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第八話 『母子』
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登場人物
カツイ(15・男)
トバ(15・男)
ゲッカ(13・男)
ハナ(13・女)
ユエ(11・女)
ミナリ(2・男)
サクラ(16・女)
ユキ(15・女)
〇アパート
カツイ「どうしたハナちゃ……うげ、サクラ」
トバ「あ、サクラさん」
サクラ「よっ、カツイもトバも久し振り」
〇部屋の中
トバ「えーっと、紹介します。サクラさんです。僕達より1つ年上でミナリくんのお母さん」
SE(煙草の煙を吐き出す音)
サクラ「あんなガキあたしのガキでもなんでもねぇよ」
ハナ(M)「ミナリくんの……お母さん」
トバ「サクラさん、こちらがハナちゃんとゲッカくんです」
ゲッカ「こんにちはー」
ハナ「こんにちは」
SE(煙草を灰皿に押し付けて消化する音)
サクラ「カツイ、あの人は?」
カツイ「俺が知るかあんな奴!」
サクラ「はぁ。カツイ、お前いい加減いつまであの人と喧嘩してるつもりだよ」
カツイ「い、いつまでも何も……」
カツイ「悪いのはみんなアイツのほうなんだよ!」
SE(ゴミ箱にペットボトルを投げる音)
サクラ「待ちなカツイ!」
SE(パシンっと襖を閉める音)
サクラ「ったく、カツイはいつまでもガキのまんまだな」
トバ「それよりサクラさん。戻ってこられたんですよね。ベッドは元の通りにしてあるんで」
サクラ「トバ、あのちっこいガキは?」
ユエ「ひっ!」
トバ「ああ、彼女はユエです。僕の友達の……ショウくんの妹です」
サクラ「へぇ……『ショウくん』ね……」
SE(ライターで煙草に火を付ける)
〇アパート(昼)
サクラ「ん、うまい!」
サクラ「ちょっと見ない内に料理の腕あげたなトバ!」
トバ「はは、ありがとうございます」
ゲッカ「あの……サクラさん」
サクラ「ん?」
ゲッカ「サクラさんは高校には行っていないんですよね?」
サクラ「行ってねーよ?」
ゲッカ「普段は何をしてるんですか?」
カツイ「(ボソッ)水商売だろ」
SE(ごちんっと殴られる)
サクラ「ヤロー相手に媚び売る仕事なんてまっぴらだね。役者だよ役者」
トバ「サクラさん役者やってたんですか?」
サクラ「つってもまだ脇役止まりだけどな。あの人は知ってるはずだぜ」
SE(ライターで煙草に火を付ける)
SE(煙を吐き出す音)
サクラ「この家も全然変わってねーな……」
〇女部屋
ハナ「あっ、私も一つ聞いていいですか?」
サクラ「いいぜ、なに?」
ハナ「どうして一度ここを出て行ったんですか?」
サクラ「あたしが家出した時な……親戚が連れ戻しに来たんだよ。ここも知られちまってな。そしたらもう此処にはいられねぇだろ」
ハナ「へえ……」
サクラ「よしっ、久々に昔話をしてやるよ。ユエもベッドから降りてこっちおいで」
ユエ「ん」
SE(ベッドの梯子を降りる音)
サクラ「昔々、ある所に女の子がいました」
サクラ「その女の子は普段家から出る事もなく、いつも一人で遊んでいました」
サクラ「やがて思春期となると好きな男の子が出来ました」
サクラ「しかしその男の子はいとこのお兄さんでした」
サクラ「女の子はいとこの事が大好きで、二人はまもなく結ばれました。やがて女の子のお腹の中には男の子との新しい命が恵まれました。女の子が十四歳――中学二年生の時の話です」
ハナ「中学二年生で……」
サクラ「未成年であった上、いとこ同士という事から体裁を気にする男の子は女の子を簡単に切り捨てました」
ユエ「ひどい……」
サクラ「しかし女の子が生んだ子供が男の子だと分かると後継ぎにしようとその赤ん坊を奪おうとしました」
サクラ「だからあたしはアイツの血が流れてるミナリが大嫌いだ。アイツに渡す気はないけど育てる気もない」
ハナ「そんなの酷いじゃないですか!」
ユエ「ハナお姉ちゃん?」
ハナ「確かにミナリくんにはその人の血が流れているかもしれないですけど、サクラさんの血だって入ってるじゃないですか!」
ハナ「相手の人は悪いですよ。でもミナリくんは悪くないじゃないですか! ミナリくんを罪の証みたいに言わないでください!!」
サクラ「くっ……くく……」
ユエ「サクラお姉ちゃん……?」
サクラ爆笑
サクラ「いや悪い……二年前同じ話をした時、ハナと同じ答えをした相手がいたんだよ」
ハナ「同じ答えって……」
