長剣を引き抜き――跳んだ。
ざんっ! ザンザンッ!! 斬ッ斬ッ斬ッ!!!
大方の予想どおり、戦闘は終始一方的で、白銀の人影が疾く、美しく舞う度、オーク共は次々にバタバタと、折り重なるように倒れていく。
「なっ、なんだ、コイツッ――ぐぇっ!」
「つ、強すぎ――ぐぇっ!」
「おが、おど、さきだづふこうゆるしてけろ――ぐぇっ!」
そのまま、たいした見せ場もないまま、戦闘があっさり終了するかと思われた、その時――、
「そ、そこまでだぁっ!!」
リーダー格のオークの胴間声が空き地に響き渡った。
巨大な針葉樹が天を衝き、昼間でも暗く、薄気味悪いその森の中をいま、ふたりは慎重な足取りで進んでいく。
「『ルーダミアの妖女』……本当に実在するとして、素直にわたしたちの仲間になってくれるだろうか?」
アンドローズが横目で相手の顔を見ながら問うと、旺介は頷いた。
「そう信じるしかないさ。魔王ザラヴァンドールを倒すためには、大陸最強の魔女といわれる彼女の力が欠かせない」
「それはそうかもしれないが……彼女については、悪い噂も多く耳にするからな」
「たとえば?」
「曰く、すでに齢三百を超える老女でありながら、毎日奴隷にしたエルフの男から無理やり精液を搾って飲み、十代の若さを保っている、とか……。十年に一度、発情期を迎えると、近くの村を襲って男達を犯し尽くし、搾り尽くし、全員廃人にしてしまう、とか……。見目麗しい美少年を見つけると、魔法で肉欲に支配された性獣に変え、毎晩夜伽を務めさせる、とか……」
「……全部ソッチ系の噂ばっかりだな」
「いや、もっと悪いのもある……」女騎士は、眼差しを暗くした。「じつは、『ルーダミアの妖女』こそが、魔王ザラヴァンドールの正体なのではないか、というものだ……」
「まさかっ!」
「わたしも、その話を信じているわけではないが……しかし、絶対にあり得ないとも言い切れない。なにせ、彼女についてわかっていることは、とにかく強大な魔力の持ち主である、ということくらいで、その他についてはすべてが謎に包まれているのだからな……」
アンドローズが、前を向いたまま少しざらついた声でそう言った、その時――。
「きゃぁあああああーーーっっっ!!!」
暗い森の奥から、突如、少女のものと思われる甲高い悲鳴が響いてきた。
「っ!?」
驚いて一瞬硬直したふたりは、すぐに頷き合うと、声がしたほうへ向かって駆け出した。
*****
「グェッヘッヘッヘッヘ……」
「や、やめて……っ」
苔むした倒木が横たわる、ぽっかり開けた空き地で、十数体のオークに囲まれた村娘風の少女が、すっかり怯えきった表情で身をすくませている。
「心配すんな。すぐに喰い殺したりはしねえよ。お前には、これから俺たちオークの仔を何十匹も孕んで、産んで、育ててもらう、っていうとっても大事な仕事が待ってるんだからよぉ……」
「い、いやぁっ! オークの仔なんて孕みたくないぃっ!」
「ヘッ、そっだごどしゃべっていらぃるのもいまのうぢだ……」
チビで小太りのオークがニヤニヤ笑いながらボロボロの腰布を取り去ると、そこから馬も驚くほどの巨大なイチモツが姿を現した。
「こいのあじおべでまったっきゃ、もうにんげんのおどごさもどれね」
「……?」少女は、けげんな顔で首を傾げる。「ごめんなさい。ちょっとよく聞き取れなくて……いま、何て言いました?」
「だがらっ、そっだごどしゃべっていらぃるのもいまのうぢだって。こいのあじおべでまったっきゃ、もうにんげんのおどごさもどれねって」
「……?」
少女は、また首を傾げる。
「ごめんなさい。ちょっとなんて言ってるか、わからないです……」
すると、はじめに喋ったったリーダー格らしいオークが、そのチビ小太りのオークの頭を思いきり殴った。
