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しおりを挟む夕方出かけようと。
「いってらっしゃい」
尊さん家の玄関でいつも通り笑う。
みのりさんはリビングで見送ってくれた。
玄関で靴履きながらふと。
視線。
視界の端っこで探ると、リビングのドアの隙間から覗いてるみのりさん。
なにがしたいんだ。不気味だ。
「じゃあな」
頭撫でると。
「うん、行ってらっしゃい」
笑う。それ見て唇の端が上がっちまう俺は。
なんだろうな。
日曜日に尊さんが帰って来て。
やっぱいつも通り速攻でみのりさんしか見えなくなる尊さん。
この人の世界はみのりさん中心で。
「俺は全開でみのりさん愛してっから」
言い切る。
俺にはわかんねえな。いつか。
そんな風に思う様になるのかな。
今んとこそうなってる俺は想像できねえが。
「龍二、ちょっと来い」
晩メシの後、尊さんに呼ばれた。
和室で二人座って。なんか他に聞かせたくねえ話なのか。
真面目な顔して尊さんが。
「余計な事かもしんねえけどな、今回の礼代わりだと思ってくれ」
「はい」
「石倉の借金整理したついでに弁護士が調べてくれたんだけどな。バカ兄貴、とんでもなくバカだぞ」
「え…」
「石倉が学校出るまでは真面目だったみてえだけど。どこで間違ったんだか、女とギャンブルで堕ちやがったらしい。そこからは面白れえくらいに転がり落ちて、石倉が保証人なった金も多分遊び金だ」
アイツの。お兄ちゃん。
「今は所在不明だけどな、あちこちで女作ってはヒモみたいな事やってるらしい」
ブラコンだからな。アイツ。
そんな事知ったら泣くだろうな。
兄貴の事信じてるだろうしな。
一応、気をつけとけよ。
尊さんに言われた。
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