【告白短編集】~どこにでもある日常の中に、最高の愛が隠れている~

月下花音

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第50話:最後のページで、君への愛を綴った

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ペンを持った。

古い万年筆。祖父が遺してくれた、大切な一本。



紙に向かった。

『告白』

タイトルを書いた。



五十年。五十の物語。五十の告白。

その最後のページに、僕は全てを綴ろうと思った。



『君へ

これまで、何度の告白があったか、覚えていない。

だが、一つだけ、確実なことがある。

その全ては、君への想いから始まった。



雨の日も。晴れの日も。幸せな日も。悲しい日も。

全ての日に、君がいた。



君のおかげで、僕は生きることができた。

君のおかげで、僕は愛することができた。

君のおかげで、僕は希望を持つことができた。



そしてこれからも。ずっと。その想いは変わらない。

だから、最後に、もう一度、言わせてほしい。



君のことが、好きだ。

愛している。

本当に。



君との物語。その全てが、この世界の最高の告白だ。』



ペンを置いた。

窓から、桜が見えた。

その桜の下で、初めて彼女に会った。あの日。



その紙を、彼女に渡した。

彼女は、読みながら、泣いた。

「本当ですか」

「本当だ」

「もう一度。言ってくれますか」

「何を」

「君のおかげで。僕は。愛することができた。その言葉」

僕は、そっと彼女に近づき、ゆっくりと言った。

「君のおかげで。僕は。愛することができた」

彼女は、泣きながら、笑った。



『君への告白。

それは、最後のページではなく、最初のページだったんだ』

僕たちの物語は、終わりではなく、永遠の始まり。

これからも、ずっと、ずっと。

君への想いを、綴り続けるんだ。



君への、永遠の、告白として。

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