サクラ「あの人……今頃どうしてるのかな」
〇(回想)二年前
ユキ「ミナリくんは二人が愛し合ってた証拠じゃない!」
(回想終わり)
サクラ「……確かに、ミナリには責任はないな。でも一度もっちまった先入観ってのは中々消せないモンなんだよ」
ハナ「すいません……サクラさんにも事情があるのに自分勝手な事……」
サクラ「いいっていいって」
サクラ「ま、経験者としてあたしが二人に教えてあげられるのはコレだね」
サクラ「ガキのうちはガキを作るな、産むな」
〇男部屋
騒がしい女部屋
カツイ「あんだようっせーな」
トバ「まあいいじゃない仲良くしてるんだから」
〇女部屋
サクラ「なあミナリ……お前はまだ怒ってんのか? お前を捨てたミクの事も、お前を自分の子じゃないって言って捨てたあたしの事も……」
サクラの指を掴むミナリ
サクラ(M)「指を掴んだ……」
ミナリ「あー……」
サクラ「ミナリ……?」
ミナリ「ま、まぁーま、まぁま」
サクラ「ミナリッ……」
〇(回想)二年前
ユキ「ミナリくんって名前にしたの?」
サクラ「うん」
ユキ「どういう字を書くの?」
サクラ「真実の「じつ」に成功の「せい」で『実成』。ミクから一文字取ったんだ」
ユキ「へぇ……いい名前じゃない」
(回想終わり)
SE(ガチャ扉を開ける)
カツイ「ただいまー。あれっ、サクラは?」
トバ「(ひそひそ)カツイくん、こっち来てこっち」
カツイ「ん……うぉっ、ミナリの隣にサクラが……」
トバ「一緒に寝ちゃったんだろうねぇ、なんだか微笑ましい」
ハナ「サクラさん、風邪ひいちゃいますよ。ユエちゃん、毛布取ってくれるかな」
ユエ「はい、ハナお姉ちゃん」
サクラ「おっと……寝ちまったか」
ハナ「はい、ミナリくんと一緒にぐっすり」
サクラ「あーハナ」
ハナ「はい?」
サクラ「お前、フルネームでなんつったっけ?」
ハナ「呉林花乃……ですけど?」
サクラ「呉林!?」
カツイ「なんだサクラどうした?」
サクラ「呉林……そうか、だからあんなに似てると思ったのか」
ハナ「はい?」
ゲッカ「サクラさん? 何かあったんですか?」
サクラ「って事はお前が呉林月乃か」
ゲッカ「えっ」
カツイ「おいサクラ何の話だよ」
サクラ「まだ分かんねぇのかよカツイ」
サクラ「呉林月乃。呉林花乃」
サクラ「そしてその姉は呉林雪乃。通称『ユキ』」
サクラ「あたし達家出人の初代リーダーだ」
カツイ(15・男)
トバ(15・男)
ゲッカ(13・男)
ハナ(13・女)
ユエ(11・女)
ミナリ(2・男)
サクラ(16・女)
ユキ(15・女)
〇アパート
カツイ「どうしたハナちゃ……うげ、サクラ」
トバ「あ、サクラさん」
サクラ「よっ、カツイもトバも久し振り」
〇部屋の中
トバ「えーっと、紹介します。サクラさんです。僕達より1つ年上でミナリくんのお母さん」
SE(煙草の煙を吐き出す音)
サクラ「あんなガキあたしのガキでもなんでもねぇよ」
ハナ(M)「ミナリくんの……お母さん」
トバ「サクラさん、こちらがハナちゃんとゲッカくんです」
ゲッカ「こんにちはー」
ハナ「こんにちは」
SE(煙草を灰皿に押し付けて消化する音)
サクラ「カツイ、あの人は?」
カツイ「俺が知るかあんな奴!」
サクラ「はぁ。カツイ、お前いい加減いつまであの人と喧嘩してるつもりだよ」
カツイ「い、いつまでも何も……」
カツイ「悪いのはみんなアイツのほうなんだよ!」
SE(ゴミ箱にペットボトルを投げる音)
サクラ「待ちなカツイ!」
SE(パシンっと襖を閉める音)
サクラ「ったく、カツイはいつまでもガキのまんまだな」
トバ「それよりサクラさん。戻ってこられたんですよね。ベッドは元の通りにしてあるんで」
サクラ「トバ、あのちっこいガキは?」
ユエ「ひっ!」
トバ「ああ、彼女はユエです。僕の友達の……ショウくんの妹です」
サクラ「へぇ……『ショウくん』ね……」
SE(ライターで煙草に火を付ける)
〇アパート(昼)
サクラ「ん、うまい!」
サクラ「ちょっと見ない内に料理の腕あげたなトバ!」
トバ「はは、ありがとうございます」
ゲッカ「あの……サクラさん」
サクラ「ん?」
ゲッカ「サクラさんは高校には行っていないんですよね?」
サクラ「行ってねーよ?」
ゲッカ「普段は何をしてるんですか?」
カツイ「(ボソッ)水商売だろ」
SE(ごちんっと殴られる)
サクラ「ヤロー相手に媚び売る仕事なんてまっぴらだね。役者だよ役者」
トバ「サクラさん役者やってたんですか?」
