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第十話 『血の涙』
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登場人物
カツイ(15・男)
トバ(15・男)
ゲッカ(13・男)
ハナ(13・女)
ユエ(11・女)
ソウマ(17・男)
サクラ(16・女)
男O(男性)
男P(男性)
男Q(男性)
男R(男性)
〇路上
カツイ「何でお前がこんなところにいるんだよ」
ソウマ「それは……」
トバ「カツイくん!」
SE(ばたばたばた)
カツイ「トバ?」
トバ「ごめん! 目を離した隙にゲッカくんとハナちゃんが攫われた!!」
カツイ「何だって!?」
SE(ガツッ……!)
カツイ、ソウマを壁に叩きつける
トバ「カツイくん! ダメだよ!」
カツイ「テメェの仕業か。ハナとゲッカをどこにやった!!」
カツイ「なんで俺から奪うんだよ!! 俺から全て!!」
SE(殴る音)
トバ「カツイくん、カツイくんやめて!!」
〇(回想)五年前
ソウマ「やめなさい! 彼はもうっ……」
トバ「ショウ、くん?」
トバ「ショウくん!!」
(回想終わり)
トバ「もうやめて!!」
カツイの手が止まる
ソウマ「……気が済みましたか?」
血を吐き出す
トバ「ソウマさん……ごめんなさい、カツイくんの代わりに僕が謝っ」
ソウマ「(遮って)二人を取り返せばいいのでしょう?」
カツイ「え……?」
ソウマ「今回の事は油断をした私にも責任があります。責任をもって二人を取り返してきましょう」
カツイ「けっ、テメェの言うことなんざ信用できんのかよ」
トバ「カツイくん!」
カツイ「そうだよ! あん時だってお前のせいでユキは……」
ソウマ「それで? 何が言いたいんです?」
カツイ「テメェがいると俺ら全員に迷惑がかかるんだよ。もう俺の前から消えてくれ。お前のせいで、お前のせいで!!」
SE(パシンッと頬を打つ音)
カツイ「なっ……」
トバ「いい加減にしなよ? カツイくん。いつまでガキみたいなこと言ってるの?」
カツイ「トバ……」
SE(服の汚れを払う音)
ソウマ「私は自分で言った事は何があっても守る主義です。貴方が私を信じられないのは知っていますが、私は行動で示すのみです」
SE(スタスタと立ち去る)
トバ「あっ、ソウマさん……カツイくん!」
カツイ「な、なんだよ……」
トバ「ソウマさんに謝って! 謝るの!! カツイくん!!」
カツイ「どうしたんだよいきなり……」
〇拉致された車の中
SE(ブロロロロ エンジン音)
ゲッカ(M)「僕たち……これからどうなっちゃうんだろう。家に連れ戻される? そんなことになったらきっとハナもお姉ちゃんみたいに無理矢理留学させられちゃう!!」
男P「うわっ、なんだ!?」
SE(キキィッ!! ブレーキ音)
男O「なんだ、どうした!!」
男P「男が急に車の前に……」
ハナ(M)「なに……一体何が起こったの?」
男O「ん?あれ、ソウマさんじゃないか?」
男P「本当だ。なんでソウマさんがこんなところに」
ゲッカ(M)「え、ソウマさん?」
SE(ウィーン 窓を開ける音)
男P「ソウマさーん! 何かありましたか? どうしてこんなところで」
ソウマ「(遮って)一度だけしか言いません」
男P「え?」
ソウマ「今すぐその二人を置いて立ち去りなさい」
ハナ(M)「ソウマさんは……私たちの味方なの?」
男O「……はっはっは、冗談言われちゃ困りますよ。俺たちもヒカルさんに言われてるんですから」
男P「ソウマさんも冗談とか言うんですね」
SE(グシャ)
ゲッカ(M)「う、うっそお……ソウマさんの片手だけで」
ハナ(M)「車のサイドガラスが粉々に……」
ソウマ「聞こえませんでしたか? 私は同じことを二度言うのは嫌いなんです」
男P「おおお俺たちだって、ヒカルさんの命令だからやってるだけだ!」
男O「ソウマさんだってこの二人を連れてくるよう言われてるでしょう!?」
SE(ぐっしゃあ)
ゲッカ(M)「いやいや有り得ないでしょ……ソウマさんのワンパンで運転席と助手席にいた男が二人共反対側に扉ごと吹っ飛ぶなんて。ナイナイ有り得ないって」
SE(ガチャ 扉を開ける)
ソウマ「お二人とも、怪我はありませんでしたか?」