「馬鹿野郎ッ! お前は訛りが酷いから喋るな、っていつも言ってるだろうがっ! つーか、俺たちと同じ里で一緒に育ったのに、どうしてお前だけそんなに訛ってるんだよっ!?」
「そっだごとばいわれても……」
チビ小太りオークは、いきり立ったイチモツをぶらぶらさせながら、意気消沈する。
「ハァ……」
リーダー格のオークは、少し疲れた顔でため息をつくと、少女を見つめて、言った。
「ええと、いまコイツが言ったのは……、『そんなことを言っていられるのも今のうちだ。これの味を知ってしまったら、もう人間の男には戻れない』ってことだ」
「ああ、そうだったんですね!」少女は、納得顔で頷く。「お手数をおかけしてすみません、あたしがちゃんと聞き取れたらよかったんですけど」
「いや、いいんだ……」
しばし、両者の間に何とも言えない気まずい空気が流れる。
「……」
リーダー格のオークは、足元を見つめてひとつ深呼吸すると、よしっ! とばかりに勢いよく顔をあげて、ふたたび下卑た笑みを少女へ向けた。
「そういうわけで、お前にはこれから一生、俺たちオークの『苗床』になってもらう。だが、悲観する必要はないぞ? 俺たちに一度でも犯された人間の女は、すぐにこのイチモツの虜になって、『もっと犯してぇっ!』なんてはしたなく叫びながら、自分からコレをしゃぶるようになるからなぁっ!」
言いつつ、リーダー格のオークもバサリッと腰布を取ると、あらわになった女の腕ほどもある肉棒を見て、少女は戦慄する。
「い、いやぁっ! そんな大きいの、入るわけないぃっ! あたしの穴、破けちゃうっ、絶対コワれちゃうぅーーっっ!!」
「心配すんな。女のアソコは、なかなか丈夫なんだ。コワれたりしねえよ。まあ、子宮の一番奥まで貫かれるキモチよさに耐えきれず、お前の精神がコワれちまうかもしれねえがなぁっ!」
「いやぁぁあああっーー!!!」
「とりあえず、まずはここで、俺たち全員でマワさせてもらうぜぇ。しばらく女ひでりが続いてて、みんな溜まってんだよ……」
オークの股間にそびえ立つ牡棒がすでに大量の我慢汁をボタボタと地面に零しているのをみて、少女はふたたび絶叫する。
「いやぁあああっ!! だれか、誰か助けてぇーーっっ!!!」
「ヘッ、叫んだって無駄だ。こんな人里離れた森の中に、助けなんて来るはずねぇ……」
妙に律儀なオークが、期待を裏切らず、キッチリ『お約束』のセリフを吐いたところで――、
「そこまでだっ!!」
木々の間から美貌の女騎士がひらりと躍り出て、その白銀の鎧を陽光に輝かせた。
「なっ、てめえ、何モンだぁっ!?」
慌てふためくオーク共をキッと睨んで、アンドローズは冷厳と言い放つ。
「見たところ、お前たちは魔王の手下というわけでもなさそうだ。大人しくその娘を解放すれば、今回だけは見逃してやる。己の幸運に深く感謝しつつ、さっさとここから立ち去れ!」
「なんだとっ!? ふざけやがって……」
リーダー格のオークは、相手の迫力に押されてじりじり後退しつつも、周囲の仲間たちを見回しながら、叫ぶ。
「おい、てめえらっ、なにボサッとしてんだっ! やっちまえっ! このナメた女を袋叩きにしろっ!!」
『お、おうっ!!』
十数体のオークが棍棒を手に一斉に向かって来ると、アンドローズは、
「愚かな……」
低く呟きつつ、腰から長剣を引き抜き――跳んだ。
ざんっ! ザンザンッ!! 斬ッ斬ッ斬ッ!!!
大方の予想どおり、戦闘は終始一方的で、白銀の人影が疾く、美しく舞う度、オーク共は次々にバタバタと、折り重なるように倒れていく。
「なっ、なんだ、コイツッ――ぐぇっ!」
「つ、強すぎ――ぐぇっ!」
「おが、おど、さきだづふこうゆるしてけろ――ぐぇっ!」
そのまま、たいした見せ場もないまま、戦闘があっさり終了するかと思われた、その時――、
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