Think about you

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ある日、尊さんから出動命令がきた。

なんでも週末、尊さんが出張でいないからその間みのりさんを頼む、と。

尊さんがいない間にみのりさんになんかあったら大変だし。

俺らも世話になってんだしな。

「お前失敗とかすんなよ、みのりさんの前で」

「しないよっ、頑張る！」

妙に気合い入れやがる。

俺の仕事上がりにそのまま尊さん家行って。

玄関で尊さん見送り。

それは良いんだが。

相変わらずで見ちゃいられなくて。眼が合った莉緒と二人、苦笑い。

「龍二くん、寝なよ」

尊さんが出た後みのりさんに言われて。

甘えて寝かせてもらう事にした。

「龍二が寝るまでここにいるね」

布団の横座って。俺は子供じゃねえし。

「…やっぱ、みのりさんて可愛いよね」

なんか変な事言い出す。

「先輩はみのりさんの事大事でたまんないんだろなあ…だから龍二も…」

なにバカな事言ってんだ、お前は。

「うわんっ」

煩せえから、首引き寄せて唇塞ぐ。

「俺の女はお前だろうが。ワケわかんねえ事言ってねえで寝かせてくれ」

俺が言ったら。赤くなって。

「うん」

ちょっと頷いて。

部屋出てった。

出ていく後ろ姿を薄目に眺めながら、寝入った。

眼が覚めて。いつもよりちょっと早えか。

けど尊さん家だしな。

いつまでも寝てるよりいいか。

起きてったら、丁度昼メシ中。

俺は寝起きすぐは食えねえって言ってんのに。

あれこれ用意し出すから仕方無く食う。

ふとなにかを感じて振り向くと。

なぜか俺と莉緒凝視するみのりさん。

なんなんだ。

風呂借りようと思ってみのりさんに言ったら。

「莉緒ちゃんも一緒入ったら」

普通に言われた。

一緒、って。

んなもん、一緒入った事なんかねえし。しかも人ん家だし。

莉緒が真っ赤なるから。俺まで赤くなった。

風呂入りながら、別にたいした事じゃねえのに。

ラブホなんか行きゃ女と一緒入ったりした事あるし。

そうでなくても女の裸なんか見慣れてんのに。

相手が莉緒と思ったら。

なんで一人で赤くなんなきゃいけねえんだ。

俺は恥ずかしいとかねえぞ。

一緒入った事ねえからなだけだ。

一緒入りたいとかはねえぞ。絶対ねえけど。

温泉だったら入れるか。

なんか思ってしまった。