SE(ビリっと口のガムテープを剥がす)
ゲッカ「……ぶはっ、助かりました」
ハナ「助けてくださってありがとうございます。でもどうしてソウマさんはそこまで私たちのことを……」
SE(複数の足音)
男Q「いたぞ!!」
男R「ソウマさん何やってるんですか!! ヒカルさんに怒られちまいますよ!!」
ソウマ「まだ居ましたか……片付けますのでそこで待っていて下さい」
SE(ポキポキ 指を鳴らす)
ハナ「ねえゲッカ……ソウマさん、大丈夫かな」
ゲッカ「分かんないよ。あんなに大勢の人を相手にソウマさんたった一人で……」
SE(ドカッ 攻撃音)
ソウマ(M)「はあ……流石に少し数が多いみたいですね。でも、あの二人を無事に彼らの元に送り届けなければ……」
SE(攻撃音)
SE(ヒュッと鉄パイプを振り上げる音)
ゲッカ「ソウマさん! 危ない!!」
ソウマ「え……」
SE(ガツッ)
ソウマ「つっ……」
ゲッカ「ソウマさん!」
ハナ「きゃあああああ!!」
ソウマ「来るな!!」
ゲッカ「なっ……」
ソウマ「こちらに来てはいけません。逃げなさい、早く」
ゲッカ「でもっ」
ソウマ「早くっ!」
ゲッカ「っ……ハナ、行くよっ!」
ハナ「え、でも……あのままじゃソウマさんが……」
ゲッカ「いいから早く!!」
SE(駆け出す二人の足音)
ソウマ(M)「無事に行きましたか……」
男Q「ソウマさん、困りますよ勝手な事されちゃ」
男R「そうですよ。俺らまでヒカルさんに怒られちまう」
ソウマ「はあっ……この件に関しては、全て私の責任だと。会長にはそう伝えなさい」
男Q「なっ……」
ソウマ(M)「『目の前から消えろ』ですか……その願いは叶えてあげられそうですよ」
〇アパート
SE(ガチャッ)
ハナ「カツイ先輩! トバ先輩!!」
サクラ「ハナ!? ゲッカ!! お前ら無事だったのか。攫われたってトバに聞いたけど。とにかく二人が無事だったってカツイに連絡しないと、二人共まだ探し回ってるはずだから」
ゲッカ「(遮って)ソウマさんが……助けてくれて。でも代わりにソウマさんが!!」
サクラ「ソウマ……さん?」
ハナ「お願いです!! ソウマさんを助けてください! あのままじゃソウマさんが!!」
カツイ(15・男)
トバ(15・男)
ゲッカ(13・男)
ハナ(13・女)
ユエ(11・女)
ソウマ(17・男)
サクラ(16・女)
男O(男性)
男P(男性)
男Q(男性)
男R(男性)
〇路上
カツイ「何でお前がこんなところにいるんだよ」
ソウマ「それは……」
トバ「カツイくん!」
SE(ばたばたばた)
カツイ「トバ?」
トバ「ごめん! 目を離した隙にゲッカくんとハナちゃんが攫われた!!」
カツイ「何だって!?」
SE(ガツッ……!)
カツイ、ソウマを壁に叩きつける
トバ「カツイくん! ダメだよ!」
カツイ「テメェの仕業か。ハナとゲッカをどこにやった!!」
カツイ「なんで俺から奪うんだよ!! 俺から全て!!」
SE(殴る音)
トバ「カツイくん、カツイくんやめて!!」
〇(回想)五年前
ソウマ「やめなさい! 彼はもうっ……」
トバ「ショウ、くん?」
トバ「ショウくん!!」
(回想終わり)
トバ「もうやめて!!」
カツイの手が止まる
ソウマ「……気が済みましたか?」
血を吐き出す
トバ「ソウマさん……ごめんなさい、カツイくんの代わりに僕が謝っ」
ソウマ「(遮って)二人を取り返せばいいのでしょう?」
カツイ「え……?」
ソウマ「今回の事は油断をした私にも責任があります。責任をもって二人を取り返してきましょう」
カツイ「けっ、テメェの言うことなんざ信用できんのかよ」
トバ「カツイくん!」
カツイ「そうだよ! あん時だってお前のせいでユキは……」
ソウマ「それで? 何が言いたいんです?」
カツイ「テメェがいると俺ら全員に迷惑がかかるんだよ。もう俺の前から消えてくれ。お前のせいで、お前のせいで!!」
SE(パシンッと頬を打つ音)
カツイ「なっ……」
トバ「いい加減にしなよ? カツイくん。いつまでガキみたいなこと言ってるの?」
カツイ「トバ……」
SE(服の汚れを払う音)
ソウマ「私は自分で言った事は何があっても守る主義です。貴方が私を信じられないのは知っていますが、私は行動で示すのみです」
SE(スタスタと立ち去る)
