Think about you

てらだりょう

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日が昇った頃ユウが帰って。

「俺、風呂入るわ。寝てていいぞ」

「うん」

手を伸ばして。

頭撫でると笑うから、俺も笑ってしまう。

なんだろうな。

考えてみたらまともに自分の女とか言うの、無かったからな。

そう言う存在、今までいなかった。

風呂上がると。

疲れたのかもう眠ってる。

隣に潜り込んで。

寝顔が可愛いとか、俺が一緒いてやんなきゃとか、コイツすぐ泣くから俺が安心させてやんなきゃとか。

そう思ったりするのが恋愛ってもんなら。

俺は、初めてかも知んねえな。

だから名前呼ぶとか。

思い付かなかった。

別に普通に女の名前呼んだりはするが。

俺の中じゃコイツは石倉で。

でも今は俺の女だし。

寝息たてる唇にちょっとだけ口づけて。

「莉緒」

呼んでみた。案外恥ずかしい。

「…莉緒」

もっかい呼んでみたら。

「…なに?」

赤い顔する。

「寝たふりすんな」

「ちっ、違うよ。き、キスするから眼、覚めた」

じゃあ、ちゃんとしてやるか。

キスして。髪撫でて。

「莉緒」

見詰めたら真っ赤なる。

「俺の名前、呼んでみろよ」

「えっ!?あっ!」

口ぱくぱくさせてんじゃねえよ。

「ほら、言ってみろ。言えねえならこめかみグリグリすっぞ」

「いやっ、えっ、はっ」

小さく息吸って。

「…り、龍二…?」

莉緒が照れながら。

俺の名前呼んだ。

他のやつらの事なんか知らねえけど。

関係性が前と違うことを改めて認識する。

眼が覚めて。携帯見たらもう昼だいぶ回ってる。

普段は俺より早く起きてるのに。

二人とも寝たの朝だったしな。

まだ俺の腕の中で寝息たてる。

どうすっかな。

もう少し寝かせといてやるか。

一度抜こうとした腕止める。

眼覚ますまで寝顔でも見てるか。

そう思いながら自分で苦笑い。

俺が女に惚れるとか。

しかもよりによってコイツとか。

俺は今まで女抱くのは、まあ。

生理的欲求なワケで。

お互い愉しけりゃそれで良かったし。

正直、初めてコイツ抱いた時、ほとんど男知らねえ感じでびっくりした。

俺が今まで寝た女とかみんな遊び慣れてっから。

そんな風にしか抱いた事ねえんだが。

なんか緊張してたりとかするから、俺も壊れ物扱うみたいになって。

一生懸命、俺に応え様とするのが。

可愛くて。

しょうがねえ。




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