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2. 盲目の心理捜査官
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~アメリカ カリフォルニア州~
ロサンゼルス北部にあるグリフィスパーク。
広大な敷地の斜面には、HOLLYWOODの文字が飾られ、グリフィス天文台と並んで有名な公園である。
園内にはサイクリングコースや、野外劇場、乗馬コース、ゴルフ場など様々なエリアがある。
「ロス市警だ」
パトカーと野次馬の間を縫って、警察バッチを見せる2人。
「ご苦労様です」
「ひどいですねぇ、ボブさん」
ボブ・コールマン (54歳)に、相棒のアレン・カーター(25歳)が呟く。
9番ホールのグリーンには、直径2m程の窪みができ、当たりに散らばった遺体を、鑑識処理班が回収していた。
二人を見て、所轄の刑事が走り寄って来た。
「ご苦労様です、ボブさん。見ての通りパターの最中にドカーンです」
「で?」
「えっ、あぁ…見事カップインしてましたよ」
「バカヤロウ!害者や目撃者のことを聞いてるんだ、全く…💧」
彼が持っていた資料を、アレンが手に取る。
「害者は、ガストン・フリーマン。1人でプレイしてた様ですね」
「キャディーは?」
「キャディーは頼んで無い様ですね。私はやらないから詳しくはありませんが、セルフプレーが基本みたいですからね」
「じゃあ、キャディーバッグはどこに行ったんだ?まさかティーショットからパターじゃあるまい」
周りを見渡すアレン。
「盗まれたんじゃないですか?」
「血だらけのこんな現場から、盗むか? 監視カメラはどうだ?」
「あ、はい。最近プライベートの侵害と言う苦情が多く、売店とレストラン以外には設置してない様です」
(はぁ~)
ため息をつくボブ。
「グリーンは調べたのか?」
「グリーン?」
アレンが?を返す。
「この場所をグリーンって呼ぶくらい…」
「ええ、それは知ってます。で、何ですか?」
「全くこれだから若い奴は役に立たん。ミサイルでも飛んで来たと思うか?」
「バズーカとかじゃ?」
「それならこんなに綺麗に丸い穴はできん。地雷だよ、地雷」
「あっ!だからさっき金属探知機で…」
「もういい。アレン帰るぞ。身元と車の調査結果がでたら、送ってくれ」
「く…車ですか…」
少なくとも2000台は停まっている。
「夜になりゃ分かるだろうが!」
(全く、疲れる…)
そう思いながらも、ただの殺しじゃないことは分かっていた。
まだ終わりじゃないことも。
まさに、ベテランの勘は鋭い。
これはほんの一部にすぎなかったのである。
~ロサンゼルス市警本部~
殺人課に戻った2人を見て、同僚たちが目で合図を送った。
ボスの部屋に、1人の女性がいた。
ニール・ジャクソン警部(45歳)
ここのボスである。
2人に気付き、出て来た。
ニールの隣に彼女も並ぶ。
白いシャツにベージュのスラックススーツ。
スタイルは良く、美形。
だが、皆の気を引いたのは、黒サングラスに黒い手袋、そして黒いステッキであった。
「紹介しよう、こちらFBIの紗夜 姫城《ひめしろ》心理捜査官だ」
「おい、FBIの紗夜って…あの…」
ヒソヒソ声が聞こえた。
「そうだ!先日、バーン大統領の暗殺を食い止めた、あの紗夜さんだ」
シークレットサービスの威厳が世論で批判され、写真は掲載されなかったが、名前はアメリカ全土に知れ渡ったのである。
しかし…
「心理捜査官の紗夜です。お分かりの通り、私は子供の頃から両目が見えません」
その情報はなかった。
<2週間前>
国際化するテロ活動が増える中、初の世界テロ対策会議がアメリカで開催された。
その際、日本の風井警視総監が、警視である息子を連れて訪米し、国防総省と大統領が迎えたのである。
紗夜は日本人であることから、風井警視総監の護衛として、FBIから派遣されていた。
騒めき立つマスコミの集団から、少し離れた位置で集中していた紗夜。
その頭に、強い殺気を感じた。
「Crouch down❗️」
(しゃがんで❗️)
と叫び、その殺気へ向けて1発撃った。
次の瞬間には、シークレットサービスにより、取り押さえられた紗夜であった。
が、そこで彼等が見たのは、銃弾を頭部に受け、倒れて行く1人の男であった。
その手には44口径の銃が握られていた。
大統領との距離は僅か5m。
報道陣に紛れていた暗殺者であった。
「どうした?美人に見惚《と》れてるのかお前等!」
そう言う彼自身も、信じられないでいた。
「やはり、これは失礼でしたね」
サングラスを外した。
黒い瞳の美貌にどよめく男達。
「私はまだアメリカに来て1年なので、警察とFBIの関係は良く分かりません。現場で実践を積めとの指示で、こちらにお世話になります。よろしくお願いします」
深く一礼した紗夜。
「お前等、これは日本の礼儀だ、拍手くらいしやがれ!」
一斉に大きな拍手が鳴り響いた。
「ボブ、アレン」
ニールが2人を呼び、紗夜と部屋へ入った。
ニールの隣に座る紗夜。
普段はドアなど閉めないアレンが…閉めた。
「まぁ、座れ」
ニールに言われ、向かいに座る2人。
(なんだやっぱサングラスか、光過敏症か?)
