51 / 159
そのはち
そのはち-5
しおりを挟む
ネクタイを解きながら、あたしの唇を塞ぐ。
荒く、苦しいだけのキス。
嫌だ。
こんなキスする尊なんて、嫌だ。
でも、悪いのは、あたし。
尊をこんな風にさせてるのは、あたし。
全部、悪いのは、あたし。
わかってるけど。
尊が、怖くてたまらない。
尊の胸を押して、必死に抵抗する。
苦しさから逃れ様と顔を背けたくても、顎を掴まれて逃げられない。
止めて。
お願い。
涙が止まらない。
「………」
唇を離して、荒い呼吸しながらあたし見下ろす。
「たける…いや…」
身体が、小さく震える。
尊は黙ったままあたしの服に、手をかける。
「いやっ!!」
抵抗するのに、簡単に剥ぎ取られていく。
脱がせるのなんて、慣れてるもんな。
怖さでいっぱいになってる頭の中で、なぜか、そこだけ冷静に言葉になる。
尊の手が、あたしの両手を拘束する。
「止めてよ…お願い…」
泣きながら言うあたしを無視して。
手首を、解いたネクタイで縛る。
「やだっ!いや!!」
尊は構わずに、あたしの身体を解いていく。
尊はあたしの身体の全部を、知ってる。
「止めてっ!!」
閉じた足を無理矢理、尊が割る。
「みのりさん」
尊が笑う。
「何が嫌なの。濡らしてるくせに」
「やだ…っあっ!」
指が、触れる。
「ふ…」
尊が、触れながら笑う。
「もう挿れられそう」
「やっ…あっ」
尊の指が、あたしを責める。
「みのりさんは、すぐ濡らしちゃうね。ホントに嫌なの?」
「やぁっ!やだぁっ!やめっ…!!」
指があたしを、とばす。
嫌がっても。
嫌なのに。
あたしの身体は、尊に反応する。
凄く、賎しい自分の身体。
自分が嫌で、また涙が溢れる。
「俺以外でもイケるの?他の男にイカせてもらいたいの!?」
尊じゃないと、嫌。
でも、今の尊は、嫌だ。
「イケるなら、誰でもいいの!?」
「ぅっく…ぇっ…」
あたしからは、もう、嗚咽しか漏れない。
嫌でたまらない。
尊に素直な、身体。
「もう、挿れるから」
「ぅっ…あっ…!」
尊が、あたしのナカで動く。
優しくない。
ただ、繰り返されるだけ。
それだけの、尊。
「俺はみのりさんじゃなきゃ嫌なのに!」
もう。
「みのりさんは違うの!?」
止めて。
「みのりさんは誰のものなの!?」
お願い。
「答えて!ちゃんと答えてよっ!!」
たける。
涙が止まらない。
ベッドの上で、尊に背中向けて泣き続ける、あたし。
嫌。
自分が。
「…みのりさん」
あんな抱き方する、尊が。
自分のせいだとわかってても。
あんなになってしまう尊が嫌だ。
あたしのせいであんなになってしまうなんて。
怖い。
尊の手が頭に触れる。
ビクッ、と大袈裟なくらい震える。
もう一度、今度はそっと、髪に触れる。
「泣かないでよ…お願い…」
背中から、そっとあたしを抱き締める。
「…ごめん…みのりさん…」
あたしの涙はまだ、止まらない。
「ひどい事して…」
肩に、顔を埋める。
「…ホント…ごめん」
謝るくらいなら、最初からすんなよ!!
