彼と姫と

蓬屋 月餅

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外伝

『いたずら』前編

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「ねぇ、霙」
「うん…?」 

 激しい嵐が窓や戸にガタガタという大きな騒音を立てさせている夜。
 農業地域にある離れの2階ではやけに上機嫌な様子の冴と、それとは対照的に静かに座って本を読む霙がいた。
 あまりにも激しく止みそうにない雨風のため、いつもよりずっと早く母屋から帰ってきていた2人。
 霙は部屋の片隅にある本棚のそばで長椅子にゆったりと足を伸ばし、なにやら小難しそうな本を読んでいる。
 普段からあまりそうして本を読む時間がないためだろうが、今の霙はとても集中していて、冴の呼びかけに応じはしても目線は本に向けたままだ。
 いつもならきちんと目を合わせて返事をしてくる霙が見せたその珍しい様子に、 冴も(邪魔はいけないか…)とそれ以上構おうとするのを止め、音を立てないように気をつけながら静かに階段を降りた。

 1階に降りた冴は茶でも淹れて霙に持っていこうかと思い立ち、調理場の棚に並ぶ茶葉などの容器を手に取りながらどの茶が良いかと真剣に悩み始める。
 外はひどい嵐だ。
 分厚い雨雲によって月明かりは完全に遮られており、畑の方はおろか外がどんなことになっているかはまったく分からない。
 時々遠くから稲光と雷鳴まで轟いてくるその空模様に、冴は思わず窓の外に目を向けて(畑は大丈夫だろうか……)と心配になる。

(こんなに風が強くちゃ…納屋も崩れちゃうんじゃないの?)

「冴、冴?」

 雨音に混じって2階の方から聞こえてきた呼び声に振り向くと、そこには階段を降りてきながらも「冴?」とさらに呼びかけている霙がいた。
 冴が「霙、どうしたの?」と少し驚いてみせると、霙も「どうした、って…お前こそ」と眉をひそめる。

「俺を呼んだだろ?なんでいなくなったんだ」
「あ…いや、なんでもないよ。本読んでるのに邪魔しちゃってごめんね」
「…悪かった」
「なにが?」
「……」
「そうだ。ねぇ霙、なにか飲む?」

 冴は戸棚の方に向き直り、「これは…この時間に飲むと目が冴え過ぎちゃうよね」といくつか手に取っては戻しを繰り返す。
 すると霙はいつの間にか冴のすぐ後ろに来ていて、「悪かったって…」と肩を抱き寄せてきた。

「えっ、霙?なに、どうしたの?」

 霙は目を丸くする冴に「怒るなよ…悪かったから、俺が」と再び詫びる。

「ちゃんと冴のこと見てるよ、俺」
「なに…怒るって?なんで僕が?な、なんのこと?」
「怒ってるんだろ…でも急に居なくなるなんて」
「え?い、いやいや、せっかく本を読んでるのに邪魔しちゃ悪いと思って…それでお茶でも淹れようかと思って降りてきただけだよ」
「……」
「なんで霙がそんなに落ち込んじゃってるの?僕は気にしてないよ、せっかくなんだしもっとゆっくり読んだら?」

 冴は本当に心から霙のせっかくの時間を邪魔するべきではなかったと思っている。
 そのため『もっと本を読んだらいい』というのも その言葉通りの意味で言っているのだ。
 しかし、どうも霙にはそれが『僕のことは放っておいていいから』というような、突き放すような意味に聞こえて仕方がないらしい。
 いくら冴が「本当に気にしてないってば」と言っても霙の表情は暗く沈んだままだ。

「ねぇ、霙。僕は霙が1人で過ごす時間も必要だと思ってるよ。僕達はずっとこうして毎日一緒だからさ、こういう時間もないと大変でしょ?霙が集中してなにかしてるなら、僕はそれを邪魔したくないんだ。これは僕の本心だよ」

 なだめるようにして言う冴は「ほら、本の続きを読みなよ」と霙の背を押すが、霙は「もうキリの良いところにいったし。もういい」と首を振る。

「昔読んだ本だから懐かしかっただけ。もう内容は全部知ってるから、いい」
「でも読んでて懐かしかったんでしょ?ちゃんと最後まで読んだら?」
「いや、それより俺を呼んだだろ。なに?」
「それは…まぁ、別にいいよ」
「言って。どうした?」
「い、いや…その、うーん……」

 自らを呼んだ理由を答えさせようとしてくる霙だが、冴は自分が考えていたことが考えていたことだけに 簡単には言い出すことができず、答えに窮してしまう。
 しかし霙も(冴がなぜ自分を呼んだのかを知るまでは絶対に離さない)というように抱きしめる腕の力を強めてきていて、このままではいつまで経っても開放されないとみた冴は観念したように「そんな…大したことじゃないよ」と苦笑した。

「別にただ僕は……まぁ、いつもより早く家に帰ってきてるし、早く寝る・・のもいいんじゃないかなって…思っただけ」

 あはは、と笑う冴。
 すると霙は言葉もなく冴の手を取り、そのまま1階の灯りを消してまわりながら階段を上がって寝台のある2階へと戻っていった。
 寡黙に手を引く後ろ姿が男性的な力強さに満ちている霙はそれまで穏やかだった冴の胸に一瞬で火を点ける。
 階段を上がりきってすぐ、冴は繋いでいる手を引き寄せて霙を振り向かせるとそのまま絡みつくようにして口づけ、そのまま少しずつ寝台の方へと押しながら部屋を横切っていった。
 やがて膝裏に寝台が当たった霙は大きく体勢を崩す。
 それでも冴は霙を離さず、口づけをしながらジリジリと迫り、寝台の上を移動させ、寝台の端の飾り板に背をくっつけさせた。
 それ以上後ろにはいけなくなった霙。
 冴はそれを待っていたとばかりに寝台の端へ隠しておいた縄で霙の両腕を一瞬の内に縛ると、そのまま手早く寝台に括りつけてしまった。
 寝台の飾り板の下の部分には磨き抜かれた良質な硬い木の柱が何本かあしらわれていて、その頑丈な造りは大人の男が乱暴に引っ張ったとしてもびくともしないほどだ。
 腕が完全に拘束されていると知った霙は「冴?」とわずかに視線を鋭くさせた。

「なんのつもりだ」

 すっかり身動きがとれなくなっている霙を見つめながら、冴は「ふふっ、霙を縛っちゃった。寝台に」と満足そうに言う。

「手首、痛くない?柔らかい縄だけど あまり引っ張ると食い込んで痛めちゃうと思うから、気をつけてね」
「…用意してたのか」
「うん。上手くいくか心配だったけど、すぐできて良かった」

 まったく悪びれる様子のない冴に「何がしたいんだ」と呆れる霙。
 すると冴はそれまでのいたずらっぽい様子とは打って変わった目つきになって霙の太ももの上に座り直した。
 今、冴の目の前には厚みのある立派な胸板をもった男が完全に無抵抗の姿でいる。

「何がしたいか、分かるでしょ」

 冴は口づけたばかりでつややかになっている霙の唇を指先でなぞった後、その指を顎、喉仏、鎖骨…と滑らせていき、寝間着である上衣の合わせ目へと差し込んだ。
 その中に隠された素肌をつつき、温かさを十分に感じてから片手をするりと潜り込ませた冴は、霙の左の胸を手のひらで覆うと、もう片方の胸の突起を衣越しに軽く食む。
 衣の布ごと右の乳首を甘噛しつつ、直接触れている左の胸の乳首にさわさわと触れてみたり、押してみたり、胸全体をくすぐるように撫でたりと様々なやり方で弄び始めた冴。
 普段はあまり胸で感じることのない霙もこの状況下ではさすがに反応せざるを得ず、時々熱のこもった吐息を吐く。
 冴は「もう固くしちゃったんだ…?」とわざわざ衣の合わせ目に顔を埋めて言った。

「僕に好き勝手されるのが好きってこと?抵抗できない中、次に僕がどんなことをするのかが気になるんでしょ」
「…この縄は解かないつもりなのか」
「もちろん。せっかく捕まえたんだもん、そんな簡単には逃がさないよ」
「こんな縄まで用意しておくなんて…何を企んでる?」
「んー…気になる?そうだよね…それじゃこれをつけといてね」

 冴は枕の下に手を差し込むとそこから帯状の布を1本掴みだし、それで霙の目を覆い隠すようにしてキュッと結んだ。
 後ろ手に縛られ、目隠しをされた霙は項垂れながらも「こういうのが趣味とは知らなかったな」と冴をからかって言う。

「これを手本にして今度は俺にやってほしいってことか」
「うーん、それも良いかも?でも今日はそういうつもりじゃない」

 冴は霙の視界が完全に遮られていることを確認すると、「見えないから…いっぱい想像しちゃうでしょ」と耳元に囁いた。

「僕が何をしてるのか、次にどうするのか、どこにいるのか…全部音と体に伝わる感覚からでしか分からないもんね。そう…そうやって色んなことをいっぱい想像してね、霙」

 冴はそのまま首筋の香りを嗅ぐようにして下へおりていきながら「僕、いつも思ってたんだ」と話し続ける。

「霙って1回ですごくいっぱいできるから…僕の方が先にクタクタになっちゃうんだよね。いつの間にか眠っちゃってることだってある。でもさ、僕はお互いにくたびれてトロトロになったまま…一緒にウトウトして眠るっていうのも好きなの。お互いに『もうこれ以上はできない』ってくらいになって、寝っ転がって見つめ合ったまま眠りたいんだ…」
「……」
「だけど霙は絶倫だから、普通にヤッたんじゃ必ず僕が先に もたなくなっちゃうんだよ。だからどうすれば一緒にクタクタになれるのかって考えて…それで、考えついたのが『先にいっぱい霙を気持ち良くさせとこう』ってこと」
「………」
「ねぇ霙…今、目隠しされてるから体の感覚がすごく敏感になってるよね?…その感覚だけに集中して、身を委ねててね。大丈夫、2回か3回出す頃には全部ちょうど良くなってるよ……僕も絶対 我慢できなくなってるって、断言する」

 冴はすでにかなり下の方にまで到達していて、霙の下半身がはっきりとした反応を示しているのをまじまじと見ることができている。
 しかし、どれだけ凝視しても霙は押し黙ったままだ。
 試みがうまくいきそうだという予感を感じつつ、冴は「1つだけ教えてあげる」と再び耳元に囁いた。

「今から衣を脱がすけど……紐は全部 口で解くからね」


 首筋、鎖骨、乳首。
 順番に上から口づけた冴は霙が着ている寝間着の上衣の留紐を咥えると、『これから解くぞ』と言わんばかりに2度軽く引っ張ってから、結び目が解けるまでしっかりと引っ張る。
 そして下衣の方のも同じようにして口で引っ張って解いてしまった。
 冴はひとまず下の方を後の楽しみにとっておくことにして、まずは はだけた胸元から覗く小さな乳輪の方をいじめることに決めた。

「……っ」

 襟元をかき分けて露わになった胸はすでにぷっくりと立ち上がっていて、まるで吸い付かれるのを待っているかのようだ。
 霙の息を呑む音、心臓の音をすぐそばに感じながら、冴はふっと短く息を吹きかけて左の乳首に吸い付く。
 口に含み、尖りをさらに確かなものにするべく舌でチロチロと舐めると、反応はすぐさま返ってきた。
 右の乳首は舌とまったく同じような動きを手で再現しつつ刺激する。

身動きのできない男の胸を
目隠しされている男の胸を
冴は自身のもてる全てで精一杯に愛撫している。

 冴自身、これはなかなか大胆なことをしていると理解しているつもりだ。
 こんなことは今までしたことがなかったために多少の後ろめたさなどを感じてもいる。
 だが、それと同時に激しく興奮し、この状況が楽しくて仕方がなくなっているのも事実だ。
 冴は霙の気を削いでしまわないようにと気をつけながら、愛撫している音をわざと響かせたりし始めた。
 時々霙の喉奥から聴こえてくるくぐもった声とピクリと反応する体。
 霙が押し黙りながらも愛撫で感じていることが分かり、冴はもっと大胆になって脇腹の辺りに吐息を吐きかけたり、霙に跨って抱きしめながら下の勃っているものを尻で軽く押したり、擦ったりする。

 完全にされるがままの霙は冴が下衣に手をかけると、『早く脱がしてくれ』とでも言うかのように腰を浮かせてきたのだが、まだまだ焦らし足りないと思う冴はすべて脱がさず、衣が持ち上げられている前の方だけを下にずらして霙の勃起した肉棒を露出させた。
 下衣に先端を引っ掛けるようにしてじっくりと下げたため、肉棒は解放された途端に勢いよく姿を現す。
 その勃起具合と勢いは凄まじく、先端が腹に当たってかすかに音を立てたほどだ。
 冴はそれからきわめてゆっくりと下衣の裾を引き、やがて完全に脱がせた。

「っ……」

 はだけた上衣に濡れた乳首、
 一糸纏わぬ下半身と勃起して腹にぴったりとくっついている肉棒…

 閉じている足の太ももを掴んでそれぞれ横に開かせると、冴はその真ん中に寝そべり、至近距離で霙の『それ』を眺める。
 興奮によって怒張し、いつもより色濃くなっている『それ』。
 間近で見ていてもなにも言われないのを良いことに、冴はすぐにでも触れたくなるのを堪えて肉棒を見つめつつ話しかける。

「ねぇ…すっごく大きくなってる…」
「……」
「興奮してるんだね…はち切れちゃいそうなくらいになってるよ?自分でも分かるんじゃないかな…ふふっ、ピクピクしちゃって…可愛い」
「……」
「これ、触ったらどうなるのか……あっ、だめだよ、動かないで…じっとしてて」

 足を動かそうとした霙の太ももを寝台に押さえつけると、冴は頬にじんわりと伝わってくる熱を感じながら太ももやへそといった部分に唇で触れていく。
 重要な部分には直接触れず、その周りをじっくり、ねっとりと。
 すると霙の肉棒はビクビクと動き、さらに一回りほど大きく勃起して冴を驚かせた。
 明らかにいつもの情事で目にする『それ』よりも大きい。
 もとより立派でずっしりとしているのに、今は凶悪ささえ感じるほどになっている。
 冴は堪らず人差し指で肉棒の先端をグリグリと押すと、先端から根本までまっすぐに通っている裏の筋を辿り、ぱっと全体を手のひらで握った。

「っ…!!!」

 突然、霙は腰をビクつかせるやいなや引き締まった腹に向けて盛大に白濁を散らした。
 粘度の高い白濁は付着した部分から美しい弧を描く雫となって腹を滴り落ちていこうとする。
 腕を拘束され、目隠しまでしている霙が自らの白濁で腹を汚しているというその様は冴にとってとんでもなく淫美なものであり、一切の我慢を取り払ってしまう。
 冴は自らの上衣と下衣を脱ぐとそれをわざと音が立つようにして寝台の上に放り、「霙…今のが『1』ね」と言って霙の腹に散らばった白濁の上から指で大きく『1』と書いた。

「ちょっと触っただけなのに…そんなに気持ちよかった?すごくたくさん出たよ…分かる?霙のお腹がベトベトになっちゃってるの…」

 冴は霙に跨って抱きつき、口づけながら腹部を擦り付けて白濁を塗り拡げる。
 体を大きく動かすとその分ヌチャヌチャという音も大きくなり、少し落ち着いたようだった霙の肉棒も再び硬くなりだした。

「これ…拭いてあげるね」

 霙の上から降りた冴はそばの小机に手を伸ばして薄紙を何枚か取ると、霙と自らの腹にべっとりと付いた白濁を丁寧に拭き取っていく。
 その間にもまた同じようにピクピクと動き出している霙の肉棒。
 その誘うような動きに誘われ、冴は霙の肉棒の先端にある大きな膨らみをパクリと頬張った。
 精を放ったばかりのため、その味は濃厚な精液のそれ、そのものだ。
 しかし冴はそれをさらに味わうかのように先端をペロペロと舐め、中に残っているものを吸い出そうとし、さらには鈴口に舌先をグイグイと挿し込もうとする。
 その刺激のあまりの強烈さに、霙は「っぐ……」と喉から苦しげな声をもらした。
 口内にあるものは一層拍動を強めていて、冴も奥深くまで咥えこんでは先端が口から抜けきるほどに勢いよく頭を動かすということを何度も繰り返す。
 唇をすぼめているため先端が口から抜き出る時にはとんでもない締めつけを体験することになるのだが、それは霙から喘ぎ声を引き出すのにも非常に効果的であり、それまでほとんど押し黙っていた霙から「うっ、あぁっ、あっ…」という明らかな快楽の声を断続的に引き出している。
 ちゅぽん、という音が何度も繰り返された後、冴がさらに強く、勢いよく舐め上げたところで霙は2度目の射精をした。
 口から抜き出した直後に射精されたため、白濁はすべて冴の頬や目元に飛び散る。
 紅に色づいた肌に白濁が付着した冴の姿は…非常に美しい。
 まるでほろ酔いになった天女が真珠の雫を浴びて化粧を施したかのようだ。
 そんな冴の姿を見ることのできない霙はかなり惜しいことをしていると言えるだろう。
 冴は「すご……これで『2』ね」と微笑みながら薄紙をさらに2枚取って顔を拭った。