「違います」
そう言って、サングラスをテーブルに置く。
「えっ?」
驚くアレン。
「何が、えっ?だ、まだ何も言ってないぞ」
「あ、いや…別に💦」
(気のせいか…)
「早く本当のことを言ってくれないか?ボス」
ボブの目が鋭くなる。
(もうすぐ定年だってぇのに、全く…)
「ボブ刑事、すみません」
「何っ❗️」
「驚かせてごめんなさい。私は人の思念を感じることができます。もちろん、必要な時だけですから、安心してください」
「読心術…ってやつか?」
「その様なものです。失礼ですが、殺人課の皆さんの経歴を拝見させてもらいました」
無表情で淡々と話す紗夜。
「その結果、ボブとアレン、君達が適任と判断されたんだ」
「Angelはご存知ですか?」
「あ…あぁ、あれか。FBIが追ってる国内テロ組織ですね」
唐突な問いに戸惑ったボブ。
「テロと言っても、反軍事勢力で、大きな事件はまだ起こしてないだろ?」
「そうです。まだ起きてはいません。これは、Angel の犯行によるものと見ています」
ノートパソコンの映像を、モニターに映した。
「1人目は、トラビス・メイソン。サンフランシスコのアパートが爆破され死亡。2人目は、クーパー・トンプソン。自宅に着いた車の中で爆発により死亡。3人目は、サンドラ・ベイカー。自宅の庭で爆発により死亡。これは昨日です。そして、4人目は」
紗夜がボブを見た。
「今日のグリフィスパークの地雷か」
「はい。彼は、ガストン・フリーマン。ボブ刑事の読み通り、地雷により爆死」
(共通点は…爆死…か?)
「はい。あっすみません、つい。調査の結果、アパートの爆発は、リビングのソファ。車の中の爆発は…」
「降りる時ってことになるから、シートですね。庭の爆発も…まさか」
「全て地雷か!」
「破片から、使用されたのはこのタイプと考えられます」
モニターに地雷が映る。
「対人地雷…古いな」
「確かに古いですが、一部改良されています」
電子部品の残骸が映る。
「遠隔操作…確実に標的だけを殺すためか」
「このタイプは、1972年に中東諸国がソ連の侵攻を止めるべく使用した物と同じです。そして先月、米軍がアフガニスタンで回収したものが、大量に盗まれていたことが判明しました」
「では、この犠牲者はもしかして…」
「アフガニスタンで、タリバンと戦った帰還兵達。所属は何度かの出兵でバラバラですが、その共通点を探っているところです」
「無差別に狙っているのではないと?」
ボブに染み付いた刑事の性質が、知らず知らず、本気モードに入る。
「はい。カリフォルニア州には、大勢のアフガン戦争の帰還兵がいますが、ピンポイントにこの犠牲者を狙っています」
「では、ヤツらはイスラムかタリバン側の人間と言うことですか?」
「それはありません。彼らがAngel を掲げるはずはありませんから」
暫く沈黙の中、それぞれ状況を整理していた。
「なるほど」
ボブが事の重大さに気付いた。
それを待っていた紗夜。
「来週のアフガン戦死者の追悼式か」
そこで紗夜の携帯が鳴った。
「はい、分かりました」
「どうかしたのかね?」
「テレビをつけて下さい」
アレンがリモコンでつける。
「…は、元軍人のガストン・フリーマン氏と判明しました。相次ぐ爆弾による殺害事件に、帰還兵達に対する偏見や、迫害が増加しており、サンフランシスコとロサンゼルス市民は、不安な日々を過ごしています。私達ロスポストは、引き続き政府や警察の動きに、注目して参ります。グリフィスパークの現場より、メアリー・フランシスがお伝えしました」
「また彼女か」
「厄介なリポーターの様ですね」
3人の同じ感情を読みとった紗夜。
「では、私は一度ロス支局に戻ります」
と、部屋を出かけて振り返る。
「あの…余計なことかもしれませんが…」
「なんだね?」
「隣の部屋で取り調べを受けてる方は、犯人ではありません。自分の…友人を庇《かば》ってます。交友関係を調べてみてください。では」
驚く3人を後に、まるで見えているかの様に、殺人課を出て行った。
ロサンゼルス北部にあるグリフィスパーク。
広大な敷地の斜面には、HOLLYWOODの文字が飾られ、グリフィス天文台と並んで有名な公園である。
園内にはサイクリングコースや、野外劇場、乗馬コース、ゴルフ場など様々なエリアがある。
「ロス市警だ」
パトカーと野次馬の間を縫って、警察バッチを見せる2人。
「ご苦労様です」
「ひどいですねぇ、ボブさん」
