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しおりを挟むいつも俺が出かける時。
「行ってらっしゃい」
笑って言うから。
そんな顔すんのがなんか。
俺も笑ってしまって、つい。
手伸ばしておでこやらほっぺたやら。
キスしてしまう。なんなんだ。
たまに俺の同伴ねえ時は晩メシ一緒食って。
別に仕事行く途中で食ってもいいんだが。
「外食するのもったいないよ」
そう言うから、家で莉緒が作って一緒食って出かける。
もったいない、つうか。
作りたがるから。
俺が一口食べるまで神妙な顔して。
「旨いな」
言ったら笑顔になる。
俺はこんな風に女と過ごした事ねえし。
だからわかんねえんだが。
今って結局、同棲してんだよな。
その前の付き合うってのはすっ飛ばしちまったが。
「付き合うってどゆ事?」
「えー?今更な事言いますねえ。既に一緒住んでんのに」
チャラ男のユウなら女と遊びに行くの得意だろ。
「遊びに?俺基本、酒飲んでヤるコースだから、ほぼカラオケか居酒屋」
参考なんねえな。
「やだなあ、龍二さん。デートした事ねえの?」
ねえな、そんなん。
「莉緒ちゃんにどこ行きたいか聞けばいいじゃん」
「それもそうか」
日曜を完オフにして。
「お前どっか行きたいとこある?」
聞いたら、真っ赤な顔して。
「ゆっ、遊園地!」
言いやがった。
大人二人で遊園地なんて。
くそ恥ずかしい真似出来るか。却下だ。
「か、彼氏と遊園地って…昔からちょっと憧れてて…だ、ダメ?」
上目遣いて見んな。
くそ。遊園地くれえ。
連れてってやるから。
土曜のアフターを時間早めに終わらせて。
じゃねえと寝る時間がねえからな。
家帰ると先に寝てっから、静かにドア開ける。
キッチンにバスケットやら弁当箱やら。
「お弁当作るっ!」
どうしても言い張るから昼間二人で買い物行った。
荷物なるし、第一俺みてえなんが遊園地で弁当ひろげてとか。
想像すっとものすげえ恥ずかしいんだが。
買い物しながら楽しそうにメニュー考えてるの見てたら。
まあ、しょうがねえか。
思ってしまった。
俺、こんなに女に甘えとはな。
自分で笑える。
眠ってる隣潜り込んで。
寝顔見てほっとする。
お前がちゃんと俺のとこに帰って来る。
いつの間にか。
その事に安心する様になって。
いつからそんな風になったかな。
「…ん」
寝返りしてこっち向いた顔。
いつも口開いてんだよな。
その唇にちょっとだけ唇合わせて。
俺も寝た。
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