トバ「あっ、ソウマさん……カツイくん!」
カツイ「な、なんだよ……」
トバ「ソウマさんに謝って! 謝るの!! カツイくん!!」
カツイ「どうしたんだよいきなり……」
〇拉致された車の中
SE(ブロロロロ エンジン音)
ゲッカ(M)「僕たち……これからどうなっちゃうんだろう。家に連れ戻される? そんなことになったらきっとハナもお姉ちゃんみたいに無理矢理留学させられちゃう!!」
男P「うわっ、なんだ!?」
SE(キキィッ!! ブレーキ音)
男O「なんだ、どうした!!」
男P「男が急に車の前に……」
ハナ(M)「なに……一体何が起こったの?」
男O「ん?あれ、ソウマさんじゃないか?」
男P「本当だ。なんでソウマさんがこんなところに」
ゲッカ(M)「え、ソウマさん?」
SE(ウィーン 窓を開ける音)
男P「ソウマさーん! 何かありましたか? どうしてこんなところで」
ソウマ「(遮って)一度だけしか言いません」
男P「え?」
ソウマ「今すぐその二人を置いて立ち去りなさい」
ハナ(M)「ソウマさんは……私たちの味方なの?」
男O「……はっはっは、冗談言われちゃ困りますよ。俺たちもヒカルさんに言われてるんですから」
男P「ソウマさんも冗談とか言うんですね」
SE(グシャ)
ゲッカ(M)「う、うっそお……ソウマさんの片手だけで」
ハナ(M)「車のサイドガラスが粉々に……」
ソウマ「聞こえませんでしたか? 私は同じことを二度言うのは嫌いなんです」
男P「おおお俺たちだって、ヒカルさんの命令だからやってるだけだ!」
男O「ソウマさんだってこの二人を連れてくるよう言われてるでしょう!?」
SE(ぐっしゃあ)
ゲッカ(M)「いやいや有り得ないでしょ……ソウマさんのワンパンで運転席と助手席にいた男が二人共反対側に扉ごと吹っ飛ぶなんて。ナイナイ有り得ないって」
SE(ガチャ 扉を開ける)
ソウマ「お二人とも、怪我はありませんでしたか?」
SE(ビリっと口のガムテープを剥がす)
ゲッカ「……ぶはっ、助かりました」
ハナ「助けてくださってありがとうございます。でもどうしてソウマさんはそこまで私たちのことを……」
SE(複数の足音)
男Q「いたぞ!!」
男R「ソウマさん何やってるんですか!! ヒカルさんに怒られちまいますよ!!」
ソウマ「まだ居ましたか……片付けますのでそこで待っていて下さい」
SE(ポキポキ 指を鳴らす)
ハナ「ねえゲッカ……ソウマさん、大丈夫かな」
ゲッカ「分かんないよ。あんなに大勢の人を相手にソウマさんたった一人で……」
SE(ドカッ 攻撃音)
ソウマ(M)「はあ……流石に少し数が多いみたいですね。でも、あの二人を無事に彼らの元に送り届けなければ……」
SE(攻撃音)
SE(ヒュッと鉄パイプを振り上げる音)
ゲッカ「ソウマさん! 危ない!!」
ソウマ「え……」
SE(ガツッ)
ソウマ「つっ……」
ゲッカ「ソウマさん!」
ハナ「きゃあああああ!!」
ソウマ「来るな!!」
ゲッカ「なっ……」
ソウマ「こちらに来てはいけません。逃げなさい、早く」
ゲッカ「でもっ」
ソウマ「早くっ!」
ゲッカ「っ……ハナ、行くよっ!」
ハナ「え、でも……あのままじゃソウマさんが……」
ゲッカ「いいから早く!!」
SE(駆け出す二人の足音)
ソウマ(M)「無事に行きましたか……」
男Q「ソウマさん、困りますよ勝手な事されちゃ」
男R「そうですよ。俺らまでヒカルさんに怒られちまう」
ソウマ「はあっ……この件に関しては、全て私の責任だと。会長にはそう伝えなさい」
男Q「なっ……」
ソウマ(M)「『目の前から消えろ』ですか……その願いは叶えてあげられそうですよ」
〇アパート
SE(ガチャッ)
ハナ「カツイ先輩! トバ先輩!!」
サクラ「ハナ!? ゲッカ!! お前ら無事だったのか。攫われたってトバに聞いたけど。とにかく二人が無事だったってカツイに連絡しないと、二人共まだ探し回ってるはずだから」
ゲッカ「(遮って)ソウマさんが……助けてくれて。でも代わりにソウマさんが!!」
サクラ「ソウマ……さん?」
ハナ「お願いです!! ソウマさんを助けてください! あのままじゃソウマさんが!!」
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