そう思ったら、また涙出てきた。
「みのりさん…」
呼ばれてもあたしの嗚咽しか返せない。
「俺……みのりさんじゃなきゃダメなんだよ…」
唇が肩に触れる。
「……怖いんだよ」
「………」
「みのりさんが俺の側からいなくなるとか…他の男のものになるとか…」
涙、止まらない。
「考えるだけで…怖いんだよ俺」
泣きすぎて。
「みのりさんの事、凄く好きで…」
なにが嫌なのか。
「どうしていいか、わかんないんだよ…」
もう、わかんなくなってきた。
「アイツとみのりさんに、何かあったかも、って思ったら」
ただ。
「頭に血が上って…」
尊に愛されるのが。
「ホント…ごめん…もうしないから。絶対、しないから…。泣かないでよ…」
怖い。
「泣かないで。お願いだから…」
次の朝。
尊の電話に。
出なかった。
切れた後、メッセージで一言だけ。
ごめん
て、あった。
でも。
返信は。
しなかった。
Wild Worldが鳴る。
音楽が止まる。
そして、メッセージ。
ごめん
一言だけ。
四日目の朝。
WildWorldは鳴らずに。
メッセージだけ。
みのりさんに会いたい
と。
あたしには。
わからなくなってた。
あたしを失くすのが怖い。
そう言った尊。
尊の想いが。
苦しい。
あたしのせいで壊れかけた尊。
あたしが尊を壊してしまいそうで。
苦しい。
あたしは。
どうしたら。
いいの。
荒く、苦しいだけのキス。
嫌だ。
こんなキスする尊なんて、嫌だ。
でも、悪いのは、あたし。
尊をこんな風にさせてるのは、あたし。
全部、悪いのは、あたし。
わかってるけど。
尊が、怖くてたまらない。
尊の胸を押して、必死に抵抗する。
苦しさから逃れ様と顔を背けたくても、顎を掴まれて逃げられない。
止めて。
お願い。
涙が止まらない。
「………」
唇を離して、荒い呼吸しながらあたし見下ろす。
「たける…いや…」
身体が、小さく震える。
尊は黙ったままあたしの服に、手をかける。
「いやっ!!」
抵抗するのに、簡単に剥ぎ取られていく。
脱がせるのなんて、慣れてるもんな。
怖さでいっぱいになってる頭の中で、なぜか、そこだけ冷静に言葉になる。
尊の手が、あたしの両手を拘束する。
「止めてよ…お願い…」
泣きながら言うあたしを無視して。
手首を、解いたネクタイで縛る。
「やだっ!いや!!」
尊は構わずに、あたしの身体を解いていく。
尊はあたしの身体の全部を、知ってる。
「止めてっ!!」
閉じた足を無理矢理、尊が割る。
「みのりさん」
尊が笑う。
「何が嫌なの。濡らしてるくせに」
「やだ…っあっ!」
指が、触れる。
「ふ…」
尊が、触れながら笑う。
「もう挿れられそう」
「やっ…あっ」
尊の指が、あたしを責める。
「みのりさんは、すぐ濡らしちゃうね。ホントに嫌なの?」
「やぁっ!やだぁっ!やめっ…!!」
指があたしを、とばす。
嫌がっても。
嫌なのに。
あたしの身体は、尊に反応する。
凄く、賎しい自分の身体。
自分が嫌で、また涙が溢れる。
「俺以外でもイケるの?他の男にイカせてもらいたいの!?」
尊じゃないと、嫌。
でも、今の尊は、嫌だ。
「イケるなら、誰でもいいの!?」
「ぅっく…ぇっ…」
あたしからは、もう、嗚咽しか漏れない。
嫌でたまらない。
尊に素直な、身体。
「もう、挿れるから」
「ぅっ…あっ…!」
尊が、あたしのナカで動く。
優しくない。
ただ、繰り返されるだけ。
それだけの、尊。
「俺はみのりさんじゃなきゃ嫌なのに!」
もう。
「みのりさんは違うの!?」
止めて。
「みのりさんは誰のものなの!?」
お願い。
「答えて!ちゃんと答えてよっ!!」
たける。
涙が止まらない。
ベッドの上で、尊に背中向けて泣き続ける、あたし。
嫌。
自分が。
「…みのりさん」
あんな抱き方する、尊が。
自分のせいだとわかってても。
あんなになってしまう尊が嫌だ。
あたしのせいであんなになってしまうなんて。
怖い。
尊の手が頭に触れる。
ビクッ、と大袈裟なくらい震える。
もう一度、今度はそっと、髪に触れる。
「泣かないでよ…お願い…」
背中から、そっとあたしを抱き締める。
「…ごめん…みのりさん…」
あたしの涙はまだ、止まらない。
「ひどい事して…」
肩に、顔を埋める。
「…ホント…ごめん」
謝るくらいなら、最初からすんなよ!!
そう思ったら、また涙出てきた。
「みのりさん…」
呼ばれてもあたしの嗚咽しか返せない。
「俺……みのりさんじゃなきゃダメなんだよ…」
唇が肩に触れる。
「……怖いんだよ」
「………」
「みのりさんが俺の側からいなくなるとか…他の男のものになるとか…」
涙、止まらない。
「考えるだけで…怖いんだよ俺」
泣きすぎて。
「みのりさんの事、凄く好きで…」
なにが嫌なのか。
「どうしていいか、わかんないんだよ…」
もう、わかんなくなってきた。
「アイツとみのりさんに、何かあったかも、って思ったら」
ただ。
「頭に血が上って…」
尊に愛されるのが。
「ホント…ごめん…もうしないから。絶対、しないから…。泣かないでよ…」
怖い。
「泣かないで。お願いだから…」
次の朝。
尊の電話に。
出なかった。
切れた後、メッセージで一言だけ。
ごめん
て、あった。
でも。
返信は。
しなかった。
Wild Worldが鳴る。
音楽が止まる。
そして、メッセージ。
ごめん
一言だけ。
四日目の朝。
WildWorldは鳴らずに。
メッセージだけ。
みのりさんに会いたい
と。
あたしには。
わからなくなってた。
あたしを失くすのが怖い。
そう言った尊。
尊の想いが。
苦しい。
あたしのせいで壊れかけた尊。
あたしが尊を壊してしまいそうで。
苦しい。
あたしは。
どうしたら。
いいの。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる