【完結】異世界に行ったらイケメン騎士たちの愛玩人形にされました。~四人の騎士は砦の女王に溺れる~

たるとタタン

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番外編 カイ

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あの日、四人の獣をその身一つで従えて以来、砦の秩序は静かに、しかし確実に変貌していた。

男たちはゆきを女王の様に崇め、その寵愛を競い合うように、日々の任務に、そして夜の奉仕に励んだ。

そんなある夜、ゆきは誰にも告げず、城塞の最上階にあるカイの私室を訪れた。

そこは、無骨な机と羊皮紙の地図、そして武具だけが置かれた、王の仕事場であり、彼の縄張りだ。

「……何の用だ」

机に向かっていたカイは、振り返りもせずに言った。

その声には、ゆきが他の男たち――特に、反逆者であるはずのキースさえも許し、傍に置いていることへの、隠しきれない苛立ちが滲んでいる。

「貴方の顔を見に来ました。私の、一番強い獣の」

ゆきがこともなげに言うと、カイは椅子を蹴るようにして立ち上がった。

その巨体が、ゆきの前に立ちはだかる。

逆光で表情は読めないが、その瞳が獰猛な光を宿していることだけは分かった。

「俺を、他の奴らと同列に扱うな」

「あら、違うの?」

「当然だ。お前をこの世界で導き、その身体を最初に刻んだのは、この俺だ」

カイは、出会ったあの夜のように、有無を言わさぬ力でゆきの顎を掴んだ。

しかし、今のゆきはもう、怯えるだけの少女ではない。彼女はその手を振り払うことなく、むしろ、その視線を真正面から受け止めて、挑発的に微笑んだ。

「ええ、そうね。だから、確かめに来てあげたのよ。その烙印が、まだ消えずに残っているかどうかを」

その言葉が、引き金だった。

カイは唸り声を上げると、ゆきの身体を担ぎ上げ、机の上に乱暴に押し倒した。

散らばる羊皮紙の地図の上で、ゆきのドレスの裾が乱れる。

「ならば、思い出させてやる。誰がお前の最初の男で、唯一の王であるべきかをな」

彼は、ゆきの脚の間にその逞しい身体を割り込ませ、ドレスの薄い布地の上から、熱く硬くなった自身の存在を強く押し付けた。

布越しに伝わる、雄々しい熱と形。それは、ゆきの身体の奥に眠る、最初の夜の記憶を呼び覚ます。

「ん……っ」

しかし、ゆきはただ流されるだけでは終わらない。

彼女は、乱暴に唇を奪おうとするカイの胸を、一本の指でそっと押し返した。

「待って。……今日は、少しだけ、やり方を変えてみない?」

「……何?」

「いつも、貴方がいつも私に奉仕して、気持ちよくしてくれるでしょ? だからたまには、私の方が気持ちよくさせたいなとおもってね…」

ゆきはそう囁くと、地図の上で身体を起こし、今度は自らが、カイの鎧の留め金を、一つ、また一つと、ゆっくりと解き始めた。

その指先は、まるで宝物の封印を解くかのように、丁寧で、しかし有無を言わせぬ力強さがあった。

カイは、なされるがままになっていた。

女王の気まぐれな戯れを、プライドの高い王様が、ただ黙って受け入れている。

その倒錯した構図が、部屋の空気を濃密なものに変えていく。

鎧が剥がされ、鍛え上げられた肉体が露わになる。そこに刻まれた無数の傷跡を、ゆきは愛おしそうに、その指先でなぞった。

「貴方のこの傷は、私のもの。この力も、この身体も、全部」

彼女は、彼の胸に咲く古い傷跡に、そっと口づけを落とした。

そして、その舌はゆっくりと下へ、下へと、彼の身体の中心へと向かっていく。

「……っ、ユキ、よせ……!」

カイが、苦しげな、それでいて歓喜に満ちた声を上げる。

だが、ゆきは止めない。

彼女は、彼の象徴である熱い楔を、まるで赤子が乳を求めるように、その唇で優しく迎え入れた。

彼のすべてを、自分の支配下に置くための、儀式のように。

それは、カイが決して与えられることのなかった、絶対的な奉仕だった。

やがて、カイが限界を訴えるように喘ぎ始めた時、ゆきは顔を上げた。

「さあ、立ちなさい、私の獣。そして、今度こそ、その力で私を満たして」

もはや、主導権は完全にゆきのものだった。

カイは、もはや反論する気力もなく、ただ目の前の女王を求める獣と化していた。

彼は再びゆきを机の上に押し倒すと、今度はゆきが望むままに、その灼熱を、ゆっくりと、しかし確実に、彼女の最も奥深い場所へと沈めていった。

「あ……ぁ……っ」

隙間なく満たされる感覚。

熱い楔が、内壁を押し広げ、擦り上げていく。その度に、ゆきの身体はびくびくと快感に震えた。

カイの動きは、力強く、猛々しい。だが、その律動は、もはや一方的な支配ではない。

女王に捧げる、忠誠の証そのものだった。

彼は、ゆきの表情を、喘ぎ声を、その身じろぎ一つも見逃すまいと、必死に彼女を感じようとしていた。

「ユキ……ユキ……っ」

彼は、ただ、彼女の名前を繰り返す。

ゆきは、彼の首に腕を回し、その耳元で、最後の命令を下した。

「啼きなさい、カイ。私の名前を呼びながら、私の中で、果てなさい」

「あああああああっ……! ユキィィィィッ!!」

男の咆哮が、部屋を揺るがす。

凄まじい熱の奔流が、ゆきの身体の奥深くで弾け、彼女を再び、灼熱の頂点へと導いていった。

交わりの後。

カイは、汗だくのまま、ゆきの上に崩れ落ちた。その巨体は、今はただ、女王の腕の中で安らぎを求める、一匹の獣に過ぎない。

ゆきは、その汗ばんだ髪を、優しく撫でた。

「よくできました、私の団長さん」

その首には、もう、目には見えない、しかし決して外れることのない、女王の首輪が、確かに嵌められていた。

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