落ちこぼれ精霊使いの英雄譚

朧月

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第1章 出会い

精霊使い

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第1話

ある世界の果てに、漆黒と純白の双剣を構えている青年がいた。

「アテナ、ペル! 最後だ行くぞ」
「ええ、オスカー行きましょう」
「はい、オスカー」
「覚悟冥界神ハデス」

「「「神殺しウロボロス」」」

その言葉と同時に2対の双剣は黒と白の膨大な精霊力で溢れそのままハデスを切った。

しかし三人の大健闘にもかかわらず倒しきることが出来ず封印したらしい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~


時は流れ精霊歴2007年。

この世界は人族、エルフ、ドワーフ、獣人、魔族の5種族がそれぞれ別々の大陸に住んでいた。

これは、人族の住むユーラント大陸に住む落ちこぼれな男の子の物語である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ある大きな洞窟の入り口の前に幼い男女2人が立っていた。

「レイお兄ちゃん今日は精霊使いの日だね!!!」

「うん、そうだね!エリー。実は僕少し緊張してるんだ! もしかしたらこれでお父さんが僕の事を見直してくれるかもしれないからね!!」

「そうだと良いね!!」

精霊使いの日、それは七歳になった子供たちが自分の精霊と契約する「精霊使いの儀」を行う日。

というのも、七歳になった子供が精霊の住み家である祠に赴き、契約するのである。

精霊にはランクがあり上から「神話級」、「伝説級」、「絶級」、「超級」、「上級」、「中級」、「下級」、となっている。

ランクが上がるにつれて精霊の知能も高くなる。

書物に書かれている伝説には神話級精霊は人型をとると言われている。

しかし、神話級の存在は現在確認されておらず、伝説級も7体しか存在が確認されていない。

「お父さんも酷いよね、レイお兄ちゃんの精霊力も精霊ランクも分からないのに落ちこぼれと決めつけて差別するなんて、ましてや四大貴族のランベルト家の長男なのに!」
「しょうがないよ、四大貴族といえばこのローランド帝国の皇族の次に偉い家柄、なのに魔法が使えないんだから、精霊だって……」

この世界にには精霊と契約し精霊力を消費して発動する精霊魔法と魔法力を消費して発動する魔法が存在する。

精霊魔法と比べてとても強力である。しかし魔法力がある人間は10万人に1人かつ才能に依存してしまう為この世界に魔法士は少数しか存在しない。

「お兄ちゃんには武術の才能があるじゃない。それにまだ、精霊の才能はわからないよ?」

「確かに武術の才能は少しあるかもしれない。だけど武術が出来てもこの世界では活躍できない。だから今日の精霊使いの儀、少し緊張しているんだ。」

「そっか、頑張ってね! お父さんに見直してもらうためにも」

「うん、じゃあ行ってくるね!」

そういって足早に洞窟の入り口に歩いて行くのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


どんどん奥に進んでいくレイ。

「なんか暗くて不安になって来ちゃうなー、でも頑張らなきゃ」
と自分を励ましながら進みついに洞窟の最深部までたどり着いたレイ。

そこにはこの世とは思えないほど幻想的な世界が広がっていた。

「うわーー、なんか沢山精霊様がいるー。ここで自分に近づいてきた精霊と契約するんだっけかな」

しかしそこでレイは違和感を感じた。

「あれ……なんか精霊が……逃げていく……」

そう、先ほど悠々としていた精霊たちがレイを見た瞬間一目散に逃げて行ったのだ。

「なんでなんだ?」

その時ふと、何か聞こえてきた

「オ  …ス…カ様?」
「ん? 今何か聞こえたような」
「オスカー様????」
「っっっ!! 確かに今何か聞こえた。オスカーってあの伝説の勇者オスカーの事かな? そういえばこの祠には勇者オスカーの使い魔が封印されているって聞いた事ある気がする。行ってみるか」

と声のする方へ進みだしたレイ。
この時レイはまだ知らなかったのだ。この精霊の住まう祠の奥に進む事は、禁忌であるということを。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

声のした方へどんどんと進んでいくレイ。

「確かこっちの方から聞こえたと思うんだけど...」

と言いながら歩いていると、レイはふとある光を見つけた。

「なんだろうあの光は、あそこから声がしたのかもしれない」
レイは駆け足でその光へ近づいていく。

そこには一振りの漆黒の長剣が刺さっていた。

「これは.......剣精霊なのか?.....」
その瞬間、

「あなたは...誰ですか?私は誰ですか?」

とどこからともなく声がした。

「え?今の声はどこから。まさか、この剣が喋ったのか?.....」
その瞬間剣が発光した。

そして目を開けたレイの前には、この世のものとは思えないほど顔が整った銀髪の少女が立っていた

「話したのは私です。もう一度問います。あなたは誰ですか? 私は誰ですか?」

「僕はレイ=ランベルト。君のことは知らないや。ごめんね。でもさっき君、オスカー様とか何とか言ってなかった?」

と言いながら首をかしげるレイ

「オスカー...? なんだがとても懐かしい響きな気がします。しかし、何故だかわからない。それより、あなたは私と契約しに来たのですか?」

「そっか.....。契約??? いや、そういう訳じゃないんだけど...僕と契約してくれるの?」

「あなたが望むなら私はあなたと契約しましょう」

と手を差し出す謎の剣精霊。
その手を取りながらレイは、

「僕と契約して欲しい。いついかなる時も僕と共に歩んで欲しい」

「かしこまりましたマスター。では契約の義を行います」

「契約の義?」

首をかしげているレイに剣精霊は、

「高位精霊との契約は口と口を合わせること。要するにキスです」
「キスっ?!?!」

と顔を真っ赤にするレイ。

それを無視しながら剣精霊は

「儀式の前に私に名前を付けてくださいませんか?」

「名前かぁ、実は君を見た時から何故だか頭の中を駆けめぐる名前があったんだそれは……」

深呼吸をするレイ。

「それは?」

「それは……ペルセフォネ。略してペルだ」

「ペルセフォネ?……ペル……うん、私もなんかしっくり来ます。では契約の義を」

と言いながらレイを正面から見るペル。

「うん、じゃあ行くよ。ごホッ」
咳払いするレイ。

『我はここに請願する、いついかなる時も我と共に歩みを進めることを。我、レイ・ランベルトの名のもとに我と契約せよ』

「イエス、マイマスター」

二人の唇が重なる。


その瞬間世界が真っ白になるほど光った。

「これから宜しくお願いします。マスター」
「こちらこそよろしくね、ペル」

ここからレイの壮絶な戦いは始まるのだった。
 
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