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3 ある八月の熱帯夜
一 ストーカー野郎
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八月下旬。金曜日。午後五時。
俺は、駅の近くにある居酒屋の前のベンチでひとり、スーツ姿のままカバンを小脇に抱え、営業所の人たちがやってくるのを待ちながら、携帯電話に次々と入ってくるメッセージに返信している。
相手は暇人なのか、すぐに既読になって返事が来る。ほぼチャットになる。
『仕事やめた?』
『まだです』
『いつやめるの?』
『まだやめられません』
『約束したのに?』
『カズ先輩も約束守らなかったじゃないですか?』
おたくのほうこそ、俺との約束、ひとつでも守ってくれたの?
『タキくんの嘘つき』
『カズ先輩のほうが圧倒的に嘘つきですし』
カズ先輩の言うことってぜんぶ嘘。
『いつまで名古屋にいるの? 長期間だね?』
『ちょっと待ってください。なぜ俺が名古屋にいるって知ってるんですか?』
まさか尾行とか。GPSでもつけられているのか。
『どう思う?』
俺は夕暮れの空を仰ぐ。ふざけるなよ、犯罪だろ。
『冗談でしょ』
『会いにいってもいい? 近くにいるんだけど』
メリーさんかよ。
『怖いからやめてください!』
そこで俺は返信を放置することにした。
はあ、もうやってらんない。名古屋に来てるなんて俺は一言も報告していない。絶対にGPSついてる。嘘であってほしい。嘘だといってくれよ。嘘は大得意っしょ。
うわ、GPS……。どこにどうやってつけられてるのかわからない。そんな機械、見当たらないもん。いったい、いつからついてんの。
と、道の向こうのほうから営業所のメンバーが歩いてくる。四人。俺と合わせて五人。今日は飲み会。物凄く心細かったので、ほっとする。
俺が立ち上がると向こうが気づいて手を振ってくれる。
「おーい、相田くーん。お疲れー。待たせたねー」
「所長! 皆さん、お疲れさまです!」
「さっそく入ろうか。相田くんは飲めるの?」
「はい! 飲みます! 楽しみです!」
俺は三週間ほど前から、名古屋にある営業所に応援に来ている。
こちらの主力だったスタッフが長期入院することになって、しかも産休予定だった人がいて、人手が足りないので行けといわれたからだ。
営業所はもともと六人のところ、四人になって、俺が一人追加。正直忙しいけれど、所長がいい人なのと、午後八時には必ず皆で帰るのと、仕事をポジティブにしようという風潮があって、とても楽しい。充実とはこういうことだと実感している。
後ろのポケットに突っ込んだ携帯電話に、メッセージが入ってくる振動が何度もする。
しつこいな。全部無視だわ。
と、別のSNSの通知がある。これは本社だ。振動の種類を変えているからわかる。短くて小刻みなバイブレーション。俺は携帯電話を取り出す。
営業事務から、俺宛てのコール通知のメッセージが入っている。
『非通知、会社不明、オノデラ様(男性)、相田さんいますか。長期不在回答済。折返し不要とのこと』
おい! 小野寺和臣!
カズ先輩、東京の本社に電話を掛けたのかよ。ふざけんなよ。ストーカー野郎。俺が名古屋にいるってわかってるだろ。嫌がらせだろ。いたずら電話だろ。
俺は携帯電話をふたたび後ろポケットに突っ込む。
テーブル席について、五人で乾杯する。嫌なことは忘れて、楽しく会話したい。ほんっとに、嫌なことを今すぐ忘れたい。
「相田くん、助かってるよ。ありがとうね」
「なんでもしてくれてほんと助かる。相田くん」
「いえいえ! なんでも言ってくださいね!」
俺、こっちのスタッフになりたいなぁ。
夏だからっていうのはあるけど、仕事終わったらまだ外が明るいなんて何年ぶりって感じ。一周回って明るいことはあるけど。
残業代も固定残業代の範囲内で、せいぜい一日二時間。ウィークリーマンションだって、築四十年のアパートとは比べ物にならないくらい綺麗だし。
「東京に帰りたくないくらい、こっちがいいです」
あらゆる意味でね。
所長が言った。
「えー、じゃあ社長に言ってさ、こっち来ない? うちは人手不足だから大歓迎」
「本当ですか? アリですか? スーツケース一個なんで身軽ですよ!」
大宮のアパートをスーツケース一個で追い出されそうになった話をしたら、爆笑されたので嬉しい。本社ではこの話題、NGなんだよ。もう笑ってよ。笑い話でしょ。
楽しい時間というのは早く過ぎ去るもので、気づいたら午後九時を回っていた。話も尽きてきて、そろそろお開きにしようかという流れになってくる。
立ち上がって足元を探る。あれ、俺、カバンどこやったっけ。椅子の足元に置いておいた気がするんだけど。
「どうした?」
「いえ……、カバンが見当たらなくて」
テーブルの下には何もない。蹴飛ばしたのかと思って周辺を見るけれど、混雑している店内の足元の、どこにも見当たらない。
焦る。目を見合わせて、少し空気が変わる。
「まさか盗まれたとか」
「も、もっかい探します。嘘でしょ」