サクラ「つってもまだ脇役止まりだけどな。あの人は知ってるはずだぜ」
SE(ライターで煙草に火を付ける)
SE(煙を吐き出す音)
サクラ「この家も全然変わってねーな……」
〇女部屋
ハナ「あっ、私も一つ聞いていいですか?」
サクラ「いいぜ、なに?」
ハナ「どうして一度ここを出て行ったんですか?」
サクラ「あたしが家出した時な……親戚が連れ戻しに来たんだよ。ここも知られちまってな。そしたらもう此処にはいられねぇだろ」
ハナ「へえ……」
サクラ「よしっ、久々に昔話をしてやるよ。ユエもベッドから降りてこっちおいで」
ユエ「ん」
SE(ベッドの梯子を降りる音)
サクラ「昔々、ある所に女の子がいました」
サクラ「その女の子は普段家から出る事もなく、いつも一人で遊んでいました」
サクラ「やがて思春期となると好きな男の子が出来ました」
サクラ「しかしその男の子はいとこのお兄さんでした」
サクラ「女の子はいとこの事が大好きで、二人はまもなく結ばれました。やがて女の子のお腹の中には男の子との新しい命が恵まれました。女の子が十四歳――中学二年生の時の話です」
ハナ「中学二年生で……」
サクラ「未成年であった上、いとこ同士という事から体裁を気にする男の子は女の子を簡単に切り捨てました」
ユエ「ひどい……」
サクラ「しかし女の子が生んだ子供が男の子だと分かると後継ぎにしようとその赤ん坊を奪おうとしました」
サクラ「だからあたしはアイツの血が流れてるミナリが大嫌いだ。アイツに渡す気はないけど育てる気もない」
ハナ「そんなの酷いじゃないですか!」
ユエ「ハナお姉ちゃん?」
ハナ「確かにミナリくんにはその人の血が流れているかもしれないですけど、サクラさんの血だって入ってるじゃないですか!」
ハナ「相手の人は悪いですよ。でもミナリくんは悪くないじゃないですか! ミナリくんを罪の証みたいに言わないでください!!」
サクラ「くっ……くく……」
ユエ「サクラお姉ちゃん……?」
サクラ爆笑
サクラ「いや悪い……二年前同じ話をした時、ハナと同じ答えをした相手がいたんだよ」
ハナ「同じ答えって……」
サクラ「あの人……今頃どうしてるのかな」
〇(回想)二年前
ユキ「ミナリくんは二人が愛し合ってた証拠じゃない!」
(回想終わり)
サクラ「……確かに、ミナリには責任はないな。でも一度もっちまった先入観ってのは中々消せないモンなんだよ」
ハナ「すいません……サクラさんにも事情があるのに自分勝手な事……」
サクラ「いいっていいって」
サクラ「ま、経験者としてあたしが二人に教えてあげられるのはコレだね」
サクラ「ガキのうちはガキを作るな、産むな」
〇男部屋
騒がしい女部屋
カツイ「あんだようっせーな」
トバ「まあいいじゃない仲良くしてるんだから」
〇女部屋
サクラ「なあミナリ……お前はまだ怒ってんのか? お前を捨てたミクの事も、お前を自分の子じゃないって言って捨てたあたしの事も……」
サクラの指を掴むミナリ
サクラ(M)「指を掴んだ……」
ミナリ「あー……」
サクラ「ミナリ……?」
ミナリ「ま、まぁーま、まぁま」
サクラ「ミナリッ……」
〇(回想)二年前
ユキ「ミナリくんって名前にしたの?」
サクラ「うん」
ユキ「どういう字を書くの?」
サクラ「真実の「じつ」に成功の「せい」で『実成』。ミクから一文字取ったんだ」
ユキ「へぇ……いい名前じゃない」
(回想終わり)
SE(ガチャ扉を開ける)
カツイ「ただいまー。あれっ、サクラは?」
トバ「(ひそひそ)カツイくん、こっち来てこっち」
カツイ「ん……うぉっ、ミナリの隣にサクラが……」
トバ「一緒に寝ちゃったんだろうねぇ、なんだか微笑ましい」
ハナ「サクラさん、風邪ひいちゃいますよ。ユエちゃん、毛布取ってくれるかな」
ユエ「はい、ハナお姉ちゃん」
サクラ「おっと……寝ちまったか」
ハナ「はい、ミナリくんと一緒にぐっすり」
サクラ「あーハナ」
ハナ「はい?」
サクラ「お前、フルネームでなんつったっけ?」
ハナ「呉林花乃……ですけど?」
サクラ「呉林!?」
カツイ「なんだサクラどうした?」
サクラ「呉林……そうか、だからあんなに似てると思ったのか」
ハナ「はい?」
ゲッカ「サクラさん? 何かあったんですか?」
サクラ「って事はお前が呉林月乃か」
ゲッカ「えっ」
カツイ「おいサクラ何の話だよ」
サクラ「まだ分かんねぇのかよカツイ」
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