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第1章
013 新たなモンスター
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俺とペロロさんは、オタオークを倒しながら南へと向かっている。
理由としては、ダンジョンの端がどうなっているのか確かめるためだ。
それ以外に、深い意味はない。
「あ~、やっぱり、これ以上行けそうにないね」
そしてダンジョンを囲む山の一部に近付くと、一面崖が続いている。
しかもその崖は、加工した岩のように平らだった。
「ツルツルしているし、登るのも無理そうだな」
手足をかける部分は無く、強度もかなりありそうなので、穴を開けるのも難しそうである。
「そうだね。まあ、これは何となくわかっていたし、次は東に行くかい?」
「西はオタオークの拠点があるし。北には塔があることを考えると、それでいいと思う」
俺たちは続いて、崖沿いに東へと進むことにした。
このイベント中は生存第一で、次にできるだけ多くのオタオークを倒す方針だ。
また簡易的だが、地図のようなものも作っている。
山山山山山山山山山
山ロロロロロロロ山
山ロロロロロロロ山
山ロロロロロロロ山
山ロロロ塔ロロロ山
山ロロロロロロロ山
山ロ森拠森ロロロ山
山オ森☆ロロロロ山
山山山山山山山山山
☆=現在地
拠=拠点
塔=中央の塔
オ=オタオークの住処
森=森
山=山
ロ=未探索
【ロ】一つがおそらく縦横1キロほどだと思う。
直線で歩けば15分くらいだが、木々や鏡、そしてオタオークや他プレイヤーを警戒しながらだと、予想以上に時間がかかる。
元々このダンジョンを選ぶプレイヤーは少ないだろうし、優勝を目指している者は中央の塔を目指すだろう。
なので、俺たちがプレイヤーと遭遇する可能性は低い。
また好戦的でなく、友好的であれば一時的に行動を共にするのもありだ。
ソロで活動することを決めた俺が、まさかこんなにも早く集団行動を考えることになるとは思わなかったな。
俺も以前より強くなったし、多少のことには対処ができるだろう。
せめて行動を共にする者には、トラウマを植え付けたくない。
それに今のところ、俺の中でこのダンジョンは比較的当たりの部類だ。
オタオークの住処に近付かなければ、案外どうにかなる。
ただ今後どうなるのか分からないので、その部分は注意が必要だ。
そうして東に住んでいくと、少しずつオタオークと出会う頻度が減っていく。
安全であれば、こちらに拠点を移すのもありだろう。
そんなことを考えていると、何やら声が聞こえてくる。
「すもうっぱ! すもうっぱ!!」
「ひぎっ!! だれっ……」
何か凄く嫌な予感がしてならない。
「ペロロさん、少し見てくるからここで待っていてくれないか?」
「ぼ、僕も行くよ!」
「いや、この声からするに、見るだけでトラウマになると思う」
「……わ、わかったよ。で、でも、何かあったら声を上げてよね! それと、遅かったら助けに行くから!」
「ああ、その時は頼む」
俺はペロロさんに断りを入れると、一人声のする方へと足を運ぶ。
「ギョヒヒッ!」
「ろりっ! カパッ!」
「すもうっぱ! すもうっぱ!」
そして俺の目の前に広がったのは大きな湖と、河童のモンスターたちが男性プレイヤーを性的に襲っている姿だった。
河童はひょろがりで、何故か瓶底眼鏡をした出っ歯である。
腰に赤い褌をつけていたようだが、それは周辺に落ちていた。
キュウリのようなそれで、男性プレイヤーとすもう(意味深)をしている。
おえっ。
ペロロさんを連れてこなくて、本当に良かった。
これはキツイ。
男性プレイヤーは二人。河童は五匹か。
助けた方がいいよな。
やれるか?