だけど、全員でどれほど探してもカバンは見当たらなかった。店員に聞いてもわからず、本当に盗まれたようで、どこにも見つからない……。
俺は頭を抱えた。
「どうしよう……」
「困ったね。カバン、何が入ってた?」
「財布と、販促チラシの試し刷りと、マンションの鍵と、筆記用具と、身だしなみ用品と……あ、ノートPCは会社に置きっぱなしで……」
「とりあえず警察行こうか」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません……!」
俺は必死になって頭を下げる。
せっかく楽しく飲んでいたのに、なんてこと。めちゃくちゃ嫌……。
少し前にトイレ行ったときにはちゃんとあった。そういえば、トイレから戻ってきた直後に、奥のほうのグループが出て行って、そのときにテーブルのギリギリを通り過ぎたんだよな。
盗まれたとしたら、あのときだ。人数がやたら多くて、テーブルの足に当たってくるくらい近づかれて、なんとなく避けた記憶がある。あのとき。
普通の大学生っぽい団体に見えた。でも犯罪者って、犯罪者ヅラしてないしなあ。どんな人がどんなこと考えてるかなんて、ぱっと見ではわからないものだから。
所長はしょぼくれる俺の肩に、そっと手を置く。
「相田くん。こういうのは盗まれた人じゃなくて、盗んだ人が悪いんだよ。だから気にしないで。もしかしたら間違えて持っていかれたのかもしれないけど」
他の人も励ましてくれる。
「そうそう。落ち込まないで」
「うちらは大丈夫だから。相田くんが被害者だからさ」
「警察付き合うよ」
みんな、いい人すぎだよ。感動してしまう。人って優しいんだ……。
「所長……! みなさん……!」
とそのときだ。後ろのポケットが、短く小刻みに振動したのは。
本社の営業事務からコール通知が入ってくる。
でも、きっとまたあの人だよ。今、仲間同士の絆に感動してて超忙しいんですけど。ストーカーを相手にしてる暇ない。でも念のため見ておく。
『非通知、会社不明、オノデラ様(男性)、相田さん。折り返し希望。電話番号は知っているとのこと。『カバン落ちてる、といえばわかる』とのこと』
うわ、GPS……。
カバンにつけられてたんだー……。
俺は、駅の近くにある居酒屋の前のベンチでひとり、スーツ姿のままカバンを小脇に抱え、営業所の人たちがやってくるのを待ちながら、携帯電話に次々と入ってくるメッセージに返信している。
相手は暇人なのか、すぐに既読になって返事が来る。ほぼチャットになる。
『仕事やめた?』
『まだです』
『いつやめるの?』
『まだやめられません』
『約束したのに?』
『カズ先輩も約束守らなかったじゃないですか?』
おたくのほうこそ、俺との約束、ひとつでも守ってくれたの?
『タキくんの嘘つき』
『カズ先輩のほうが圧倒的に嘘つきですし』
カズ先輩の言うことってぜんぶ嘘。
『いつまで名古屋にいるの? 長期間だね?』
『ちょっと待ってください。なぜ俺が名古屋にいるって知ってるんですか?』
まさか尾行とか。GPSでもつけられているのか。
『どう思う?』
俺は夕暮れの空を仰ぐ。ふざけるなよ、犯罪だろ。
『冗談でしょ』
『会いにいってもいい? 近くにいるんだけど』
メリーさんかよ。
『怖いからやめてください!』
そこで俺は返信を放置することにした。
はあ、もうやってらんない。名古屋に来てるなんて俺は一言も報告していない。絶対にGPSついてる。嘘であってほしい。嘘だといってくれよ。嘘は大得意っしょ。
うわ、GPS……。どこにどうやってつけられてるのかわからない。そんな機械、見当たらないもん。いったい、いつからついてんの。
と、道の向こうのほうから営業所のメンバーが歩いてくる。四人。俺と合わせて五人。今日は飲み会。物凄く心細かったので、ほっとする。
俺が立ち上がると向こうが気づいて手を振ってくれる。
「おーい、相田くーん。お疲れー。待たせたねー」
「所長! 皆さん、お疲れさまです!」
「さっそく入ろうか。相田くんは飲めるの?」
「はい! 飲みます! 楽しみです!」
俺は三週間ほど前から、名古屋にある営業所に応援に来ている。
こちらの主力だったスタッフが長期入院することになって、しかも産休予定だった人がいて、人手が足りないので行けといわれたからだ。
営業所はもともと六人のところ、四人になって、俺が一人追加。正直忙しいけれど、所長がいい人なのと、午後八時には必ず皆で帰るのと、仕事をポジティブにしようという風潮があって、とても楽しい。充実とはこういうことだと実感している。
後ろのポケットに突っ込んだ携帯電話に、メッセージが入ってくる振動が何度もする。
しつこいな。全部無視だわ。
と、別のSNSの通知がある。これは本社だ。振動の種類を変えているからわかる。短くて小刻みなバイブレーション。俺は携帯電話を取り出す。
営業事務から、俺宛てのコール通知のメッセージが入っている。
『非通知、会社不明、オノデラ様(男性)、相田さんいますか。長期不在回答済。折返し不要とのこと』
おい! 小野寺和臣!
カズ先輩、東京の本社に電話を掛けたのかよ。ふざけんなよ。ストーカー野郎。俺が名古屋にいるってわかってるだろ。嫌がらせだろ。いたずら電話だろ。
俺は携帯電話をふたたび後ろポケットに突っ込む。
テーブル席について、五人で乾杯する。嫌なことは忘れて、楽しく会話したい。ほんっとに、嫌なことを今すぐ忘れたい。
「相田くん、助かってるよ。ありがとうね」
「なんでもしてくれてほんと助かる。相田くん」
「いえいえ! なんでも言ってくださいね!」
俺、こっちのスタッフになりたいなぁ。
夏だからっていうのはあるけど、仕事終わったらまだ外が明るいなんて何年ぶりって感じ。一周回って明るいことはあるけど。
残業代も固定残業代の範囲内で、せいぜい一日二時間。ウィークリーマンションだって、築四十年のアパートとは比べ物にならないくらい綺麗だし。
「東京に帰りたくないくらい、こっちがいいです」
あらゆる意味でね。
所長が言った。
「えー、じゃあ社長に言ってさ、こっち来ない? うちは人手不足だから大歓迎」
「本当ですか? アリですか? スーツケース一個なんで身軽ですよ!」
大宮のアパートをスーツケース一個で追い出されそうになった話をしたら、爆笑されたので嬉しい。本社ではこの話題、NGなんだよ。もう笑ってよ。笑い話でしょ。
楽しい時間というのは早く過ぎ去るもので、気づいたら午後九時を回っていた。話も尽きてきて、そろそろお開きにしようかという流れになってくる。
立ち上がって足元を探る。あれ、俺、カバンどこやったっけ。椅子の足元に置いておいた気がするんだけど。
「どうした?」
「いえ……、カバンが見当たらなくて」
テーブルの下には何もない。蹴飛ばしたのかと思って周辺を見るけれど、混雑している店内の足元の、どこにも見当たらない。
焦る。目を見合わせて、少し空気が変わる。
「まさか盗まれたとか」
「も、もっかい探します。嘘でしょ」
だけど、全員でどれほど探してもカバンは見当たらなかった。店員に聞いてもわからず、本当に盗まれたようで、どこにも見つからない……。
俺は頭を抱えた。
「どうしよう……」
「困ったね。カバン、何が入ってた?」
「財布と、販促チラシの試し刷りと、マンションの鍵と、筆記用具と、身だしなみ用品と……あ、ノートPCは会社に置きっぱなしで……」
「とりあえず警察行こうか」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません……!」
俺は必死になって頭を下げる。
せっかく楽しく飲んでいたのに、なんてこと。めちゃくちゃ嫌……。
少し前にトイレ行ったときにはちゃんとあった。そういえば、トイレから戻ってきた直後に、奥のほうのグループが出て行って、そのときにテーブルのギリギリを通り過ぎたんだよな。
盗まれたとしたら、あのときだ。人数がやたら多くて、テーブルの足に当たってくるくらい近づかれて、なんとなく避けた記憶がある。あのとき。
普通の大学生っぽい団体に見えた。でも犯罪者って、犯罪者ヅラしてないしなあ。どんな人がどんなこと考えてるかなんて、ぱっと見ではわからないものだから。
所長はしょぼくれる俺の肩に、そっと手を置く。
「相田くん。こういうのは盗まれた人じゃなくて、盗んだ人が悪いんだよ。だから気にしないで。もしかしたら間違えて持っていかれたのかもしれないけど」
他の人も励ましてくれる。
「そうそう。落ち込まないで」
「うちらは大丈夫だから。相田くんが被害者だからさ」
「警察付き合うよ」
みんな、いい人すぎだよ。感動してしまう。人って優しいんだ……。
「所長……! みなさん……!」
とそのときだ。後ろのポケットが、短く小刻みに振動したのは。
本社の営業事務からコール通知が入ってくる。
でも、きっとまたあの人だよ。今、仲間同士の絆に感動してて超忙しいんですけど。ストーカーを相手にしてる暇ない。でも念のため見ておく。
『非通知、会社不明、オノデラ様(男性)、相田さん。折り返し希望。電話番号は知っているとのこと。『カバン落ちてる、といえばわかる』とのこと』
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カバンにつけられてたんだー……。
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