ボブ・コールマン (54歳)に、相棒のアレン・カーター(25歳)が呟く。
9番ホールのグリーンには、直径2m程の窪みができ、当たりに散らばった遺体を、鑑識処理班が回収していた。
二人を見て、所轄の刑事が走り寄って来た。
「ご苦労様です、ボブさん。見ての通りパターの最中にドカーンです」
「で?」
「えっ、あぁ…見事カップインしてましたよ」
「バカヤロウ!害者や目撃者のことを聞いてるんだ、全く…💧」
彼が持っていた資料を、アレンが手に取る。
「害者は、ガストン・フリーマン。1人でプレイしてた様ですね」
「キャディーは?」
「キャディーは頼んで無い様ですね。私はやらないから詳しくはありませんが、セルフプレーが基本みたいですからね」
「じゃあ、キャディーバッグはどこに行ったんだ?まさかティーショットからパターじゃあるまい」
周りを見渡すアレン。
「盗まれたんじゃないですか?」
「血だらけのこんな現場から、盗むか? 監視カメラはどうだ?」
「あ、はい。最近プライベートの侵害と言う苦情が多く、売店とレストラン以外には設置してない様です」
(はぁ~)
ため息をつくボブ。
「グリーンは調べたのか?」
「グリーン?」
アレンが?を返す。
「この場所をグリーンって呼ぶくらい…」
「ええ、それは知ってます。で、何ですか?」
「全くこれだから若い奴は役に立たん。ミサイルでも飛んで来たと思うか?」
「バズーカとかじゃ?」
「それならこんなに綺麗に丸い穴はできん。地雷だよ、地雷」
「あっ!だからさっき金属探知機で…」
「もういい。アレン帰るぞ。身元と車の調査結果がでたら、送ってくれ」
「く…車ですか…」
少なくとも2000台は停まっている。
「夜になりゃ分かるだろうが!」
(全く、疲れる…)
そう思いながらも、ただの殺しじゃないことは分かっていた。
まだ終わりじゃないことも。
まさに、ベテランの勘は鋭い。
これはほんの一部にすぎなかったのである。
~ロサンゼルス市警本部~
殺人課に戻った2人を見て、同僚たちが目で合図を送った。
ボスの部屋に、1人の女性がいた。
ニール・ジャクソン警部(45歳)
ここのボスである。
2人に気付き、出て来た。
ニールの隣に彼女も並ぶ。
白いシャツにベージュのスラックススーツ。
スタイルは良く、美形。
だが、皆の気を引いたのは、黒サングラスに黒い手袋、そして黒いステッキであった。
「紹介しよう、こちらFBIの紗夜 姫城《ひめしろ》心理捜査官だ」
「おい、FBIの紗夜って…あの…」
ヒソヒソ声が聞こえた。
「そうだ!先日、バーン大統領の暗殺を食い止めた、あの紗夜さんだ」
シークレットサービスの威厳が世論で批判され、写真は掲載されなかったが、名前はアメリカ全土に知れ渡ったのである。
しかし…
「心理捜査官の紗夜です。お分かりの通り、私は子供の頃から両目が見えません」
その情報はなかった。
<2週間前>
国際化するテロ活動が増える中、初の世界テロ対策会議がアメリカで開催された。
その際、日本の風井警視総監が、警視である息子を連れて訪米し、国防総省と大統領が迎えたのである。
紗夜は日本人であることから、風井警視総監の護衛として、FBIから派遣されていた。
騒めき立つマスコミの集団から、少し離れた位置で集中していた紗夜。
その頭に、強い殺気を感じた。
「Crouch down❗️」
(しゃがんで❗️)
と叫び、その殺気へ向けて1発撃った。
次の瞬間には、シークレットサービスにより、取り押さえられた紗夜であった。
が、そこで彼等が見たのは、銃弾を頭部に受け、倒れて行く1人の男であった。
その手には44口径の銃が握られていた。
大統領との距離は僅か5m。
報道陣に紛れていた暗殺者であった。
「どうした?美人に見惚《と》れてるのかお前等!」
そう言う彼自身も、信じられないでいた。
「やはり、これは失礼でしたね」
サングラスを外した。
黒い瞳の美貌にどよめく男達。
「私はまだアメリカに来て1年なので、警察とFBIの関係は良く分かりません。現場で実践を積めとの指示で、こちらにお世話になります。よろしくお願いします」
深く一礼した紗夜。
「お前等、これは日本の礼儀だ、拍手くらいしやがれ!」
一斉に大きな拍手が鳴り響いた。
「ボブ、アレン」
ニールが2人を呼び、紗夜と部屋へ入った。
ニールの隣に座る紗夜。
普段はドアなど閉めないアレンが…閉めた。
「まぁ、座れ」
ニールに言われ、向かいに座る2人。
(なんだやっぱサングラスか、光過敏症か?)
「違います」
そう言って、サングラスをテーブルに置く。
「えっ?」
驚くアレン。
「何が、えっ?だ、まだ何も言ってないぞ」
「あ、いや…別に💦」
(気のせいか…)
「早く本当のことを言ってくれないか?ボス」
ボブの目が鋭くなる。
(もうすぐ定年だってぇのに、全く…)
「ボブ刑事、すみません」
「何っ❗️」
「驚かせてごめんなさい。私は人の思念を感じることができます。もちろん、必要な時だけですから、安心してください」
「読心術…ってやつか?」
「その様なものです。失礼ですが、殺人課の皆さんの経歴を拝見させてもらいました」
無表情で淡々と話す紗夜。
「その結果、ボブとアレン、君達が適任と判断されたんだ」
「Angelはご存知ですか?」
「あ…あぁ、あれか。FBIが追ってる国内テロ組織ですね」
唐突な問いに戸惑ったボブ。
「テロと言っても、反軍事勢力で、大きな事件はまだ起こしてないだろ?」
「そうです。まだ起きてはいません。これは、Angel の犯行によるものと見ています」
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「1人目は、トラビス・メイソン。サンフランシスコのアパートが爆破され死亡。2人目は、クーパー・トンプソン。自宅に着いた車の中で爆発により死亡。3人目は、サンドラ・ベイカー。自宅の庭で爆発により死亡。これは昨日です。そして、4人目は」
紗夜がボブを見た。
「今日のグリフィスパークの地雷か」
「はい。彼は、ガストン・フリーマン。ボブ刑事の読み通り、地雷により爆死」
(共通点は…爆死…か?)
「はい。あっすみません、つい。調査の結果、アパートの爆発は、リビングのソファ。車の中の爆発は…」
「降りる時ってことになるから、シートですね。庭の爆発も…まさか」
「全て地雷か!」
「破片から、使用されたのはこのタイプと考えられます」
モニターに地雷が映る。
「対人地雷…古いな」
「確かに古いですが、一部改良されています」
電子部品の残骸が映る。
「遠隔操作…確実に標的だけを殺すためか」
「このタイプは、1972年に中東諸国がソ連の侵攻を止めるべく使用した物と同じです。そして先月、米軍がアフガニスタンで回収したものが、大量に盗まれていたことが判明しました」
「では、この犠牲者はもしかして…」
「アフガニスタンで、タリバンと戦った帰還兵達。所属は何度かの出兵でバラバラですが、その共通点を探っているところです」
「無差別に狙っているのではないと?」
ボブに染み付いた刑事の性質が、知らず知らず、本気モードに入る。
「はい。カリフォルニア州には、大勢のアフガン戦争の帰還兵がいますが、ピンポイントにこの犠牲者を狙っています」
「では、ヤツらはイスラムかタリバン側の人間と言うことですか?」
「それはありません。彼らがAngel を掲げるはずはありませんから」
暫く沈黙の中、それぞれ状況を整理していた。
「なるほど」
ボブが事の重大さに気付いた。
それを待っていた紗夜。
「来週のアフガン戦死者の追悼式か」
そこで紗夜の携帯が鳴った。
「はい、分かりました」
「どうかしたのかね?」
「テレビをつけて下さい」
アレンがリモコンでつける。
「…は、元軍人のガストン・フリーマン氏と判明しました。相次ぐ爆弾による殺害事件に、帰還兵達に対する偏見や、迫害が増加しており、サンフランシスコとロサンゼルス市民は、不安な日々を過ごしています。私達ロスポストは、引き続き政府や警察の動きに、注目して参ります。グリフィスパークの現場より、メアリー・フランシスがお伝えしました」
「また彼女か」
「厄介なリポーターの様ですね」
3人の同じ感情を読みとった紗夜。
「では、私は一度ロス支局に戻ります」
と、部屋を出かけて振り返る。
「あの…余計なことかもしれませんが…」
「なんだね?」
「隣の部屋で取り調べを受けてる方は、犯人ではありません。自分の…友人を庇《かば》ってます。交友関係を調べてみてください。では」
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