Think about you

02

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携帯にセットしたアラームが鳴る。

普段は昼過ぎには自然に目が覚めるが。

今日は寝坊するワケにいかねえからな。

石倉を病院連れてったりしたせいであんま寝れなかったけど。

石倉は薬が効いてんのか。

よく寝てる。

「ん…」

おでこ、手当てるみると。少しは熱下がったみてえだな。

昼間は暖かくなったとは言え。

病人を外に放り出すワケにもいかねえし。

俺もそこまで非道な人間になりたくねえな。

留守番させとくか。

仕方ねえな。

カーテン少し開けたら。

明るい光が部屋に入り込んでくる。

良く晴れてる。良い天気で良かったな。

風呂入って。

クローゼットから用意しておいたダークスーツ出す。

まあ俺は仕事でもダーク系なんだが。

礼装用のスーツ買っとけば良かったな。

ネクタイはそれ用の買ったけど。

ユウのヤツ、ちゃんとした格好して来るかな。

あんま目立つ格好すんな。

ユウには昨日散々言い聞かせた。

「…どっか行くの？」

石倉が眼覚ました。

まだダルそうな顔で俺を見上げる。

やっぱ地味目のスーツでもリーマンには見えねえな。

クローゼットの扉裏の細い姿見に映る自分見て改めて思う。

伊達眼鏡すっか。

「眼鏡男子。兵藤くん、かっこいいね」

「俺今日結婚式だから。お前大人しく寝てろ」

「兵藤くん結婚すんのっ！？」

なんでお前はそんなにバカなんだ。

「先輩の結婚式だ」

「ああ…なんだ。びっくりした」

結婚する男が自分ん家に女置くかよ。常識で考えろ。

「俺帰り遅いと思うけど」

「うん」

「うろちょろすんなよ。部屋ん中いじんなよ」

石倉がまだ赤い顔で小さいため息つく。

「あは…身体だるくて動けないし…」

ったく。面倒だ。

「うひゃ！？なにっ！？兵藤くんっ」

ソファーから抱き上げて。

ベッドに降ろす。

「帰るまでベッド貸してやる。寝てろ」

「…ありがと」

玄関の鍵閉めながら。

やっぱ合鍵貸してやるか。

思った。