「はぁ……まだまだ元気だね、霙…でも、これじゃまだ僕が負けちゃうから……あと『1』はしなきゃ」
「う……」
「大丈夫、その前に僕も『準備』するから…そのまま待っててね…ふふっ、すぐ霙のが挿入はいるように…柔らかくするよ」

 霙の耳朶をかじりながら囁いた冴はあらかじめ用意しておいた寝台の隅の包みから滑らかな石製の棒を取り出すと、小机から取った瓶を傾けて手や棒に油を塗りたくる。

「ははっ…これ、僕も……すごく興奮しちゃう……」

 冴は足を広げた霙の股の間に上体を伏せ、唇を噛み締めている霙を見上げながら指を自らの秘部に挿し込んだ。

ーーーーーーーー

「うっ…んん、んっ……はぁ…」

 クチュクチュという音と共に聴こえてくる冴の悩ましげな声。
 目隠しをされている霙が感じ取れるのは、外の激しい雨音に混じって辺りに響く音や股の間の寝具が時々擦れて動くことのみだ。
 それらからはっきりと分かるのは、冴が自らの手で秘部に石の棒を抜き挿ししながらほぐしているということ。
 上体を伏せ、尻を高く掲げた状態でそれをしているのだと推測する霙。
 おそらく目隠しがなければ…目の前に2つのまん丸とした尻の肉と、その間に石の棒を深くまで呑み込む冴の淫らな姿を見ることができるだろう。
 そんな光景が身動きの取れない自らの股の間で行われているというのは、霙になんとも言えない恥辱をもたらす。
 手を縛られ、目隠しをされ、完全に今夜の主導権を奪われている霙は目の前で喘ぎ声をもらしながら秘部を弄っている冴に対して(これ以上思い通りにさせてたまるか)というような思いを抱いており、これからなにをされたとしても反応するまいと心に決めて唇を噛み締めていた。
 …だがそんな決心は「あっ…そこ、だめ……っ」という声に大きく揺らがされることになる。

「うっ、あぁっ…やっ、だめ、だめだめ、そこ……だめ、やめて……っ」
「………」
「あっ、だめだってば、そこ…そ、そこっ、うぅっ…きもちい…きもちいからっ、もうやめ、て…」

 冴の秘部に何かが出入りする音が絶えず聴こえてくる中、霙は目隠しの下で目を見開き、今の状況がどういったものなのかとひどく混乱していた。
 目の前にいるのは…本当に冴1人なのだろうか?
 『だめ』というのは、一体何に向けての言葉なのだろうか。
 どうも見知らぬ第三者がいるようにしか思えないが…そんなことがあり得るのだろうか?
 冴が誰かをこの家に引き込み、大胆にも目の前で後ろを触らせるなどということがあり得るのだろうか。

(…ありえない)

 そう、まさか冴がそんなことをするはずがない。
 霙は(どうせこれも冴の悪ふざけに違いない)(反応すれば冴の思うツボだ)と無視することに決め込んだのだが、直後、「あっ…あっ、だめ…っ」という喘ぎ声と共に衝撃的な言葉が聞こえてきた。

「「霙…霙が目の前に、いるのに……っ…うぅっん、やめて…やめて、イッ…イッちゃう……霙の…霙の前でこんな……んぅぅっ!」」

……

『霙の前で』

 その言葉は一体、誰に、何に向けたものなのか。
 霙が想像していた目の前の光景は、一瞬にしてとんでもないものに変化していた。

 自らの股の間で上体を伏せている冴と、その後ろにいる『誰か』。

 自らが目を塞がれ、身動き1つできないこの状況で、その『誰か』は冴の秘部に何かを挿し込み、喘がせている。

(あ…ありえない…そんなこと)

《でも1人でしているようには思えない》

(大体、その『誰か』はいつここに来たんだ?)

