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最終章:愛の残骸
#13:三年間、同じ人に渡し続けたチョコ Ep.01
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「はい、今年もよろしく」
「おう、サンキュー」
2月14日。
私は幼馴染の健斗にチョコを渡した。
もう3年目。高校入学してからずっと続く、私たちの恒例行事だ。
渡すのは、手作りのブラウニー。
健斗の好物だ。
「お前のこれ、マジでうまいんだよな」
健斗はその場で包みを開けて、パクっと食べる。
「安定の味」
そう言って笑う。
周りからは「夫婦かよ」と冷やかされる。
「付き合っちゃえばいいのに」と言われる。
でも、私たちは付き合っていない。
「幼馴染だから」という最強の免罪符で、この曖昧な関係を維持している。
私は健斗が好きだ。
でも、告白できない。
なぜなら、彼にとってこのチョコは「本命」ではなく、「幼馴染からの差し入れ」あるいは「幸運のお守り」として認識されているからだ。
中3の時、私がチョコをあげた直後に彼が高校に合格した。
高1の時、チョコをあげた直後にサッカーのレギュラーに選ばれた。
それ以来、彼は私のチョコを「縁起物」として重宝している。
「これ食うと調子いいんだわ」
そう言われると、嬉しい反面、複雑だ。
私は神社のお守りじゃない。
生身の女だ。
チョコに込めているのは祈祷じゃなくて、恋心だ。
でも、それを言ったらこの関係が壊れる気がして、私は今年も「巫女」のような顔をしてチョコを献上する。
「よかったね。今年もいいことあるといいね」
「おう。お前のおかげだわ」
健斗は私の頭をポンポンと叩く。
子供扱い。
もしくは、ペット扱い。
その掌の温度にときめいてしまう自分が、悔しくてたまらない。
(つづく)
「おう、サンキュー」
2月14日。
私は幼馴染の健斗にチョコを渡した。
もう3年目。高校入学してからずっと続く、私たちの恒例行事だ。
渡すのは、手作りのブラウニー。
健斗の好物だ。
「お前のこれ、マジでうまいんだよな」
健斗はその場で包みを開けて、パクっと食べる。
「安定の味」
そう言って笑う。
周りからは「夫婦かよ」と冷やかされる。
「付き合っちゃえばいいのに」と言われる。
でも、私たちは付き合っていない。
「幼馴染だから」という最強の免罪符で、この曖昧な関係を維持している。
私は健斗が好きだ。
でも、告白できない。
なぜなら、彼にとってこのチョコは「本命」ではなく、「幼馴染からの差し入れ」あるいは「幸運のお守り」として認識されているからだ。
中3の時、私がチョコをあげた直後に彼が高校に合格した。
高1の時、チョコをあげた直後にサッカーのレギュラーに選ばれた。
それ以来、彼は私のチョコを「縁起物」として重宝している。
「これ食うと調子いいんだわ」
そう言われると、嬉しい反面、複雑だ。
私は神社のお守りじゃない。
生身の女だ。
チョコに込めているのは祈祷じゃなくて、恋心だ。
でも、それを言ったらこの関係が壊れる気がして、私は今年も「巫女」のような顔をしてチョコを献上する。
「よかったね。今年もいいことあるといいね」
「おう。お前のおかげだわ」
健斗は私の頭をポンポンと叩く。
子供扱い。
もしくは、ペット扱い。
その掌の温度にときめいてしまう自分が、悔しくてたまらない。
(つづく)
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