You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

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You Could Be Mine

-19-

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 「尊、髪切ったんだあ」

「変?」

「ううん。短いのもかっこいい!」

髪型変えたら客に騒がれた。

母さんに切れって言われたから切ったんだけどな。

さすがに、会社員に見えるように最低限の見た目にしろってさ。

アフター減らしたり時間短くして。

なるべく午前中に会社行く様にしてる。

社長の息子だからっても会社の仕事覚えねえとだし。

ショップの接客以外、一通り社内の仕事は見とこうと思ってる。

会社行くと売上の集計やら在庫管理やら仕入れやら。覚えないといけねえ事山ほどある。

営業担当の現場もどうやってるか見ねえといけない。

店の方は龍二達に客つけなきゃなんねえから忙しい。

酒抑えてっからあんま寝れなくて。

「尊さん、顔色悪いっすよ」

頭ぼおっとする。

「大丈夫だよ」

龍二にそう返事して振り返ったら。

ふらついて。

「尊さんっ!?」

龍二の声が遠くなる。

なんか身体重い。

「大丈夫ですか!?」

ぼおっとしたまま聞こえてくる。

龍二の声。

身体のどこかに違和感ある。

なんだろ。

あれ。点滴されてる。なんだろ?

「病院ですよ。過労で倒れたんすよ。しばらく入院だそうです」

そっか。俺入院してんのか。

なんか眠いし。寝よ。

最近あんま寝てないからみのりさんの夢みれなかったし。

疲れてたせいか。

いつもより眠れる日が続いて、おかげでみのりさんがいる夢。

いっぱいみれる。

みのりさん。

いつも笑ってる。

いつも可愛い。

「みのりさん」

抱き締めて。

キスして。

柔らかくて可愛い唇。

もっかい抱き締めて。

髪撫でるんだ。

サラサラの髪。

「みのりさん…」

指がすうっと通って。

「みのりさん…」

なんだろ。

すげえ暖かいな。

みのりさんの匂い。

「みのりさん」

なんだか夢じゃねえみたい。

すぐ傍にみのりさんがいるみてえ。

サラサラの髪がすげえリアル。

いつも感じてた。

忘れらんないみのりさんの。

感触。

「…みのりさん?」

眼開けたら。

その日。

俺の腕が抱き締めてんのは。

本物の。

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