《外の雨音が強すぎる。誰か入ってきても気づかないだろう》

(いや、気づかないはずがない)

《そうは言い切れない。俺はさっきまで周りのことなんか気にする暇もなかった》

《寝台と この寝具の動きは…本当に冴1人によるものなのか?》

 考えを否定しようとすればするほど、今目の前にいるのが冴1人であるという根拠が何一つ無いように思えてしまう霙。
 不安、怒り、戸惑い、そして焦り…
 霙は言い表しようのない思いを胸に、なんとか目の前で起こっていることを確かめようと足を動かした。
 冴がどのようにしてそこにいるかが分からないため、誤って蹴ったりしてしまわないよう、慎重に…。
 だがほんの少し動かしたところで右の太ももを強く掴まれる。
 右の太ももの内側の柔らかなところに温かな吐息が触れ、すぐそこに冴の顔があることがはっきりと分かってしまった。

 変わらず喘ぎ声を発し続けている冴。

 霙はどうすることもできない歯痒さと太ももに感じる冴の吐息に触発され、縛られている腕を力任せに引っ張って片手だけでも自由にさせようと試みる。
 しかし、いかんせん縛りつけられている寝台と縄は丈夫なものであり、まったくびくともしない。
 それでも何度か力を込めていると、耳に引っかかっていた目隠しの帯がするりと落ち、急に目元の拘束が緩んだ。
 緩くなった目隠しを首を振ってさらに下へ滑らせることでなんとか視界を確保した霙。
 明るさに慣れない目を細めて目の前を確認すると…そこには後ろに石の棒を抜き挿しして喘ぐ冴の姿があった。

ーーーーーーーー

「んんぅっ、うっ…はぁっ、はぁっ…!!」

 自ら石の棒を抜き挿しし、中の一点をしきりに刺激する冴。
 秘部からは潤滑剤として使用している油が溢れ出し、縁をツヤツヤとなまめかしくさせている。
 霙は冴の秘部に石の棒が出入りするのを眺めながら…やはりじっと押し黙っていた。

「はぁっ…そろそろ止めなきゃ……イッちゃう…」

 手を止めて息を深く吐いた冴は、そこでようやく霙の目隠しが外れていたことに気付き、「見てたの…?」と妖しく微笑む。

「僕がこんなことしてるの見て…興奮した?」
「……」
「もしかして『誰かいるんじゃないか』って心配になっちゃった?それで興奮してたりして…」
「…わざとだろ」
「ふふっ…うん、そう、わざとだよ…わざと言ってみた」
「…」
「ん…ねぇ、僕が何を想像してたか分かる?ふふっ…僕ね、今、もう1人の霙にいじわるされてるのを想像してたんだ…」
「…二度とするなよ」
「だめなの?」
「……」
「でも…そう言うわりには、すっごくガチガチになっちゃってる」

 冴は抜き出した石の棒をそばに置くと、霙ににじり寄り、すっかり固くなっている肉棒を ちょんちょん とつつく。

「2回出した後だなんて信じられないよ…まだ1回も出してないみたい……」
「……冴」
「後ろは ほぐしたし、もう中にほしいんだけど……でもあと1回は出してからのほうが良いと思うし、僕もせっかくなら試したいことがあるから…」

 そう囁きながら霙に口づけた冴は目を合わせたまま四つん這いで後ずさると、石の棒が入っていた包みに再び手を伸ばし、そこから細い金属の棒を取り出した。
 そう長いものではないが、それは元々飲み物をかき混ぜるためのものだったに違いない。
 だが霙はそれを見るなり「冴!」と鋭く言う。

「どうしてそれを持ってる、いつ…」
「隠したつもりだったの?すぐ見つけちゃったよ…」
「やめろ、危ないだろ」
「でも…すごいんだよ」
「やめろ!」

 霙が止めようとするのも聞かず、冴は足を開いて霙の太ももの上に座ると、金属の棒全体に油を塗りつけてふぅっと息を吐いた。

「こんなの見せちゃうって…僕、おかしいよね…」

 足で霙の体を挟み込む冴。
 すると次の瞬間、冴は自らの固く勃った肉棒を一撫でしてから先端の鈴口に金属の棒を突き立てた。

「ひ、いっ……」

 苦痛に眉をひそめる冴。
 ただ見ていることしかできない霙の目はかすかに血走り、やや凶暴さが増している。
 冴の肉棒に突き立てられた金属の棒は角度を変えることでスルスルと呑み込まれていき、やがて端の飾り以外はすべて肉棒の中へと納まってしまった。
 それを見せつけるようにして撫でた冴は、飾りの部分を親指で押さえると、さらに苦しげにしながらも中へと棒を押し込むようにする。

「いっ…ぅああっ、いた…あっ、きもちい…いいっ…うぅ…っ!!!」

 一体、冴がこれを覚えたのはいつのことだったのだろう。
 ある日、霙は隠れるようにして冴が自らの肉棒に金属の棒を挿し込んでいるのを見つけ、すぐさま何をしているのかと問いつめた。
 肉棒の奥深くをこうして刺激すると信じられないほどの快感が奔るのだと言う冴だが、肉棒に、つまりは尿道にそんな異物を挿し込むのに苦痛が伴わないはずもないだろう。
 驚くと共にそのあまりの危険さを警戒した霙は『もう2度とするな』とその棒を取り上げてそれらしきものはすべて見つからないようにしていたのだが…冴は見つけ出してしまっていたらしい。

 ゆっくりと棒を出し入れしつつ、眉をひそめて「うぁっ、ああっあっ!!」と大きく声をあげる冴。
 太ももが触れ合っているにもかかわらず、他の部分には けっして触れることができないという状況でそんな姿をまざまざと見せつけられる霙はあまりにも哀れだ。
 やがて冴は「だ、だめ、これ以上は……」と荒く息をしながら呟くと、霙の視線を下に向けさせ、棒を引き抜く様をじっくりと見せつけた。
 先端が肉棒から完全に引き抜かれると、冴はほんの少し水をそこから滴らせる。
 それを見た霙が拘束されている腕を強く引っ張って寝台を軋ませたため、冴は霙に抱きつきながら「ん…壊しちゃだめだよ、霙…」と上気した声で囁き、下腹部を擦り付けて互いの性器を刺激し始める。

「霙…僕、もう霙のが欲しくてたまらない……」
「…うっ」
「これで中をかき回して欲しい……このすごく固い、おっきいやつで…いっぱい…」

 すでに挿入しているかのように体を動かし、何度も耳元に「霙…みぞれ、好き…」と繰り返す冴の色っぽさは尋常ではない。
 敏感になりきっている肉棒を強く腹部に押し付けられるようにして刺激された霙は「みぞれ…イッて…」という冴の囁きが耳に聴こえたその瞬間、くぐもった声と共に今夜3度目の射精をした。
 回数を感じさせない量と質の精液は2人の下腹部に散らばり、冴の肉棒をも汚す。
 冴は力の入らなくなっているような霙に口づけ、薄紙で白濁を軽く拭いながら「ねぇ霙…あと1回、あと1回はできるでしょ…?」と艶めかしい声で迫った。

「あと1回…最後は僕の中で出して…ね、あと1回…」
「はぁ…冴……」
「もう挿れちゃうから、これ…挿れて僕の中、突いてもらう……」

 いじめ抜かれた霙のものはさすがに勢いを失っていたが、冴が触れて少し擦ったことでまたすぐに挿入ができるほどの固さを取り戻す。
 冴は満足気に微笑むと、それを手で支えたまま腰を下ろし、秘部に先端を押し当ててふぅっと息を吐いた。

「……っあ、あああっ」

 体内を霙の肉棒がゆっくりと拓いていく感覚。
 それは焦らしに焦らした先でついに迎えた、待望の瞬間だった。
 絶妙な太さ、大きさ、形をした霙の熱く拍動するものは挿れているだけで目も眩むような気持ちよさをもたらす。
 冴は最奥まで呑み込み終えるとさらに尻をグリグリと押しつけながら霙に抱きつき、 はぁはぁ と甘ったるい吐息を聴かせた。

「はぁ…あぁっ、これこれ……きもちい…きもちいよ、みぞれ…」

 しばらくそうして奥深くで味わった後、体を上下させて抽挿を始めた冴。
 霙の亀頭が体内の特に敏感な1点を擦り、押し潰し、引っ掻く度に堪え難いほどの強烈な快感が全身を駆け巡り、足の力は抜けてしまう。
 少し休んで動き、また少し休んでは動くということの繰り返しは絶頂まであと少しだというところを長く彷徨わせることにもつながっている。
 絶頂に達するには連続して体を動かさなければならないだろう。
 冴はほとんど霙にもたれかかるようにして抱きつきながら呼吸を整えると、すべての力を振り絞って激しく体を上下させ始めた。
 頂点が近づくにつれて一層引き締まっていく冴の体内は霙のものをもキツく包み込み、どちらの快感も高めていく。

「ううっうっ、はぁっああっあっ、イ…イきそう…イっちゃ……」
「………っ」
「イ…イク……はぁっ、みぞれ…みぞれっ……イ、クっ…っ!!」

 ガクガクと腰を震わせて絶頂を迎えた冴。
 それと同時に霙も眉根を寄せた苦しげな表情になりながらドクドクと白濁を吐き出し、天井を見上げるようにぐったりと頭を後ろに反らせた。
 興奮のせいで汗ばんだ互いの肌は なぜだかとても良い香りがする。
 冴はそのままの体勢で自身の肉棒を扱って白濁を霙の腹に散らすと、やりたいことをすべてし終えたという満足感や達成感に酔いしれながら霙を抱きしめてうっとりと目を閉じた。
 少しずつそれまで燃え盛っていた欲情の炎が小さくなっていくのを感じると、今自分のしたことがどれだけ恥知らずで、大胆で、いじのわるいことだったかと少しばかり冷静になり、そこはかとなく恥ずかしくなってくる冴。
 だがそれで霙と気まずい雰囲気になるのも嫌だ、と冴はわざとらしく明るく振る舞うことにした。

「霙…僕、すっごく気持ち良かった…ふふっ、もう、クッタクタになっちゃった……」
「…冴、俺が悪かったって言っただろ」
「んん…それは関係ないって言ったでしょ?それのせいでこんなことしようと思ったんなら…こんなに色んな物の準備ができてるの、変だもん」

 霙の頬に手を添えて軽く口づけた冴は「でも、そういうことにしておこっか?」とキュッと目を細めて笑ってみせた。

「話しかけたのに寂しかった…だから意地悪しちゃった、霙に」
「…分かったから、もうこれを解いて」
「うん、いいよ。もう放してあげるね…」

 冴は愉快な気持ちになりながら霙の両腕を縛りつけていた縄をスルスルと解き、自由になった両手首に跡がついていないかと心配してよく眺める。

「ちょっとだけ跡が…でも少し赤くなっただけだね?痣にはならないと思う。…ねぇねぇ、僕の縛る力加減は絶妙だったでしょ?今度からたまにはこうやって縛っちゃおうか?」

 クスクスと笑う冴は足に力を入れ、霙のものを体内から引き抜こうと腰を上げた。
 だが霙はその肩をぐいっと掴んで再び下に押さえつける。
 冴が驚いて息を呑む間に霙は冴を素早く押し倒し、腰を激しく打ちつけて抽挿を始めていた。

「あっ、あっ、みぞれ、みぞれ……!?」
「……」
「や…ぁっ…は、はげしっ……!!」

 指を絡ませた手を寝台に押さえつけられ、グチュグチュという音を響かせながらされる激しい抽挿は完全に意表を突かれていたということもあって冴を強引に絶頂へと追いやっていく。
 何がどうなっているのか、まったく理解できないまま体の奥底から込み上げてくる抗いようのない快感に目を白黒させる冴。

「イっ……イイっ、イク…イッちゃう…!みぞれ…みぞれ、イクぅ…うぅっ…!!」

 絡められていた霙の指が緩んだ隙に冴は両腕を霙の体に回し、四肢すべてを使って息も止まりそうなほど強くしがみつきながら絶頂に備える。
 霙も同じように力を込めて冴を抱きしめながら最後の強い一突きを繰り出した。

ーーーーーーーーー

「…ねぇ、結局今夜…何回射精したと思う…?」
「………やめてくれ、冴」
「ふふっ…」

 やりたい放題をしたせいで もはや見るに耐えないような惨状となった寝台の上にぐったりと横たわり、細々と言葉を交わす霙と冴。
 その気怠げな雰囲気は甘く、くすぐったい。

「もう今夜は…いいの?」

 胸のそばから霙を見上げていたずらっぽく笑う冴に、霙は「さすがに無理だ…」とため息をつく。

「これ以上は もう…」
「ふふふっ…こんなに沢山したら…そうだよね」

 冴はすでに体をくっついているにもかかわらず、甘える猫かなにかのように霙に身を擦り寄せる。

「絶倫の夫をもつと…とっても、とっても大変だよ」

 そう言って笑う冴を、霙は困り顔でため息をつきながら抱きしめた。
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