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第二十一話 新たな仕事
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ギルド長の部屋に案内されると。
「今日はお時間がありますかな」
ギルド長がわざわざ時間の余裕を聞いてきた。
「大丈夫ですよ」
「では、お茶の用意をします。少々お待ち下さい」
僕たちの前にお茶の用意が済むと。ドアがノックされた。
「やっぱりいた」
S級の女冒険者が二人とB級の男冒険者がはいってきた。
ギルド長は知らなかったらしく、驚いた様子だったが左胸の階級章を見て、怒鳴るのをやめて静かに口を開いた。
「何の用だ。私はこれから重要な話がある。出て行ってもらいたいのだが……」
「おっさんに用はない。そこの姉御に用があるんだ」
S級の冒険者が僕たちの方を見て話し出した。
「先日の闘技場にいたのは、姉御達ですよね」
そして、僕たちを姉御呼ばわりして話しかけてきた。
「私はサビアです。そちらの青い髪の姉御に負けた弱輩者です。お名前を教えていただけませんか」
サビアさんという黒髪の体の大きなS級冒険者が、ユーリさんに名前を聞いてきた。
「うるさいのー、私はユーリじゃ」
「嘘だろー、F級なのにS級より強いのかよー」
B級冒険者が口の中でつぶやいた。
聞こえちゃってますけどね。
「わ、私はシロイです。黒髪のお姉様に負けた者です。是非お名前を教えて下さい」
シロイさんという銀髪のS級冒険者はアクエラさんに名前を聞いてきた。
「うるさいのー、わちきはアクエラでありんす」
アクエラさんが、ユーリさんの真似をして答えている。
「あ、あの、ローズ様。あなた様はハルトの街で、トロールキングを平伏させておられましたよね」
今度はB級冒険者が、ローズに話しかけた。
「嘘だろ、トロールキングを平伏だって……」
サビアさんとシロイさんが今度は口の中でつぶやいた。
まあ、聞こえちゃってますけどね。
「あなたは、気を失っていたのではありませんか」
「いえ、平伏するところは憶えています」
「くすくす、では、その事はもうお忘れ下さい。いいですね!」
ローズが優しい口調から、最期は脅すような口調になった。
「ヒッ、でも、それでは、ローズ様がまるで評価されません。納得出来ません」
B級冒険者が、小さく悲鳴を上げながらも、くいさがった。
「ありがとうございます。でも私達は訳あって存在を隠しています。どうか秘密を守って下さいお願いします」
ローズが丁寧な口調で、優しく語りかけ美しい笑顔になった。
それを見たB級冒険者の顔が見る見る赤くなった。
そしてローズは深々と、頭を机にぶつけそうなくらい下げた。
「お、おやめ下さい。分かりました。男ティコー、この事は二度と口に致しません」
ティコーさんは大柄な人の良さそうな茶髪の男だった。
「ふふふ、では、ノコ様、本題に入ってもよろしいですかな」
ギルド長が体を乗り出して話しかけてきた。
「どうぞ」
「実は、新たな仕事をしていただきたいのです」
うーーん、どうするかなー。
ノコさんにこの世界を楽しんでもらいたいから、楽しそうな仕事ならいいかなー。
「一応、聞かせて下さい」
「今日はお時間がありますかな」
ギルド長がわざわざ時間の余裕を聞いてきた。
「大丈夫ですよ」
「では、お茶の用意をします。少々お待ち下さい」
僕たちの前にお茶の用意が済むと。ドアがノックされた。
「やっぱりいた」
S級の女冒険者が二人とB級の男冒険者がはいってきた。
ギルド長は知らなかったらしく、驚いた様子だったが左胸の階級章を見て、怒鳴るのをやめて静かに口を開いた。
「何の用だ。私はこれから重要な話がある。出て行ってもらいたいのだが……」
「おっさんに用はない。そこの姉御に用があるんだ」
S級の冒険者が僕たちの方を見て話し出した。
「先日の闘技場にいたのは、姉御達ですよね」
そして、僕たちを姉御呼ばわりして話しかけてきた。
「私はサビアです。そちらの青い髪の姉御に負けた弱輩者です。お名前を教えていただけませんか」
サビアさんという黒髪の体の大きなS級冒険者が、ユーリさんに名前を聞いてきた。
「うるさいのー、私はユーリじゃ」
「嘘だろー、F級なのにS級より強いのかよー」
B級冒険者が口の中でつぶやいた。
聞こえちゃってますけどね。
「わ、私はシロイです。黒髪のお姉様に負けた者です。是非お名前を教えて下さい」
シロイさんという銀髪のS級冒険者はアクエラさんに名前を聞いてきた。
「うるさいのー、わちきはアクエラでありんす」
アクエラさんが、ユーリさんの真似をして答えている。
「あ、あの、ローズ様。あなた様はハルトの街で、トロールキングを平伏させておられましたよね」
今度はB級冒険者が、ローズに話しかけた。
「嘘だろ、トロールキングを平伏だって……」
サビアさんとシロイさんが今度は口の中でつぶやいた。
まあ、聞こえちゃってますけどね。
「あなたは、気を失っていたのではありませんか」
「いえ、平伏するところは憶えています」
「くすくす、では、その事はもうお忘れ下さい。いいですね!」
ローズが優しい口調から、最期は脅すような口調になった。
「ヒッ、でも、それでは、ローズ様がまるで評価されません。納得出来ません」
B級冒険者が、小さく悲鳴を上げながらも、くいさがった。
「ありがとうございます。でも私達は訳あって存在を隠しています。どうか秘密を守って下さいお願いします」
ローズが丁寧な口調で、優しく語りかけ美しい笑顔になった。
それを見たB級冒険者の顔が見る見る赤くなった。
そしてローズは深々と、頭を机にぶつけそうなくらい下げた。
「お、おやめ下さい。分かりました。男ティコー、この事は二度と口に致しません」
ティコーさんは大柄な人の良さそうな茶髪の男だった。
「ふふふ、では、ノコ様、本題に入ってもよろしいですかな」
ギルド長が体を乗り出して話しかけてきた。
「どうぞ」
「実は、新たな仕事をしていただきたいのです」
うーーん、どうするかなー。
ノコさんにこの世界を楽しんでもらいたいから、楽しそうな仕事ならいいかなー。
「一応、聞かせて下さい」
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