強さは未知数だ。
見た目通りだと、体術と何故か生えている出っ歯な前歯が武器なのだろう。
まともに五匹と戦うのは、骨が折れそうだ。
けど現在は獲物に夢中で、警戒心が薄い。
行くなら今しかないな。
俺は尻穴爆竹の串を一本取り出すと、背後からゆっくりと近付く。
ここまで近づいても気が付かないほど、河童たちは夢中のようだった。
そして一番近い河童の尻に、尻穴爆竹の串を突き刺す。
「ガバッ!?」
当然河童は驚愕と痛みで声を上げる。
俺はその隙に距離を離し、木の陰に隠れた。
すると爆発音が鳴り響き、河童たちは爆発に巻き込まれ重傷を負う。
プレイヤーも一人は死亡し、もう一人も虫の息だった。
悪いとは思いつつも、結局はキルすることになるので仕方がない。
俺はピンパチを握ると、生き残った三匹の河童へと襲い掛かる。
「グパッ!?」
「ぐぎぇ!」
「ガパッ!!」
元々重傷という事もあり、一撃で倒すことができた。
耐久力はおそらく、オタオークよりも低いのだろう。
続いて、虫の息のプレイヤーも楽にすることにした。
「ッ……あ」
心がズンと重くなるが、これ以外にどうすることも出来ない。
ここで死亡しても、プレイヤーは生き返る。
最後まで面倒が見れない以上、この地獄から解放するのが俺のできる限界だ。
「すまない」
そう呟いて、プレイヤーをキルした。
俺は周囲を見渡して他に何も無いことを確認すると、ペロロさんの元へと戻る。
爆発音で、ほかの河童が現れる可能性もあった。
なので、一度ここから距離を取ったほうがいいだろう。
「おかえり、爆発音がしたけど、大丈夫だった?」
「あ、ああ。大丈夫だ。とりあえず、ここから離れよう。説明は待ってくれ」
「うん、わかったよ」
俺の言葉にどこか不安そうな顔をするペロロさんだったが、俺に従って移動を開始する。
「――というわけなんだ」
「なるほど……河童か」
その後何とか安全な場所まで移動した俺は、ペロロさんに見たことをオブラートに包みながらも話した。
「ロリとも言っていたし、どことなくオタクに見えた。オタガッパだな」
「オタオークにオタガッパか。分かりやすいけど、いろんな意味で酷いね」
「しかもロリコンで、性別も年齢も関係なくロリに見えるみたいだ」
「クルコン君も、気を付けてね」
「ああ。分かっているよ。俺も襲われたくはない」
俺はペロロさんと、そんな軽口を交わす。
そうすることで、少しでも気分を落ち着かせる。
俺のおこなったことは、簡単に出来る事ではない。
精神的な負担が半端なかった。
ある程度感覚が麻痺しているので、今後の行動に影響が出るほどではないのが救いだ。
このダンジョンがマシな方だと考えていたのは、どうやら間違いだったな。
俺が引き当てたダンジョンで誰かがひどい目に遭うのは、心苦しい。
「クルコン君、一度仮の拠点に戻ろうか」
「え? あぁ、分かった」
俺の精神的な状況を察したのか、ペロロさんは俺の手をとって歩き出す。
ひんやりとしたペロロさんの小さな手が、どこか心地よかった。
そして帰り道は運よくモンスターと戦闘することがなく、無事に仮の拠点に戻ってくる。
木のうろの中にある荷物には、特に異常はみられない。
このうろは隠蔽効果もあるので、見つからずに済んだみたいだ。
俺とペロロさんはうろの中に入って、一息つく。
アイテムの効果なのか、うろの中はわりと広い。
およそ畳二枚分だろうか。
高さは1メートル半くらいで俺には低いが、ペロロさんが立つ分には十分の高さだ。
「クルコン君、喉が渇いたでしょ? はいこれハーブティ。落ち着くよ?」
「ありがとう」
ペロロさんが俺を気遣って、水筒に入っていたハーブティーを淹れてくれる。
受けとったハーブティーを飲むと、言われた通り心が落ち着く気がした。
ソロでやっていくと粋がっていたが、こうして安心できる人がいるだけでかなり違う。
もしかしたらソロで活動し続けた場合、俺の心はいずれダメになってしまうのだろうか。
それとも逆に、安心できる人がいるからこそ、隙が生まれて心が疲弊しやすくなっているのだろうか。
分からないが、今はペロロさんがいてくれて良かったと思っている。
だからこそ、このダンジョンでペロロさんだけは守らなければいけない。
ニコリと優しい笑みを浮かべるペロロさんの姿を見て、俺は強くそう思った。
理由としては、ダンジョンの端がどうなっているのか確かめるためだ。
それ以外に、深い意味はない。
「あ~、やっぱり、これ以上行けそうにないね」
そしてダンジョンを囲む山の一部に近付くと、一面崖が続いている。
しかもその崖は、加工した岩のように平らだった。
「ツルツルしているし、登るのも無理そうだな」
手足をかける部分は無く、強度もかなりありそうなので、穴を開けるのも難しそうである。
「そうだね。まあ、これは何となくわかっていたし、次は東に行くかい?」
「西はオタオークの拠点があるし。北には塔があることを考えると、それでいいと思う」
俺たちは続いて、崖沿いに東へと進むことにした。
このイベント中は生存第一で、次にできるだけ多くのオタオークを倒す方針だ。
また簡易的だが、地図のようなものも作っている。
山山山山山山山山山
山ロロロロロロロ山
山ロロロロロロロ山
山ロロロロロロロ山
山ロロロ塔ロロロ山
山ロロロロロロロ山
山ロ森拠森ロロロ山
山オ森☆ロロロロ山
山山山山山山山山山
☆=現在地
拠=拠点
塔=中央の塔
オ=オタオークの住処
森=森
山=山
ロ=未探索
【ロ】一つがおそらく縦横1キロほどだと思う。
直線で歩けば15分くらいだが、木々や鏡、そしてオタオークや他プレイヤーを警戒しながらだと、予想以上に時間がかかる。
元々このダンジョンを選ぶプレイヤーは少ないだろうし、優勝を目指している者は中央の塔を目指すだろう。
なので、俺たちがプレイヤーと遭遇する可能性は低い。
また好戦的でなく、友好的であれば一時的に行動を共にするのもありだ。
ソロで活動することを決めた俺が、まさかこんなにも早く集団行動を考えることになるとは思わなかったな。
俺も以前より強くなったし、多少のことには対処ができるだろう。
せめて行動を共にする者には、トラウマを植え付けたくない。
それに今のところ、俺の中でこのダンジョンは比較的当たりの部類だ。
オタオークの住処に近付かなければ、案外どうにかなる。
ただ今後どうなるのか分からないので、その部分は注意が必要だ。
そうして東に住んでいくと、少しずつオタオークと出会う頻度が減っていく。
安全であれば、こちらに拠点を移すのもありだろう。
そんなことを考えていると、何やら声が聞こえてくる。
「すもうっぱ! すもうっぱ!!」
「ひぎっ!! だれっ……」
何か凄く嫌な予感がしてならない。
「ペロロさん、少し見てくるからここで待っていてくれないか?」
「ぼ、僕も行くよ!」
「いや、この声からするに、見るだけでトラウマになると思う」
「……わ、わかったよ。で、でも、何かあったら声を上げてよね! それと、遅かったら助けに行くから!」
「ああ、その時は頼む」
俺はペロロさんに断りを入れると、一人声のする方へと足を運ぶ。
「ギョヒヒッ!」
「ろりっ! カパッ!」
「すもうっぱ! すもうっぱ!」
そして俺の目の前に広がったのは大きな湖と、河童のモンスターたちが男性プレイヤーを性的に襲っている姿だった。
河童はひょろがりで、何故か瓶底眼鏡をした出っ歯である。
腰に赤い褌をつけていたようだが、それは周辺に落ちていた。
キュウリのようなそれで、男性プレイヤーとすもう(意味深)をしている。
おえっ。
ペロロさんを連れてこなくて、本当に良かった。
これはキツイ。
男性プレイヤーは二人。河童は五匹か。
助けた方がいいよな。
やれるか?
強さは未知数だ。
見た目通りだと、体術と何故か生えている出っ歯な前歯が武器なのだろう。
まともに五匹と戦うのは、骨が折れそうだ。
けど現在は獲物に夢中で、警戒心が薄い。
行くなら今しかないな。
俺は尻穴爆竹の串を一本取り出すと、背後からゆっくりと近付く。
ここまで近づいても気が付かないほど、河童たちは夢中のようだった。
そして一番近い河童の尻に、尻穴爆竹の串を突き刺す。
「ガバッ!?」
当然河童は驚愕と痛みで声を上げる。
俺はその隙に距離を離し、木の陰に隠れた。
すると爆発音が鳴り響き、河童たちは爆発に巻き込まれ重傷を負う。
プレイヤーも一人は死亡し、もう一人も虫の息だった。
悪いとは思いつつも、結局はキルすることになるので仕方がない。
俺はピンパチを握ると、生き残った三匹の河童へと襲い掛かる。
「グパッ!?」
「ぐぎぇ!」
「ガパッ!!」
元々重傷という事もあり、一撃で倒すことができた。
耐久力はおそらく、オタオークよりも低いのだろう。
続いて、虫の息のプレイヤーも楽にすることにした。
「ッ……あ」
心がズンと重くなるが、これ以外にどうすることも出来ない。
ここで死亡しても、プレイヤーは生き返る。
最後まで面倒が見れない以上、この地獄から解放するのが俺のできる限界だ。
「すまない」
そう呟いて、プレイヤーをキルした。
俺は周囲を見渡して他に何も無いことを確認すると、ペロロさんの元へと戻る。
爆発音で、ほかの河童が現れる可能性もあった。
なので、一度ここから距離を取ったほうがいいだろう。
「おかえり、爆発音がしたけど、大丈夫だった?」
「あ、ああ。大丈夫だ。とりあえず、ここから離れよう。説明は待ってくれ」
「うん、わかったよ」
俺の言葉にどこか不安そうな顔をするペロロさんだったが、俺に従って移動を開始する。
「――というわけなんだ」
「なるほど……河童か」
その後何とか安全な場所まで移動した俺は、ペロロさんに見たことをオブラートに包みながらも話した。
「ロリとも言っていたし、どことなくオタクに見えた。オタガッパだな」
「オタオークにオタガッパか。分かりやすいけど、いろんな意味で酷いね」
「しかもロリコンで、性別も年齢も関係なくロリに見えるみたいだ」
「クルコン君も、気を付けてね」
「ああ。分かっているよ。俺も襲われたくはない」
俺はペロロさんと、そんな軽口を交わす。
そうすることで、少しでも気分を落ち着かせる。
俺のおこなったことは、簡単に出来る事ではない。
精神的な負担が半端なかった。
ある程度感覚が麻痺しているので、今後の行動に影響が出るほどではないのが救いだ。
このダンジョンがマシな方だと考えていたのは、どうやら間違いだったな。
俺が引き当てたダンジョンで誰かがひどい目に遭うのは、心苦しい。
「クルコン君、一度仮の拠点に戻ろうか」
「え? あぁ、分かった」
俺の精神的な状況を察したのか、ペロロさんは俺の手をとって歩き出す。
ひんやりとしたペロロさんの小さな手が、どこか心地よかった。
そして帰り道は運よくモンスターと戦闘することがなく、無事に仮の拠点に戻ってくる。
木のうろの中にある荷物には、特に異常はみられない。
このうろは隠蔽効果もあるので、見つからずに済んだみたいだ。
俺とペロロさんはうろの中に入って、一息つく。
アイテムの効果なのか、うろの中はわりと広い。
およそ畳二枚分だろうか。
高さは1メートル半くらいで俺には低いが、ペロロさんが立つ分には十分の高さだ。
「クルコン君、喉が渇いたでしょ? はいこれハーブティ。落ち着くよ?」
「ありがとう」
ペロロさんが俺を気遣って、水筒に入っていたハーブティーを淹れてくれる。
受けとったハーブティーを飲むと、言われた通り心が落ち着く気がした。
ソロでやっていくと粋がっていたが、こうして安心できる人がいるだけでかなり違う。
もしかしたらソロで活動し続けた場合、俺の心はいずれダメになってしまうのだろうか。
それとも逆に、安心できる人がいるからこそ、隙が生まれて心が疲弊しやすくなっているのだろうか。
分からないが、今はペロロさんがいてくれて良かったと思っている。
だからこそ、このダンジョンでペロロさんだけは守らなければいけない。
ニコリと優しい笑みを浮かべるペロロさんの姿を見て、俺は強くそう思った。
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