エリート先輩はうかつな後輩に執着する

みつきみつか

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2 ある七月の暑い夜

十 なのでこうした②(※)

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 中を洗われるだけでも相当疲弊したのに。俺は泣きながら、許しを請いながら、腕をつかまれて廊下を引きずられている。
 ベッドに連れて行かれたら終わりだと思って頑張って抵抗して、寝室のドアノブをつかむ。ドア板に縋りつく。
 ここからテコでも動かない構えだ。ドアも道連れだよ。
 すると、カズ先輩は少しため息を吐いた。とられていた腕を離される。
 俺はほっとしてその場に座り込んだ。
 はあ……。諦めたのかな。諦めてくれ。
 カズ先輩はどこかへ行って、一瞬で戻ってきた。
 バスタオルと、大きめの平たいクッション?
 先にノズルみたいなののついた、見覚えのあるボトル……。

「はい、ここに寝て」

 と、バスタオルとクッションを後ろに敷いて、カズ先輩は俺の胸を押す。
 ドアノブから手を離していた俺は、背中からクッションに倒れ込む。
 フローリングに肘をついてしまい、ゴン、と音を立てた。

「っ――」
「うわ、痛かったでしょ。今の。ごめん、大丈夫?」
「あ、はい」

 と、カズ先輩は、俺の肘をさすり、俺の両足を抱えあげながら引き寄せて、自分の両肩にのせた。
 冷たい。ローションを垂らされる。カズ先輩の指が入ってくる……。

「いや……」
「そう力まず、リラックスして、大丈夫だよ、タキくん。あんまり抵抗すると痛むよ。どうせ入れるんだもん。痛くないほうがいいでしょ。ね」
「ゆ、指増やさないで、待って、カズ先輩っ」
「深呼吸して」

 はあ。
 ため息になる。

「すごくいい子」

 カズ先輩は着衣で、ズボンの前だけを開けて、下着の隙間から取り出す。きのう、こすりあった巨根。
 入れないって言ったのに。あんなに約束したのに。
 いや、約束とかなかったレベルで色々されたけど。
 昨晩されなかったのは入れなかったことだけの気がするけど。
 その唯一の誓いも破るんですか?
 ローションで軽く扱いている。みるみる形がはっきりしてくる。すぐ臨戦態勢。ばっきばきになってる。でかいって。羨ましい。今は恐怖でしかない。
 俺はカズ先輩から逃れようと身体を捻って足を移動しようとしたり、横移動を試みて、カズ先輩に阻止されたりする。
 俺はカズ先輩の胸板を手のひらで押しながら言った。

「わかりました、カズ先輩、俺、会社やめます。すぐにやめます。だからカズ先輩も今すぐやめて」

 こうなったら転職だ。

「遅いよ……」

 指なんかじゃない、もう、明らかに許容量超えてるものが、狭い窄まりに押し当てられる。ローションの力を借りてスムーズに、めり込んでくる。
 こじ開けられる。

「やめて、カズ先輩っ、入れないで、やめ、やめるから。やめて、しないで、お願い」
「会社は、すぐにやめようね……」
「ぅああああ……!」

 みちっという粘着質な音と、広げて、ぐうっと入ってくる感覚。
 少しずつ掘るようにしながら、カズ先輩が俺にのしかかってくる。密着してくる。
 カズ先輩は、俺の髪をくしゃくしゃにまぜる。

「ああ……タキくん。前よりも入れられるの上手だよ」
「ひっ、あっ、……っ、はっ、はあっ、い、いや」
「ん……そう。そうやって、息を逃して」
「は、はあ、あ……」

 頬やら額やら、瞼の上にカズ先輩は唇を当てる。髪を撫でながら、俺が流した涙を舌ですくいとる。
 俺は恐る恐る目を開けた。
 カズ先輩と目が合う。
 真剣な表情。たぶん素顔。本性ともいう。本能に支配されてる。

「ほら、犯してるよ。俺が、タキくんを。タキくん、俺に犯されてる。よく見て。誰にやられてるのか、その目に焼きつけて」
「カズ先輩、最ッ低……」
「タキくんの泣き顔、可愛い。あーあ、またエッチされちゃったね、タキくん。ぎゅってしたい」
「やめ」

「ぎゅー」といいながら、そしてきつくのしかかりながら、カズ先輩は全部を押し込んだ。
 床に押し付けられて、ねじ込まれながら、舌まで入ってくる……。
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