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第3章:青春の残酷さ(スクールカーストと幼馴染)
#8:クラスで一番不器用なチョコレート Ep.04
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翌日の昼休み。
気分良く弁当を食べていると、教室の隅が騒がしい。
陸と、美波だ。
美波がタッパーを開けている。
中には、綺麗な焼き色のついたアップルパイ。
網目模様も完璧。艶出しの卵黄も塗られている。
さすが美波だ。
あれ、誰にあげるんだろう。友チョコにしては豪華だな。
陸がそれを一つ摘む。
「いただきまーす」
パクっ。
昨日、私のチョコを食べた時とは、明らかに反応が違った。
目がカッと見開かれる。
「うっっっま!!!」
陸が大声を出した。
「え、何これ? 店? マジでうまいんだけど!」
「ほんと? よかったー、砂糖控えめにして、シナモン多めにしたの」
美波が照れくさそうに笑う。
その笑顔、私に見せる顔と違う。
もっと……女の子の顔だ。
「やっぱお前すげーわ。俺、お前の菓子一番好きかも」
「もう、大げさだよ」
……は?
一番好き?
甘いの苦手じゃなかったの?
いや、確かに「砂糖控えめ」とは言ってたけど。
でも、その食いつきようは、「苦手な人が無理してる」感じじゃない。
心から「美味しい」と感動している顔だ。
昨日、私の隕石を食べた時の「毒見してやる」という苦笑いとは、天と地ほどの差がある。
胸がざわつく。
嫌な予感が、胃の底から這い上がってくる。
「甘いの苦手」というのは、嘘だったのか?
あるいは、「私の作ったものが苦手(だから言い訳した)」のか?
それとも、「美波の作ったものだけが好き」なのか?
見てはいけないものを見てしまった気がして、私は視線を逸らした。
机の中の教科書を握りしめる手が、小刻みに震えていた。
美波が私の方を一瞬見た気がした。
その目は、謝罪の色を帯びていたか、それとも勝者の余裕だったか。
確かめるのが怖かった。
(つづく)
気分良く弁当を食べていると、教室の隅が騒がしい。
陸と、美波だ。
美波がタッパーを開けている。
中には、綺麗な焼き色のついたアップルパイ。
網目模様も完璧。艶出しの卵黄も塗られている。
さすが美波だ。
あれ、誰にあげるんだろう。友チョコにしては豪華だな。
陸がそれを一つ摘む。
「いただきまーす」
パクっ。
昨日、私のチョコを食べた時とは、明らかに反応が違った。
目がカッと見開かれる。
「うっっっま!!!」
陸が大声を出した。
「え、何これ? 店? マジでうまいんだけど!」
「ほんと? よかったー、砂糖控えめにして、シナモン多めにしたの」
美波が照れくさそうに笑う。
その笑顔、私に見せる顔と違う。
もっと……女の子の顔だ。
「やっぱお前すげーわ。俺、お前の菓子一番好きかも」
「もう、大げさだよ」
……は?
一番好き?
甘いの苦手じゃなかったの?
いや、確かに「砂糖控えめ」とは言ってたけど。
でも、その食いつきようは、「苦手な人が無理してる」感じじゃない。
心から「美味しい」と感動している顔だ。
昨日、私の隕石を食べた時の「毒見してやる」という苦笑いとは、天と地ほどの差がある。
胸がざわつく。
嫌な予感が、胃の底から這い上がってくる。
「甘いの苦手」というのは、嘘だったのか?
あるいは、「私の作ったものが苦手(だから言い訳した)」のか?
それとも、「美波の作ったものだけが好き」なのか?
見てはいけないものを見てしまった気がして、私は視線を逸らした。
机の中の教科書を握りしめる手が、小刻みに震えていた。
美波が私の方を一瞬見た気がした。
その目は、謝罪の色を帯びていたか、それとも勝者の余裕だったか。
確かめるのが怖かった。
(つづく)
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