魔力ゼロのセブン王子、キスで無限パワー!

霧島

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4−1 光と闇の最終決戦 ――無限回路、完全展開

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第4章4-1 光と闇の最終決戦 ――無限回路、完全展開

 世界が震えていた。
 夜空は裂け、王都全体を覆っていた黒雲が、竜のようにうねっている。
 天と地の境界が溶け、燃えるような赤と紫の稲妻が奔った。
 そこに、闇の主――悪魔王ダルファスが姿を現した。

 「人の愚かしき血よ……この世界ごと滅びるがいい!」
 その声は雷鳴のように響き、地を割った。
 王都の塔が崩れ落ち、火柱が空へと立ち昇る。

 その中に、一筋の光が生まれた。
 まるで夜の深淵から朝が昇るように。

 光の中心で、少年が立ち上がる。
 白銀の髪が風に揺れ、背には七つの光輪が浮かんでいた。
 セブン――覚醒した光の王。

 その瞳には、恐れも迷いもなかった。
 小さな体の奥に、無限の魔力が静かに渦巻いている。

 「もう、誰も奪わせない。
  この国も、サリーナも……僕の大切な人たちも!」

 悪魔王が嗤う。
 「王の血を継ぎし者よ、貴様の中の光は、我が糧となる!」
 黒い翼を広げ、無数の闇の刃が放たれた。
 それは空を覆い、夜そのものが牙を剥いたかのようだった。

 だが、セブンは逃げなかった。
 手を広げ、全身の光輪を展開する。
 七つの光が天と地をつなぎ、まるで聖なる陣のように輝いた。

 「――無限回路、起動!」

 眩い閃光が走り、闇の刃が次々と蒸発していく。
 光が闇を押し返し、王都を覆う黒霧が一気に吹き飛んだ。

 サリーナが後方から見上げる。
 その瞳に映るセブンの姿は、もはや少年ではなかった。
 その小さな背に、王の威厳と神聖さが宿っている。

 「これが……本当の、あなた……」
 呟く声が、風に溶ける。

 セブンの周囲に、光の粒が花のように舞い上がった。
 それはサリーナの魔力が共鳴し、彼の力を支えている証だった。
 「セブン、私の力も使って! 一緒に戦うわ!」
 「ありがとう、サリーナ。僕たちなら、勝てる!」

 その瞬間、二人の魔力が共鳴し、天空に巨大な魔法陣が浮かぶ。
 金色の光と青の光が交わり、世界を包むように広がった。

 悪魔王が吠える。
 「くだらぬ絆が、我を止めるとでも思うか!」
 闇の炎が噴き上がり、王都を焼き尽くそうと広がる。
 地が崩れ、塔が砕け、人々の悲鳴が響いた。

 だが、セブンは空へと舞い上がった。
 光輪が翼のように広がり、彼を天へと押し上げる。
 「闇は、消すものじゃない。導くものだ。
  だから――お前も光の中で眠れ!」

 彼の声に応えるように、サリーナの杖が光った。
 「祈りの回路、開放――!」
 彼女の体からも光があふれ、セブンの翼とひとつになる。

 白と金の光が融合し、天上の柱となって悪魔王を貫いた。
 轟音。
 闇が爆ぜ、世界が震えた。
 しかし、悪魔王はまだ消えない。
 黒い腕がセブンを掴み、引きずり込もうとする。

 「貴様も連れていく……! 共に地獄へ堕ちるがいい!」
 セブンは苦悶の声を上げる。
 全身を締めつける闇の鎖。
 骨が軋み、血が滲む。

 「セブン!!」
 サリーナの叫びが響く。
 彼女は走り出し、光の杖を彼に向けた。
 「あなたは一人じゃない! 私がいる! 光は、ふたりで――!」

 その声に、セブンの瞳が再び燃えた。
 「そうだ……僕はもう、ひとりじゃない!」

 光輪が再び輝き出す。
 七つの輪がひとつに重なり、白銀の光剣となる。
 「これが、僕たちの祈りの形だ――!」

 セブンは全身の力を込めて、その剣を振り下ろした。
 光が奔り、闇を貫く。
 悪魔王の巨体が裂け、絶叫が空を裂いた。

 「ば、ばかな……光が……我を……!」

 崩れゆく闇の中で、ダルファスの姿が塵となり消えていく。
 その残滓が風に散り、黒雲が完全に晴れた。

 ――静寂。

 光が王都全体を包み、焼けた地面に花が咲き始める。
 血に染まった石畳から、草が芽吹いた。
 サリーナは膝をつき、震える手で唇を押さえた。

 「……勝ったの?」
 その問いに、答えるように風が吹いた。
 柔らかな風が、セブンの頬を撫でる。

 彼は静かに降り立ち、振り返って微笑んだ。
 「うん。もう大丈夫。闇は眠ったよ」

 彼の背後で、七つの光輪が静かに回転を続けている。
 その輝きは、もはや戦いの炎ではなかった。
 世界を照らす、希望の光だった。

 サリーナは駆け寄り、彼を抱きしめた。
 「セブン……よく……がんばったわね……!」
 彼はその肩に手を置き、優しく微笑む。
 「僕はただ、君の信じてくれた光を見つけただけだよ」

 夜が終わる。
 空に金色の光が差し込み、王都の影を溶かしていく。
 鳥が鳴き、花が開く。
 すべてが再び息を吹き返していく。

 サリーナが囁いた。
 「あなたがいる限り、この国はもう大丈夫ね」
 「うん。これからは僕が、この光で世界を守る」

 朝日が昇る。
 闇を照らし、ふたりの影を長く伸ばす。
 七つの光輪がゆっくりと溶け、
 天へと消える瞬間、
 その光の一つがサリーナの頬に触れた。

 まるで、祝福の口づけのように――。


---

🕊 構成ポイント

封印解除後すぐ、悪魔王との全面戦闘(最大クライマックス)。

「ゼロ → 無限」への成長の総決算。

サリーナの祈り=光の共鳴、愛と信頼が力の源。

終盤は夜明けの情景で次章「戴冠と赦し」へ自然に接続。



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